Ubisoftのスタジオに“Swatting”おこなった男性に判決下る。『R6S』では過去“80回以上BANされた”との報道もあるド悪質荒らし男

 

カナダ現地メディアLa Presseは現地時間7月3日、パリ司法裁判所が、Ubisoft Montrealを標的に“Swatting”行為を実施したとされる22歳フランス人男性に対して、懲役3年(執行猶予2年)の判決を言い渡したと伝えた。同男性は『レインボーシックス シージ』においてチート行為を繰り返していたとされるほか、フランス政府へのDDoS攻撃や『マインクラフト』開発元の脅迫の罪にも問われていたという。


AFP通信の報道によれば、今回判決を受けたのは22歳のフランス人男性Yanni Ouahioune被告。同被告は、2020年におこなったとされる虚偽の通報、いわゆるSwatting行為について罪を問われていた。また、“Y4nnOXX” といった名前で活動し、Ubisoftが開発を手掛ける『レインボーシックス シージ』においてチート行為を繰り返していたプレイヤーだという。判決としては、3年(執行猶予2年)の刑期を刑務所外での社会奉仕活動、審問で供述された精神状況の治療、または職業訓練への従事にあてることとなる。この結果についてUbisoft MontrealとOuahioune被告弁護人は、双方各報道機関を通じて同判決を受け入れる意向を明らかにした(Montreal Gazette)(La Presse)。

Ouahioune被告は2020年11月13日に、「Ubisoft Montrealのオフィスにて人質事件が発生」という虚偽の通報をおこなった。事件当時、現場となったUbisoft Montrealのオフィス周辺には多数の特殊部隊が出動し、周辺の道路は封鎖されるなど近隣住民を巻き込む大混乱に陥った。当時社内に勤務していた従業員は、安全確保のため屋上へ避難する、室内にバリケードを築くなどの対応を余儀なくされたという(関連記事)。

事件後からモントリオール市警は、虚偽の通報をおこなった犯人の捜査を継続しOuahioune被告の検挙に至った。同被告は審問の当初、事件への関与を否定していたものの、事件当日に被告両親の所有するPCから、ロシアのサーバーを経由して通報をおこなった記録が発見されたという。また、La Presseの過去報道によれば、同被告は過去に『レインボーシックス シージ』において80回以上のBANを受けていたとのこと。ほかに、「MESSAGE FOR UBISOFT」と題しBAN処分への報復として、チートによるさらなる荒らし行為を仄めかす内容の動画を投稿するなどしていた。こうした行動から、同被告はUbisoftに対して悪感情をもっていたと見られることが明らかになっている。

今回の判決には、同被告が過去に関与したフランス政府機関に対するDDoS攻撃、『マインクラフト』開発元Mojangへの脅迫の罪も含まれているとのこと。なお、同被告のものと思われるTwitterアカウントは判決後も活動を継続。現在身柄を拘留されている室内から撮ったと思しき写真の公開や、弁護士費用支払いを目的とした募金を呼び掛けるなど、判決後も依然としてTwitter投稿を続けている。

Image Credit: Yannox on Twitter


Ubisoft Montreal広報担当者は今回の判決をうけ、カナダ現地メディアMontreal Gazetteに向けてコメント。一連の公判について「Ubisoft Montrealは、虚偽の通報によりさまざまな影響を被った従業員たちの権益を守るべく尽力した」と語り、以降は被害者となった従業員への配慮のため、コメントを差し控える旨を伝えた。

【UPDATE 2023/7/10 18:42】
「実刑」との記述を修正