Googleのクラウドゲームサービス「Stadia」について、ゲーマーの関心は高い一方でまだはっきりしない点も多いためか、Stadia公式Twitterアカウントには日々多くの質問が寄せられている。Googleはそうした質問に回答しながら、7月3日には公式FAQページを更新し周知を図っている。
まず、問い合わせの多い内容のひとつとしては、どういったデバイスでStadiaのサービスを利用できるのかがある。Stadiaは、テレビやPC、スマートフォン、タブレットとデバイスを選ばないことを売り文句のひとつとしているが、ローンチ時点でモバイルゲームプレイが可能なスマホは、GoogleのPixel 3シリーズ(3/3XL/3a/3a XL)のみとのこと。これはStadiaの発表時から言及されていたことだが、あらためて明確にされている。
ローンチ時には、Chrome OSが動作するタブレットや、テレビに接続して利用するChromecast Ultraもサポートする。PCにおいては、Chromeブラウザを使用しOSを問わずプレイできる予定だが、ローンチ時点の対応については明らかでない。対応デバイスは、ローンチ以降に随時追加していく予定だ。なお、DaydreamなどVRデバイスのサポートは未定としている。
ゲームの購入や管理には「Stadiaアプリ」を使用し、こちらはAndroid M以降/iOS 11以降のいずれのデバイスでも利用可能。また、Chromecast UltraやStadia Controllerの初回セットアップ時にも、モバイルデバイスが必要とのこと。
Stadia Controllerは、Wi-Fi接続でゲームプレイする点が大きな特徴となっており、セットアップ時にはBLE(Bluetooth Low Energy)を利用する。ただ、汎用のBluetoothコントローラーとして機能するかどうかは不明。一方で、PCなどにUSBで有線接続した際は標準的なUSB HIDコントローラーとして認識されるため、Stadia以外のゲームの多くで利用できるはずだとしている。なお、StadiaもUSB HIDコントローラーをサポートするため、Stadia Controller以外でもプレイ可能だ(Chromecast Ultraを使用する場合のみStadia Controller必須)。
同時接続可能なStadia Controllerの数は4つまでとされている。そのため、もしローカルにて4人以上が参加するマルチプレイゲームをプレイするなら、USBコントローラーや、マウス&キーボードを追加で用意する必要があるだろう。ローンチ時点では、Stadiaアカウントには1人のユーザーしか登録できないため、ローカル協力プレイをする際などにはゲストアカウントを利用する形になる。
*『ゴーストリコン ブレイクポイント』を含む100タイトル以上が遊び放題になるUbisoftの新サブスクリプションサービス「Uplay+」は、Stadia向けにも提供予定。
Stadiaはサブスクリプション形式で提供され、ローンチ時には月額9.99ドル(約1000円)の「Stadia Pro」プランが用意される。もしこれに加入してゲームを購入・プレイし、のちに退会、そして再加入した場合について、ゲームの購入履歴はアカウントに保持されているため、同じゲームを再購入する必要はない。ゲームの進捗状況も保存されており、続きからプレイできるという。
Stadia向けに提供されるゲームは現時点で30タイトルが発表されており、Stadia Proプランに加入すれば遊び放題となるタイトルには、『Destiny 2: The Collection』が含まれることが唯一明らかにされている。同作では、Stadia版と他機種版でプレイの進捗状況を共有可能。Googleは、こうしたクロスプログレッションやクロスプレイを推進させるため、ほかのパートナー企業とも協議をおこなっているそうだ。
販売元の事情により、特定のゲームのStadiaへの提供・販売が終了することがあるかもしれない。そうした場合、新たに購入することはできなくなるが、予期せぬ事態が起こらない限り、既に購入していたプレイヤーは提供終了後も引き続きプレイ可能とのこと。ただ、Stadia Proプランにて遊び放題となる個別購入不要なゲームが提供終了した場合も、途中までプレイしていた続きを遊べるのかどうかははっきりしない。
Thanks for the tweet, Fabian. We can't guarantee that Stadia will work in an unsupported country. Our goal is to make Stadia available to as many people as possible. We'll be sharing more details on additional countries in the near future.
— Stadia (@GoogleStadia) July 10, 2019
Stadiaは、アメリカ・カナダ・イギリスなど欧米14か国にて今年11月にローンチ予定で、日本は含まれていない。なお、サービス対象外の国からStadiaに接続を試みた場合についてGoogleは、FAQページでは動作しないと明言しているが、Twitterでは動作するかどうかは保証できないとやや曖昧に回答している。2020年以降には、さらなる国にもサービスを拡大していく予定で、月額料金不要の「Stadia Base」プランも導入される(関連記事)。