Googleの「Stadia」はベータなしで本番スタート。月額サービス加入後もゲーム購入の必要があるなど、さまざまな最新情報まとめ

GoogleのバイスプレジデントPhil Harrison氏は6月27日、同社のクラウドゲームサービス「Stadia」について、Eurogamerなどイギリスメディアの合同インタビューに答え、サービスのさらなる詳細について語った。

Stadia向けには、現時点で30タイトルの配信予定ゲームが発表されており、『ディビジョン 2』など比較的最近の人気作から、『ファイナルファンタジー15』などの日本のゲーム、『Thumper』などのインディーゲーム、そして『ボーダーランズ 3』や『DOOM Eternal』といった期待の新作がラインアップされている(当初発表から『Power Rangers: Battle for the Grid』が取り下げられている)。今回、その価格について言及があった(Eurogamer)。

サブスクリプション形式で提供されるStadiaでは、ローンチ時点では月額9.99ドル(約1000円)の「Stadia Pro」プランが用意され、2020年には月額料金のかからない「Stadia Base」プランも追加される(関連記事)。Stadia Proプランでは、遊び放題のゲームライブラリにアクセスできるが、上述した30タイトルすべてがそのライブラリに収録されるわけではないそうだ。つまり、個別に購入しないとプレイできないゲームも存在するということ。

そのゲーム単品の価格についてPhil Harrison氏は、販売元や開発元が決めることだとしながら、ほかのプラットフォームよりも安くなることはないと明言した。ストリーミングでしかプレイできないため、多少割安になることを期待した質問だったのかもしれない。ただHarrison氏は、テレビやPC、スマホ、タブレットなどデバイスを選ばないこと、また理論的にもっともクオリティの高いグラフィックでプレイできる点を、Stadia版の価値だとしている。なお、Stadia Proプラン加入者には割引が適用される。

一方、ほかの多くのサブスクリプションサービスでは、基本的に月額料金のみですべてのコンテンツにアクセスできるが、Stadiaでは有料会員であってもゲームを買う必要が出てくる。この点についてHarrison氏は、ゲーム業界はちょうど転換期にあり、誰もがサブスクリプションに移行する準備ができているとは限らないため、ゲーマーに従来と同じような形でゲームを入手できる選択肢を提供したと説明している。なお、仮にゲームがStadia向けの販売を終了した場合でも、購入者は引き続きプレイ可能とのことだ(IGN)。

*Stadia独占タイトルの『GYLT』。開発元Tequila Worksは、いずれほかのプラットフォームでも発売することを示唆(Eurogamer)。

Phil Harrison氏は、ISPがユーザーに課している場合のあるデータ通信量の上限についても言及している(GameSpot)。Stadiaでは、4K/HDR・60fps・5.1chサラウンドの最高品質でゲームを楽しむ場合、下り35Mbpsの通信環境が必要だとしており(1080pでは20Mbps、720pでは10Mbps)、ユーザのインターネットの加入プランによっては、Stadiaでの通信が大きな負担になってしまう可能性がある。

これに対してHarrison氏は、通信量の上限は普遍的な課題ではないとコメント。音楽や映像コンテンツのダウンロード・ストリーミングの普及に先んじて、その上限を引き上げてきたISPの歴史を引き合いに出し、顧客を手放さないためにも要望に応えていくだろうとしている。つまり、Stadiaを含むゲームストリーミングサービスの普及に、ISP側が対応していくことを期待しているようだ。なお上述の必須通信環境については、圧縮技術も活用するため、最高品質であっても常に35Mbpsで通信するわけではないとのこと。

Stadiaは、まずは欧米14か国にて今年11月にローンチ予定となっている。Phil Harrison氏によると、それまでにベータテストをおこなう計画はないとのこと(GamesRadar)。GoogleはStadia正式発表前の昨年、「Project Stream」として『アサシン クリード オデッセイ』のストリーミングプレイを米国内でテストしていた。Harrison氏いわく、米国はテスト環境としては地理的にもっとも複雑で、ここで機能することが確認されたため、これ以上のテストは必要ないとしている。

ちなみに、調査会社GameTrackがイギリス・フランス・ドイツ・スペインのゲーマーを対象におこなったアンケートによると、約7割がクラウドゲームサービスには興味が無いと回答したという(GamesIndustry.biz)。関心が低い理由のひとつとしては、月額料金に見合った価値が提供されているか疑問を感じている人が多いとしている。一方で、ゲーム以外のストリーミングサービスに加入しているとした回答者は5割を超える。月額料金に加えゲームの個別購入があるゲームがあるStadiaは、こうした市場にてどのように受け止められるのか興味深い。なお、日本でのローンチは2020年以降になると見られている。

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