『ファイナルファンタジーVII リベレーション』“オープンワールド”開発者インタビュー。本作はどういうオープンワールド?自由度は?参考にしたタイトルは?浜口Dに訊く

トレイラーからわかった『ファイナルファンタジーVII リベレーション』のオープンワールドについて、さらに本作でのミニゲームのあり方や新たなバトルシステムなどについて話を訊いた。

スクウェア・エニックスは6月6日、『ファイナルファンタジーVII リベレーション』を正式発表した。対応プラットフォームはPC(Steam/Epic Gamesストア/Microsoft Store on Windows)/Nintendo Switch 2/PS5/Xbox Series X|S。2027年春発売予定。本作の正式発表に伴ってトレイラーも公開されている。

『ファイナルファンタジーVII リベレーション』は、『ファイナルファンタジーVII リメイク』から始まった『ファイナルファンタジーVII』リメイクシリーズ三部作の最終作だ。同シリーズでは、グラフィックは最新技術を用いたフル3Dになり、コマンドバトルだった戦闘はアクションベースに変化している点が特徴となる。

リメイクシリーズ第1作目となる『ファイナルファンタジーVII リメイク』ではミッドガル脱出までが描かれ、第2作目『ファイナルファンタジーVII リバース』ではミッドガルの外を舞台とした冒険が展開。そして、最終作となる第3作目『ファイナルファンタジーVII リベレーション』では、主人公クラウドたち一行と星の命運の結末が描かれる。

このたび弊誌は、本作およびリメイクシリーズのディレクターを務めるスクウェア・エニックスの浜口直樹氏にインタビューを実施した。トレイラーからわかった本作のオープンワールドについて、さらに本作でのミニゲームのあり方や新たなバトルシステムなどについて話を訊いた。

ワールドマップのスケール感を体験できる“星全体を舞台にしたオープンワールド“へ

――自己紹介をお願いします。

浜口直樹(以下、浜口)氏:
『ファイナルファンタジーVII リベレーション』のディレクター、また『ファイナルファンタジーVII』(以下、FFVII)リメイクシリーズ全体のディレクターもしているスクウェア・エニックスの浜口直樹です。

――このたび『FFVII リベレーション』のトレイラーが公開されましたが、自信のほどはいかがでしょう。

浜口氏:
完成度の自信ははっきりとあります。本当にシリーズ完結すると思うと、感慨深いところがありますね。

――ちなみに、本当に完結するんでしょうか。

浜口氏:
しっかりとその覚悟でやっていますので、ちゃんと完結させて、皆さんの記憶にしっかりと残るタイトルにしたいなと思っていますね。『FFVII』リメイクシリーズに関しては、もうここで完結編を皆さんにお届けします。

――そう言っていただき安心しました。今回のトレイラーではいろいろな見どころがありましたが、特に注目してほしい箇所はありますか。

浜口氏:
もちろん全部です。が、ゲームプレイにフォーカスしている点は注目してほしいですね。これまで『FFVIIリメイク』も『FFVIIリバース』も、キャラクターにフォーカスしたプロモーション映像が多かったんです。ただ、『FFVII』の世界観やクラウド、セフィロスといったキャラクターはゲームファンの方に広く知れ渡っていますので、今回発表したトレイラーは今作のゲーム性や、ゲームで何を表現するのかといったところにフォーカスした映像になっています。その点では、これまでの我々がシリーズを通してやってきたものとは、少し違ったテイストを皆さんにお伝えできたのではないでしょうか。

――たしかにシネマティックシーンが少なかったというか、かなりゲームプレイに寄っていましたが、意図的だったんですね。

浜口氏:
そうですね。ゲームプレイに寄せるというコンセプトで、今作には「こんな遊びがあるんだ」とか、「こんなに深いんだ」というところをしっかりとお伝えできるようにしています。

――今回トレイラーによると「オープンワールド」という文言が出ました。

浜口氏:
オープンワールドの定義は人それぞれにありますが、前作『FFVIIリバース』は大陸でありつつ、そのうちの内海である程度閉じられているというものでした。『FFVIIリベレーション』では、本当に全世界が繋がっている地球上で物語が展開されていきます。その舞台を飛空艇ハイウインドでどこでもぐるぐると飛び回れる状態になっています。そういう意味で、前作の『FFVIIリバース』とはまた違ったスケールを表現したオープンワールドのゲームになっているんじゃないでしょうか。

――オープンワールドの定義はかなりバラつきがあり、ユーザー皆さんの解釈が一致したオープンワールドの定義が難しく、各社そこには慎重で明確にオープンワールドと呼ばない表現をすることもあります。その中で真正面からオープンワールドと打ち出された理由はなんでしょうか。

浜口氏:
『FFVIIリバース』のプロモーションでは、オープンワールドと公式では呼んでおらず、我々もどう呼ぶのが正しいのかとドキドキしていたんですよ。『FFVIIリメイク』から『FFVIIリバース』になったときも大きく変わったじゃないですか。私個人としては、オープンワールドのゲームの広がりの体験は、全部がひとつの広大なフィールドというよりは、ワールドの体験をオープンに楽しめるかが一番だと思うので、『FFVIIリバース』でもオープンワールドの条件を満たしていたとは思うんです。

ただ、やっぱり『FFVIIリメイク』から『FFVIIリバース』の流れの中でどう呼ぶべきかという話が何度も社内であって、オープンワールドではなく、「オープンエリア」とか「オープンフィールド」と呼ぼう、という過程があったのですが、実際にローンチしたらメディアやファンの方がオープンワールドと呼んでくれました(笑)

なので、『FFVIIリベレーション』では最初から自信をもってオープンワールドとしています。しかも、前作の焼き増しではなくてさらに体験のスケール感がもう一段進化しているので、そこを感じてほしいですね。オープンワールドという言葉が適切なのかは正直わかりませんが、“星全体を舞台にしたオープンワールド“として、『FFVIIリバース』以上のスケール感を目指しました。今回はただマップが広いだけではなく、その中でどの体験から触れていくかによってプレイヤーごとに体験の積み重ねが変わる点も含めて進化しています。

――とはいえ、オープンワールドには人それぞれのイメージがある上で、『FFVIIリベレーション』がどういったオープンワールドになるのかは気になります。

浜口氏:
『FFVIIリベレーション』というゲームの設計は、全世界のお話になっているのが特徴です。大陸間に海があったりして、そういう観点ではほかのオープンワールドとは違う独自性をもっているんだろうなと。

本作には原作があって、その中で『FFVII』の世界をよりオープンな体験とさせようと考えたときに、ある程度大陸ごとに構成がありつつも、全部の空間がしっかり繋がっているという構成の方がユーザーにもわかりやすくて、刺さりやすいんだろうなというところはありました。そこが『FFVIIリベレーション』の、ほかのオープンワールドゲームとは違うひとつの売りになるのかなと思っています。

――「星全体を舞台にしたオープンワールド」というのが『FFVIIリベレーション』の売りだと。

浜口氏:
そうですね。ただ、『FFVIIリバース』は行けるエリアが1か所ずつ広がっていって、最終的には全部のエリアに戻れるような仕組みでした。『FFVIIリベレーション』では、本当に全世界が繋がっている星で物語が展開されていきます。その舞台を飛空艇ハイウインドでどこでも飛び回れる状態になっています。そこは本当に『FFVIIリバース』とは全然違うスケールなんだなというのを体験してもらえるかなと。

――本作のオープンワールド作りにおいて、何か個人的に参考にしたり刺激を受けたりしたタイトルはありますか。

浜口氏:
いろいろなタイトルを常にプレイし参考にしてインスピレーションをもらっていますね。自分がたびたび話に出す『ウィッチャー3 ワイルドハント』もそうですし、『ホグワーツ・レガシー』や『Horizon』シリーズもそうですね。やっぱり、同じ文法でゲームを作っているところって、みんな同じ何かで悩んで、ひとつの答えを出しているんですよ。

そうした課題解決を参考にしながら、自分の開発でもこれにはこういう解決の仕方もあるなと視野が広がるんです。あと、先日リリースされた『紅の砂漠』も非常に盛り上がっていますが、自分もプレイして「圧倒的な広さ」というのはまたひとつの武器になると、勉強になりましたね。

『FFVIIリベレーション』のオープンワールドは密度も十分

――オープンワールドゲームで、フィールドは広いけど体験の密度が薄いみたいな議論が起こることがありますが、『FFVIIリベレーション』ではその体験の密度はいかがでしょう。

浜口氏:
そこに関しては多分まったく心配はいらないかなと。自分自身でテストプレイをしていて、各ワールドの密度はしっかり詰まっていると感じています。今作は『FFVIIリバース』の大陸も全部引き継いでいるんですよ。何か理由がない限り、例えばコスモキャニオンがなくなりましたと言ったら、それだけで怒られてしまうと思いますので。

なので、とにかく大陸が多くて、その中のコンテンツをいかに充実させるかということが、このプロジェクトの命題でした。そこは本当に序盤からしっかりとコンテンツを設計していたので、エリアごとにいろいろなコンテンツとか、いろいろな操作性、遊びが入っているので、どこから体験するかによってプレイヤーごとに遊び方が変わる構成になっています。

――コスモキャニオン含め、過去のエリアも再訪できるような仕組みになっているんですね。

浜口氏:
自分もひとりのゲームユーザーとして考えたときに、同じマップに行けますって言われても、ちょっとコンテンツが変わったくらいだとやっぱりテンションが上がらないじゃないですか。

――新作における同じエリアの再訪と散策は、構造が同じだと正直嬉しいよりも、ちょっとだるいと思ってしまいます。

浜口氏:
まさにそうです。そこが本当にこのプロジェクトでの最初の命題だったんですよ。今まであったワールドマップは絶対に残さなければいけない。でも、体験が変わっていないとただ無駄に存在するだけと絶対に映ってしまう。なので、今回はそのままエリアをもってきているわけではなく、原作でもそうですが、ウェポンが登場したことによって各地にいろいろな変化が起きています。なので、見た目や世界観、雰囲気は一緒なんですが、前作とは違うマップになっています。

とはいえ、なんか似たようなマップだな、となるじゃないですか。そこで、探索の流れを変える点などでいろいろトライしています。たとえば『FFVIIリバース』には各エリアにいろいろな性質のチョコボがいて、それによって少しずつ探索の手触りを変えてエリアごとの差を出していました。『FFVIIリベレーション』では相棒となるチョコボのピコを連れて旅をすることになります。ピコの成長によって探索の仕方そのものが変わるため、同じエリアでもプレイヤーごとに体験の内容が変化します

『FFVIIリベレーション』では、ピコの成長もそうですし、ハイウインドからパラシュート降下もできて、空間をより使えるような体験ができる探索にしているので、私はそこに今回の最大の魅力があると思っています。

ジョブシステムから着想を得た「ウェアシステム」、そしてウェポン

浜口氏:
それと、『FFVIIリベレーション』には「ウェアシステム」というものがありまして。

――それはどういったものですか。

浜口氏:
いわゆるジョブシステムです。本作においては、『FFVIIリメイク』『FFVIIリバース』から引き継いだバトルシステムをどう拡張するかというのは、私もバトルディレクターの遠藤(遠藤皓貴氏)も悩みの種でした。

そんな中で遠藤が『FF』はジョブが代名詞だから、今回ジョブシステムを入れたいと。魔道士寄りのクラウドにするとか、キャラクターの個性をアレンジするかたちで落とし込めば、ほかのシステムと食い合わないので、そちらでやりたいですと言ってきたんです。それが良さそうなのでやってみようと舵を切ったのがジョブ……つまりウェアシステムを入れることになったきっかけです。

『FFVII』のキャラクターの多さは、ほかのオープンワールドゲームと比べたときに我々の武器だと思うんですよ。8人がいて、そこから自分で3人選んで、パーティーメンバーの相性を試したり各キャラクターの個性をアレンジできるたり、その組み合わせで遊んでもらうところが、このゲームとしては正しいんだろうなと思いました。なので、みんなが苦戦するような敵を出して頭を悩ませるゲームというのは、我々の『FFVII』では違うんだろうなと。

――なるほど。ウェアシステムでパーティーバトルに深みが出るわけですね。

浜口氏:
そこは大きく変わったのかなと思います。で、面白いのが、この仕組みがある程度形になったときに、バトルディレクターの遠藤からウェアシステムの解放と同時に、全キャラクターの全ウェアを同時に解放したいと言われて。これには驚きました。私はいかに各ウェアをいろいろな場所にばらまいて、どこのゲーム誘導に使おうかなと考えていたんです。

――報酬とせず、すぐに解放させるのはかなり大胆です。

浜口氏:
そうですよね。でも、遠藤からその提案を聞いたときになるほどと思ったんですよ。一般的にはクラウドに最初に戦士のウェアがあって、ケット・シーに黒魔道士のウェアがあって、その後段階を踏んでクラウドも黒魔道士のウェアが使えるんです、と。

でも、それってユーザーが選んでいるように見えて、実はそうやるようにゲームデザインされている、クリエイターの指示で遊んでいるみたいな感じになるじゃないですか。でも、『FFVIIリベレーション』はユーザーに選択してもらう作品にしたくて、だったら最初からユーザーに全ウェアを渡して、クラウドはこのウェア、ケット・シーならこのウェアだと考えて決めてもらうことに今回の意味を感じているという遠藤の意図でしたので、そこまで言うならそっちに振ってみようと。

あと、昨今のスキルツリーってリセット機能が必須じゃないですか。なので、やってみて嫌だったら別のウェアに変えればいいと、そういうバランスにしています。

――ちなみによく聞かれる質問だと思いますが……マルチプラットフォーム化するにあたって、スペックによって制限されたゲームデザイン上の表現とかもないのでしょうか。

浜口氏:
はい、ありません。基本的には低スペックから高スペックまでを含めた設計でアセットからリソースからを作っています。なのでマルチプラットフォーム化の影響でゲームデザインに制約を与えられた部分はありません。そこは安心していただいて大丈夫です。よく聞かれますが、何度もお答えして認識が広まるとよいと思うので、何度でも言わせていただきます(笑)

――ウェポン戦についても教えてください。トレイラーでは大きく映し出されましたが、どのような戦闘になるんでしょうか。

浜口氏:
ウェポン戦を作るときにバトル班にひとつだけ明確にお願いしたことがあるんですよ。ウェポンってものすごく大きいじゃないですか。なので、通常のバトルシステムで戦ったら足だけしか見えないとか、工夫が何もないと通常のバトルシステムが成立しにくいですよね。

――そのまま実装しやすくするのであれば、シネマティックシーンにして、QTEで干渉といった作りになりそうですね。

浜口氏:
それも一つの案ですよね。でも、私は今回のウェポン戦を通常バトルの延長として表現したかったんです。通常のバトルとは違うかたちのバトルが始まってクリアできたとしても、私自身もそこまでに積み上げてきたキャラクターの育成やセットアップが不要となるのはやるせないなと。何かをアドオンしてミニゲーム的な手触りになったり、新しい要素が入るのは構わないと伝えつつ、基本的には同じバトルシステムの上に成立させるというのがウェポン戦のひとつのコンセプトだったんですよ。

映像にもミディールのウェポンと戦っているときにバレットを掴んで撃ちまくるシーンがありましたが、あれは別に使わなくてもいいんですよ。大きな敵をチマチマ、足だけひたすら攻撃するのもありだし、ギミックを使って倒すのもありみたいな、ちゃんと通常のバトルシステムの上でウェポン戦も成立できている、非常に良いものになったと思います。

――これがプレイアブルで遊べるんだなという期待感を煽る映像でした。

浜口氏:
まさにそこです。きっと皆さんに楽しんでもらえるものになっていると思うので、期待していてください。

弊誌では前作からの改善点なども訊いており、そちらの記事もチェックしてほしい。

ファイナルファンタジーVII リベレーション』は、PC(Steam/Epic Gamesストア/Microsoft Store on Windows)/Nintendo Switch 2/PS5/Xbox Series X|S向けに2027年春に発売予定。

[書き起こし・編集:Koutaro Sato]
[聞き手・編集:Ayuo Kawase]

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