2024年パリオリンピック、「e-Sports」を種目プログラムとして採用する可能性について言及。「最初からNOとは言いたくない」

 

2024年にパリで開催予定の夏季オリンピック。招致委員会の共同議長Tony Estanguet氏は、AP通信の取材に対し、「e-Sports」を種目プログラムとして採用する可能性について言及した。Estanguet氏は、若者たちがe-Sportsへと興味を示している現状を背景に、「検討しなければならない、“我々にはない、オリンピックに関してはいない”とは言えないからだ」と伝えている。

今年4月にはアジアオリンピック評議会が、中国アリババグループのAlisportsと提携し、2022年の「アジア競技大会」にてe-Sportsをメダル種目とする意向を明らかにしている。オリンピック評議会は、「アジアインドア・マーシャルアーツゲームズ」にて過去にe-Sportsを種目として採用してきた歴史があるが、マインドスポーツを筆頭にオリンピックなどで非採用の種目を中心に開催される同大会と、競技種目をより厳正に検討する「アジア競技大会」で選ばれることには、大きな違いがある。

すでにパリオリンピックの正式競技は今年6月に決定されており、「e-Sposrts」が選出されるにはフランスの招致委員会が選定する「追加種目」に選ばれ、さらにIOCに認められる必要がある。なお2020年の東京オリンピックでは、追加種目として「スポーツクライミング」「サーフィン」などが選ばれている

一方で今回AP通信より報じられている「e-Sportsをオリンピックに採用するかどうか」の検討は、発言の通りまだ完全なる検討段階であり、Estanguet氏の発言も「最初からNOとは言いたくない」と伝えるに留まっている。氏は国際オリンピック委員会(IOC)と“e-Sportsファミリー”と関係を持ちつつ、e-Sportsのノウハウとなぜこれほど成功しているのかを理解することに興味があるとしている。

とはいえ、IOCによる競技大会での「e-Sports」採用は市場の拡大とともに進みつつある状況だ。2016年のリオオリンピックでは公開競技として採用。そして2018年の「アジア競技大会」ではデモンストレーション種目として、2022年の大会ではメダル種目として採用される予定となっている。またフランスでは2016年から政府による「e-Sposrts」関連の法整備および推進も進んでおり、今回の発言はけっしてぽっと出のものというわけではない。来年以降に開催されていく「アジア競技大会」で「e-Sports」は一定の成功を収めることができるのか、注目が集まりそうだ。