Bethesda Softworksは4月26日、『Fallout 4』に向けてPS5/Xbox Series X|S向け無料アップグレードを配信開始。また各対応プラットフォーム向けに「Next Gen」アップデートを配信した。同アップデートではさまざまな不具合修正などがおこなわれた一方、PC版の非公式Modの多くが利用できなくなるなど、Modコミュニティには混乱も生じている。
『Fallout 4』はBethesda Game Studiosが手がけ、2015年に発売されたRPGだ。核戦争後のレトロフューチャーな世界観をもち、アメリカ・マサチューセッツ州ボストン近郊の「連邦」と呼ばれる地域だ。地下シェルター「Vault 111」での人工冬眠から目覚めた主人公は、冬眠中に誘拐された我が子を探し、核で荒廃した連邦の地を放浪することになる。基本のゲームプレイはFPS/TPSとして展開される一方、V.A.T.S.と呼ばれるコマンド式で敵の部位を指定して攻撃可能なシステムも存在する。
本日、本作に向けてPS5/Xbox Series X|S向け無料アップグレードが配信開始。PS5/Xbox Series X|S版にパフォーマンスモードおよびクオリティモードが実装された。パフォーマンスモードは、フレームレート目標60fps、4K解像度に対応し、（PC版での）スタンダード設定相当のグラフィック品質とのこと。
クオリティモードも4K解像度に対応。フレームレートは通常30fpsとなり、（PC版での）ウルトラ設定に相当するグラフィック品質になるそうだ。なおクオリティモードでは画面周波数120Hzのディスプレイに接続されている場合、フレームレートは目標40fpsとなる。また画面解像度1440pのディスプレイに接続されている場合、レンダリングモードに関わらず解像度1440p、60pfsのウルトラ設定相当のグラフィックで動作するそうだ。
このほかPC版はEpic Gamesストア向けにもリリースされたほか、2017年ぶりにアップデートも実施。ワイドスクリーン/ウルトラワイドスクリーンに対応したほか、Steam版はSteam Deckへの互換性が「確認済み」ステータスとなった。
さらにアップデートにより各種不具合修正も実施。たとえば一部クエストの進行不能不具合や、居住地システムのデータが破損する不具合なども修正。居住地の資源の残量表示がおかしくなったり、居住地が不具合により破壊されたりしてしまう心配もないそうだ。ほか、各プラットフォームに個別に発生していた不具合も修正されたとのこと。たとえばPS版においては、保存容量が残っているにもかかわらず0kbの空き容量を確保するように求めることがある不具合が修正されたそうだ。
このほかアップデートにあわせてCreation Club上で無料コンテンツ「エンクレイヴ・レムナント」「即席武器パック」「ハロウィーン・ワークショップ」が配信開始。それぞれで新たなクエストが導入され、新武装や装飾アイテムを獲得可能となっている。詳しくは公式パッチノートを確認されたい。
そうして不具合修正は実施されたものの、今回のアップデートは特にPC版では細かな変更のみとなっている。一方で、さまざま制作されてきた非公式Modには、アップデート後に利用できないModも多く発生。さらに数多くのModの前提となっているスクリプト拡張「F4SE（Fallout 4 Script Extender）」が、アップデート後の本作にて利用できなくなっている。
「F4SE」開発チームによれば、現在アップデート後の環境への対応を進めているとのこと。ただし対応が完了する時期などについては“答えられない”そうだ。こうした事態は2021年に『The Elder Scrolls V: Skyrim』にて「Anniversary Edition」が発売され、アップデートが実施された際にも発生していた。また今回はBethesda Game Studiosはアップデート前にコミュニティModへの影響を最小限に抑えると告知していたこともあり、PC版のユーザーコミュニティからは不満も生じているようだ。
Amazon Prime Videoにてドラマ版「Fallout」配信開始後、大きな賑わいを見せている『Fallout』コミュニティ。『Fallout 4』ではコンソール向けに待望のPS5/Xbox Series X|S版アップグレードが配信開始された傍らで、PC版のModコミュニティに混乱も生じているかたち。長年Modコミュニティが活況を見せる作品だけに、今後どのように収束していくのかも注目される。
『Fallout 4』はPC（Steam/Epic Gamesストア）およびPS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに発売中だ。
