手術シム『Surgeon Simulator』脳移植RTA、6秒を切り世界記録更新。脳を投げ入れ即オペ完了

 
Image Credit: Wannabuh on YouTube

Bossa Studiosから2013年にリリースされた『Surgeon Simulator』。本作における脳移植手術の早さを競うスピードランにおいて、Wannabuh氏が4月26日、5秒961を記録し、世界記録を更新した。


Speedrun(スピードラン)とは、日本ではRTA(リアルタイムアタック)とも呼ばれる、ゲームクリアなどの目標を達成するまでの時間を競う競技だ。スピードランの対象であるゲームのレギュレーション、世界記録ランキングなどはSpeedrun.comなどの集計サイトで確認することができる。

そして『Surgeon Simulator』は2013年にBossa Studiosよりリリースされた手術シミュレーションゲームだ。プレイヤーは移植手術へ挑む外科医となり、麻酔のかかった患者を手術し、臓器の移植をおこなうこととなる。手術においては、ハンマーやメスなどで肋骨や頭蓋骨などを粉砕。移植対象の臓器や、その周辺の臓器を手づかみで摘出し、新しい臓器を取り付ける。患者が亡くなってしまう前に手術が完了すればクリアとなる。


本作のスピードランとしては、一連の手術をすべて完了させる「フルゲーム」レギュレーションのほか、各手術の達成時間を図るレギュレーションが存在。今回世界記録が更新されたのは、そのうち脳移植手術のみの完了時間を競う、「Brain Transplant」レギュレーションだ。

本レギュレーションについては、2015年に世界記録としてWannabuh氏が6秒943を記録していた。そこから長らく記録が更新されていなかったものの、2020年に入りBthiebold58氏が約0秒180更新し、世界記録を6秒760とした。

Image Credit: Wannabuh on YouTube


その後もWannabuh氏とBthiebold58氏のふたりの間で互いに世界記録を更新する、更新合戦が繰り広げられていた。今年1月にはBthiebold58氏が6秒288を記録。その更新がWannabuh氏の“手術魂”に火をつけたのか、4月に入り新記録の更新が連続。ついに4月26日、自身のもつ世界記録を0秒15ほど更新。5秒961を記録し、6秒切りを達成した。

動画では手術開始とともにハンマーを一振り。頭蓋骨を左に豪快に吹き飛ばす。その後脳を取り出しやすくし、新しい脳を保管している蓋を叩きつけ迅速に摘出。空いた箇所に収められた新たな脳は、前後逆のようにも、横に90度回転しているようにもうかがえるが、とにかく所定の場所に取り付けられたため手術は完了。5リットルほどの失血を伴ったが、何とかうまくいったようだ。

豪快な手術によって、脳移植手術にかかる時間はついに6秒を切ることとなった。2013年にリリースされたゲームではあるが、久々の記録更新から始まった更新合戦が、手術の新境地を拓いたかたちだ。なお『Surgeon Simulator』ではさまざまな臓器の移植手術がスピードランのレギュレーションとして用意されている。脳以外の臓器は1年~数年前から記録更新が止まっており、今後ほかの手術でもスピードランが活発化するかどうかも注目されるところだ。

『Surgeon Simulator』はPC(Steam)/PS4/Nintendo Switch/Android/iOSにて販売中だ。