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基本プレイ無料戦車シューター『World of Tanks: HEAT』開発者インタビュー。なぜヒーロー系に?プレイヤーの声、どう思ってる?など諸々訊いた
ウォーゲーミングは5月26日、基本プレイ無料の戦車ヒーローシューター『World of Tanks: HEAT』の配信を開始した。本作に携わるリードゲームデザイナーにインタビューした内容をお届けする。

ウォーゲーミングは5月26日、基本プレイ無料の戦車ヒーローシューター『World of Tanks: HEAT』の配信を開始した。対応プラットフォームはPC(Steam/Wargaming Game Center)/PS5/Xbox Series X|S。このたび、弊誌では本作に携わるリードゲームデザイナーにインタビューをする機会をいただいた。本作のデザインの意図、そして波乱の幕開けとなったローンチから、いかに巻き返すかを訊いた。
『World of Tanks: HEAT』(以下、WoT: HEAT)は、ウォーゲーミングの『World of Tanks』(以下、WoT)にスキルといったヒーローシューター的要素をプラスした作品だ。いわゆる「陣取り合戦」や「デスマッチ」をベースにした複数のゲームモードにて、最大10対10の対戦が可能となっている。本作でプレイヤーは多様なエージェントから1名を選び、エージェントのもつ車両で戦場へと繰り出す。

各戦車にはそれぞれの「アビリティー」があり、エージェントには基本的にパッシブに発動する「特性」と強力な「究極アビリティー」がある。究極アビリティーは、爆撃やミサイル発射、機体性能の向上など。とにかく派手で戦局に多大なインパクトを与える、戦いのアクセントにもなる要素だ。『World of Tanks』プレイヤー向けには、「フロントラインの戦闘リザーブをさらに発展させたもの」と説明できそうだ。
本作の特徴は、これらのド派手なアビリティーが、ハイテンポな戦闘の中で繰り出される軽快でスポーティーなゲームプレイ。地道な行軍と粘り強い消耗戦がメインだった『World of Tanks』から大きく方向転換しているわけだ。本作がなぜこうしたゲームプレイとなったのか、挙動やシステムに厳しい意見も寄せられたローンチから今後どのような姿勢で取り組んでいくのかを、本作リードゲームデザイナーのStefan Horvath氏にメールで訊くことができた。

──「車両が主役」の『WoT』から、「エージェントが主役」となった『WoT: HEAT』への転換は、一体どのような狙いがあったのでしょうか。
Stefan氏:
私たちは『WoT: HEAT』を、新しい世代のプレイヤーに向けて作りました。意図していたのは、車輌戦闘で培ってきた私たちの専門性を土台にしながら、新鮮でダイナミックに感じられる体験を生み出すことでした。
エージェントは、プレイヤーに戦場とのより個人的なつながりを持ってもらいたいという思いから生まれています。各エージェントには、それぞれ独自のストーリー、個性、一連のアビリティー、そしてスキルツリーによる成長要素があります。私たちの狙いは、各マッチに新たな戦略とアイデンティティのレイヤーを加えることでした。
『WoT: HEAT』は『WoT』と共存しながら、独自の体験を提供します。

──本作の課金要素・強化要素は、さまざまな面で『WoT』のシステムを調整しつつ踏襲している様子です。こうした要素の調整はどのような流れと意図でなされたのでしょうか。
Stefan氏:
ご指摘いただいたような、ほかのウォーゲーミングタイトルにも見られるシステムを導入しているのは、プレイヤーに利便性を高めるための選択肢を提供しているためです。ただし、『WoT: HEAT』では、公平な競争を中核的な価値としています。
私たちは、マッチ内で得られるものは、敵より多く課金することではなく、スキル、チームワーク、戦略によってもたらされるべきだという考えのもとにゲームを設計しています。そのため、購入によって車輌の成長を進めたり、モジュールをアンロックしたり、エージェントの進行を進めたりすることはできますが、ゲームプレイに影響するすべての要素は通常プレイを通じて獲得可能です。
また、外観アイテムも購入できる要素ですが、プレイヤーが自分の体験をパーソナライズできるようにするものであり、これらがゲームプレイの結果に影響することはありません。
──車両アンロックコストの設定や、上述のような課金要素にはユーザーの厳しい意見もあるようです。こうした声はどのように受け止めていますか。
Stefan氏:
私たちはコミュニティからのフィードバックを真摯に受け止めています。たとえば、おっしゃるようにリリース時に、プレイヤーの皆さんから車輌のアンロックに時間がかかりすぎるという声がありました。実際、私たちの想定よりも進行が緩やかだったので、獲得できるクレジットの基本量を一時的に増加させました。
今後はこの変更を元に戻しつつも、代わりに複数のスコア獲得項目での進行促進に置き換える予定です。これにより、現時点と同程度のペースで進行が改善されるはずです。さらに改善が必要かどうかを判断するため、今後もプレイヤーのフィードバックを注視していきます。

プレイヤーは、ローンチ時に実施している無料ウィークリーバトルパスを通じて、車輌を1輌アンロックすることもできます。バトルパスの有効期間が終了する前に戦闘に参加して、車輌を獲得してください。各バトルパスの実施期間は1週間です。
──また、ローンチ開始時にはゲームのクラッシュ報告が多く寄せられていました。
Stefan氏:
私たちの目標は、透明性を持って、この種の問題を効果的に解決することです。この件によりご不便をおかけしたことを申し訳なく思っています。チームはこれらの問題の大部分を解決しており、リリース時に影響を受けたすべての方に補填(*)を行いました。
(*)本件については、改善の告知とともにスキンやブースターの配布が実施されている。
──本作に触れたところ、『WoT』のようにしばしば一瞬で生死が決する消耗戦ではなく、スピーディーかつ粘り強くも戦える、まさにヒーローシューター的な調整になっていると感じました。このバランスはどのように導き出されたのでしょうか。
Stefan氏:
これは今後も継続的に取り組むバランス調整になります。このバランスを成立させるには、車輌の形状、装甲プロファイル、エージェントのアビリティー、そしてその車輌のアビリティーを考慮する必要があります。現在のバランスは、アルファテストと、ロードスタープログラム(ユーザーテスト施策)コミュニティとのテストを通じて見出しました。このコミュニティは、初期ビルドに参加し、製品全体の改善に向けたフィードバックを提供してくれる熱心なメンバーのグループです。

バランス調整の各段階では、エージェントとその車輌が強力に感じられ、戦場で確かな存在感を持てるようにすることが重要でした。同時に、対抗策や習熟の余地が生まれるよう、十分な弱点も持たせる必要がありました。
──本作ではミサイルやレールガンなどの要素も見られますが、『World of Tanks Blitz』から取り入れた部分もありますか。
Stefan氏:
もし何らかの類似点があるとしても、それは直接的な着想というよりは偶然に近いものです。『WoT: HEAT』と『World of Tanks Blitz』はいずれも、戦車に特に焦点を当てた車輌戦闘ジャンルを基盤にしています。そのため、直接取り入れたものでなくても、この点において今後も類似点が見られる可能性は高いと思います。

──『WoT: HEAT』は独自の世界観をもち、イントロムービーなどは人物とナラティブ中心の描かれ方をしています。今後、本格的にストーリーが紡がれるようなコンテンツは実装されるのでしょうか。
Stefan氏:
私たちは、第二次世界大戦後を舞台にした『WoT: HEAT』のパラレルワールドを、コミュニティの皆さんと一緒に掘り下げていくことをとても楽しみにしています。今後進んでいく中で、この世界や勢力、そして何が起きているのかについて、さらに説明していく予定です。続報をお待ちください。
──ありがとうございました。
『World of Tanks: HEAT』は、PC(Steam/Wargaming Game Center)/PS5/Xbox Series X|S向けに、基本プレイ無料で配信中。本稿執筆時点で第4週バトルパスが開幕しており、期間は6月22日まで。本作開発チームが、今後どのようにコミュニティの声を本作に反映していくのか、注視したい。
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