スクエニSwitch新作『TRIANGLE STRATEGY』が血生臭そう。『Hades』は物語もよい。『バディミッションBOND』はシナリオが激熱。今週のゲーミング

 

Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。274回目です。大坂なおみ選手おめでとうございます。


日本語版はまだかね

ずっとプレイしている『Hades』ですが、メインストーリーを含めナラティブ要素はほぼコンプ。NPCとの新たな会話が周回プレイのモチベーションのひとつだったため、ちょっと寂しくなってきました。各NPCとの交流を経て、特に魅力的に感じたのはDusa。蛇の髪を持つ頭部だけでプカプカ浮いて、ハデスの館にてメイドとして働いているゴルゴンの女の子です。

彼女のボイスがまず絶妙で、立場的にオドオドしていながらも、何事にも一生懸命な性格を上手く表現している。ただDusaは、仕事を溜め込んでいつも忙しそうにしているかと思えば、鼻歌交じりにハタキを振っていることも。そんな時に話しかけるとビクッと反応し、言い訳しながら翔んでいってしまう。さぼりグセがあるというよりは、天然といった感じでかわいい。彼女との物語を進める中では心を動かされる場面もあり、深く感情移入できる要素も本作の魅力なのだなと改めて気付かされました。
by. Taijiro Yamanaka


7日後に訪れる事件の結末

中国産短編サスペンスノベルゲーム『僕たちが死ぬまであと七日』を遊んでました。主人公の寒川一郎は、学級委員長を務める品行方正な高校生。友達は少なく、最近はよく自転車がパンクしているものの、おおむね平穏な学生生活を送っていました。クラスメイトの1人が失踪するまでは。最近流行りつつある自殺サイト。貧乏な学生を狙った殺人事件。生と死。主人公は、美少女や女教師とイチャイチャしながら、結末へと向かっていきます。

タイトルからは、ループものや7日後の死を前提に過ごす作品を想起しますが、本作は事件と内面を複数ルートで描くサスペンスです。プレイ時間は全体を通しても2時間程度。一捻りあるネタや悩める少年少女をスパイスに、短編として綺麗にまとまった物語が用意されていました。また、本作は日本語対応。海の向こうのノベルゲームには、他のジャンルよりも高く険しい言語の壁が立ちはだかりますが、高品質な翻訳によりキャラクターも魅力的に描かれています。結果的に、広末ちゃんを贔屓していたら何回か同じ結末を見ることになりました。
by. Keiichi Yokoyama


やはりドット絵は良いものだ

Nintendo Directで発表された『TRIANGLE STRATEGY』の体験版をプレイしていました。『オクトパストラベラー』ファンの自分は「HD-2D」作品の時点でテンションMAX。プレイした感じも、既存のSRPGに地形要素などでひとひねりを加えてあり、なかなか面白くできています。氷の壁を作って敵の侵攻を防いだり、地形を炎上させてスリップダメージを与えたりと多彩な戦略を楽しめそうです。

ルート分岐にあたって、作戦の方向性を決めるために投票システムが用いられているのも面白い部分です。場合によってはプレイヤーの方針に反対する仲間を説得しなければならず、彼らが納得できるような情報を探すために街を探索したり、街にいるNPCから話を聞いたりといったアドベンチャー要素もあります。プレイヤーの意見に対する受け答えを通して仲間の価値観も垣間見え、キャラクターを表現するうまい手法だなあと感じました。

ゲームの雰囲気を感じ取ってもらう目的の体験版とのことで、物語は山場らしきところから突然始まります。ストーリーの全体像はまだまだ見えませんが、戦争モノらしく血なまぐさい部分もあり、続報が楽しみな作品です。
by. Aki Nogishi


めちゃくちゃ正統派

『バディミッション BOND』クリアしました。先週のNow Gaming時でも物語が佳境で楽しめていると話しました。今週ようやくクリアしましたが、めっちゃくちゃよかったです。特にシナリオが熱かった。個人的には『逆転裁判』シリーズや『ダンガンロンパ』シリーズに匹敵しうる熱い作品に思いました。発売前は、「バディもの」「漫画家のキャラデザ」「カップリング要素強め(に見える)」なども含めて、演出が贅沢なキャラゲーで、シナリオ薄めなんだろうなと思い期待していませんでした。体験版もそんな感じの印象で。しかし実際のところ、シナリオもキャラ造形もめっちゃよく作られてます。初めは各キャラの言動が稚拙に見えるのですが、どんどん印象が変わってくる。ちゃんとキャラたちが、自分のたちの言葉に責任を持ち、信念を持って、真摯に生きてるので、好きになれるし尊敬できるんですよ。

推理要素はかなり薄めで、ゲームというより動くノベルみたいな作品ではあります。ので、ゲームプレイに期待していると肩透かしかもですが、最後まで通しでやってみると、各システムがちゃんとゲームの世界やシナリオに合うように、邪魔しないように落とし込まれてるのがわかる。『逆転裁判』シリーズや『ダンガンロンパ』シリーズと並べるのは流石に荷が重いかもですが、キャラいい・エグい・熱いのエッセンスは他2作品に負けずとも劣らない。色物なんかじゃない。正統派激熱ADVでした。
by. Ayuo Kawase