リアル中世ゲーム『キングダムカム・デリバランス 2』、なんと発売初日に開発費「約60億円」を回収済み。“発売日被り回避”もあってか売上絶好調

PLAION/Deep Silverは2月5日に『キングダムカム・デリバランス 2』を発売した。大きな人気を博し売上は発売後1日で100万本を突破。開発費についても、発売初日に回収済みだという。

本作は、一人称視点のオープンワールドアクションRPG『キングダムカム・デリバランス』の続編だ。開発は前作に引き続き、チェコに拠点を置くWarhorse Studiosが手がけている。舞台となるのは15世紀初頭のボヘミア王国。国王の死をきっかけに、ハンガリー王シギスムントの侵略を受け、ボヘミアは混乱状態にある。プレイヤーは騎士見習いであるスカリッツのヘンリーとして、争乱のボヘミアを冒険する。前作から続く物語が描かれ、ボヘミアの大都市クッテンバーク周辺が新たな舞台となる。

本作は2月5日に発売され、Steam同時接続プレイヤー数は瞬く間にピーク時約16万人を記録。その後も同時接続プレイヤー数は連日増加を見せており、本稿執筆時点で最大約25万6000人を記録している（SteamDB）。

本作については発売翌日となる2月6日に、売上が100万本を突破したことが報告されていた（関連記事）。そして本作のクリエイティブディレクターであるDaniel Vávra氏がチェコのメディアSeznam Zprávyに向けて伝えたところによると、本作の売上は発売初日時点で黒字になったという。つまり100万本以上売り上げたことから、開発費などを早くも回収済みということだろう。なお、本作の開発などには約10億チェコ・コルナ（現在のレートで約62億円、以下いずれも現在のレート）が費やされたと見積もられているそうだ。

なお2018年2月に発売された前作の売上は、昨年11月時点で800万本を突破していた。Seznam Zprávyが今回伝えるところによると、前作の売上額は約22億6000万チェコ・コルナ（約141億円）にのぼり、Warhorse Studiosには純利益として7億9300チェコ・コルナ（約43億6000万円）をもたらしたという。

そんな前作の初動売上は、リリース後2日間で50万本、2週間で100万本であった。対して『キングダムカム・デリバランス 2』は発売初日でさっそく売上100万本を突破し、人気の前作よりもかなり早いペースで売り上げているわけだ。Daniel氏はこの売れ行きに満足しており、このままのペースを維持できることにも期待をかけているそうだ。

ちなみにWarhorse Studios内では本作の売上本数について賭けがおこなわれており、同氏は賭けに勝ったという。発売前から絶好調の初動売上となることを予想していたようで、作品への自信の強さもうかがえる。

このほかDaniel氏はインタビューにて、『キングダムカム・デリバランス 2』が発売を前倒ししたことにも触れている。本作は日本時間2月12日に発売予定であったが、昨年12月には発売日が1週間前倒しとなり2月5日に決定。同氏によれば、この背景には当初『アサシン クリード シャドウズ』の発売日が2月14日に延期されたことがあったという。同作の舞台は日本の戦国時代であり、テーマは異なるもののオープンワールドゲームというジャンルは共通している。売上の食い合いを極力避けるために、開発完了の目途がついた段階で前倒しでの発売に踏み切ったわけだろう。

とはいえ『アサシン クリード シャドウズ』は今年1月に、発売日が3月20日に再延期（関連記事）。Daniel氏は再延期はWarhorse Studiosにとって素晴らしいニュースであったとのジョークを述べており、1週間の前倒し後も食い合いへの懸念はあったことがうかがえる。いずれにせよ同氏は、同じくオープンワールドゲームである『アサシン クリード シャドウズ』との発売時期被りが解消されたことも、好調なスタートを切った一因とみているのかもしれない。

なお『キングダムカム・デリバランス 2』に向けては2025年内に無料コンテンツアップデートや、DLCの配信が計画されており、ロードマップも用意されている（関連記事）。先述のとおりSteamで本作は連日人気を高めており、新展開も含めて、今後の盛り上がりも注目されるところだろう。

『キングダムカム・デリバランス2（Kingdom Come: Deliverance II）』はPC（Steam/Epic Gamesストア）/PS5/Xbox Series X|S向けに発売中。