Global Sites
ついに出た「NVIDIA DLSS 5」はそのうち「GeForce RTX 40シリーズ」にも対応予定。40シリーズを“事実上対象外”とする発表からわずか3日での告知
NVIDIAは9月4日、「DLSS 5」について「GeForce RTX 40シリーズ」への公式サポート拡大に取り組む予定であることを明らかにした。

NVIDIAは9月4日、「DLSS 5」について「GeForce RTX 40シリーズ」(以下、RTX 40シリーズ)への公式サポート拡大に取り組む予定であることを明らかにした。海外メディアThe Vergeの取材に対して、広報担当者のRajal Maharaj氏が答えたほか、同社のGeForceグローバルコミュニティチームの責任者NV_Tim氏がNVIDIAのReddit投稿をアップデートして知らせている。
DLSS(Deep Learning Super Sampling)は、NVIDIAが手がけるレンダリング技術群だ。AIを活用してゲームのパフォーマンス向上を図る技術であり、いわゆる超解像技術のほか、フレーム生成などへと発展を遂げてきた。
そして最新のDLSS 5では、パフォーマンス向上だけでなく、ビジュアル品質そのものを変革する段階へと進化するという。特徴として、「3D-Guided Neural Rendering」という技術が導入される。同技術ではAIを活用し、従来は開発者がリアルタイムレンダリングにおける性能上の制約から削らざるを得なかったライティングやマテリアルのディテールを生成できるそうだ。
なおDLSS 5はグラフィックスパイプラインの最終レンダリング段階で作用する技術であり、ジオメトリ、テクスチャなどを含む、ゲームエンジンが描画したフレームが土台として使用される仕組みだ。ゲームエンジン側のフレームを維持すべきものの基準としつつ、アーティストが変更してよい部分を指定することで、シーンによりリアルなライティングやマテリアル表現を加えるという。

そんなDLSS 5は、3月17日に発表され2026年秋に提供するとされていた。当時の公開映像では『バイオハザード レクイエム』などの作品で光や陰影の表現が大きく変わる様子が確認できる技術デモが紹介された。その“変貌ぶり”から、本来のアートスタイルが守られないのではないかとユーザー間では大きく賛否が分かれることとなった(関連記事)。
そうしたなかでNVIDIAのCEOであるJensen Huang氏が、Tom’s Hardwareの取材に回答。DLSS 5はジオメトリやテクスチャなど、ゲームのあらゆる制御可能な要素に生成AIを融合する技術であり、さらに開発者は生成AIを細かく調整してアートスタイルを保つことができると強調していた(関連記事)。
その後『NBA 2K27』豪華版の先行アクセスにて、ゲームファイル内に3D-Guided Neural Rendering用のライブラリとみられるファイルが同梱されており、解析が進められ、一部ユーザーがさまざまなゲームに適用する事態が発生した。そうしたなかで非公式ながら「RTX 40シリーズ」での動作をするよう改変したユーザーも表れていたという。
とはいえ、NVIDIAは9月1日、DLSS 5について「GeForce RTX 50 シリーズ」(以下、RTX 50シリーズ)GPUおよびクラウドゲーミングサービスGeForce NOWで利用可能であると明確にしていた。この時点ではシリーズはRTX 40シリーズは対象外とされていたわけだ。
ところが、そのわずか3日後となる9月4日、NVIDIAは「RTX 40シリーズ」への公式サポートへ取り組む予定であることを明らかにした。まずは「RTX 50シリーズ」向けの性能最適化を進め、その後RTX 40シリーズへの対応に着手する方針だという。なお、今秋後半にはモデルアップデートが予定されている。

ところで、RTX 40シリーズの対応については処理負荷についても気になるところだ。現時点ではRTX 50シリーズでもなかなかな負荷がかかる様子である。海外メディアPC Gamerは『NBA 2K27』の早期アクセスにて、AMD Ryzen 7 9800X3D、RTX 5080、32GB DDR5搭載のPCで検証している。グラフィック設定をUltra、レイトレーシングを有効にした状態でクイックマッチをプレイし、フレームレート(fps)を確認した。なお、試合展開の再現は難しかったため、あくまでも平均的な負荷を示していることに注意して欲しいと述べられている。
結果としては、解像度は1440pの場合、DLSS 5を使用しないネイティブ表示時に平均230fpsだったところ、DLSS 5を有効にすると93fpsまで低下。約60%の低下となった。4K解像度の場合は183fpsから49fpsとなり、約73%低下する結果に。DLSS 5の有効化によって大きな処理負荷が生じることを示す結果となった。ただ、これはアップスケーリングやフレーム生成を併用することで緩和でき、Quality設定のアップスケーリングと2倍のフレーム生成を有効にすると、1440pでは平均168fps、4Kでも平均92fpsと、ある程度現実的な値となるようだ。
こうした負荷についてはNVIDIA側も認識しているようで、以前のPC Gamerの報道によると、NVIDIAはDLSS 5を有効にした際には50〜60%程度のパフォーマンス低下を見込んでいると説明していたという。一方で、半年前のデモではDLSS 5の動作にGeForce RTX 5090が2枚必要だった処理が、現在では5倍のパフォーマンスに改善されたとも強調している。このように最適化は途上であることがうかがえ、今回NVIDIAが「RTX 50シリーズ」向けの最適化を優先したうえで「RTX 40シリーズ」へ対応すると説明しているのも、こうした事情を踏まえたものとみられる。
発表から半年かけ表舞台に立ったDLSS 5。処理負荷などの課題はあるものの、継続的なアップデートは続くようだ。今後は採用タイトルの増加や「RTX 40シリーズ」への対応を通して、より多くの人が利用可能になるだろう。一方現状ではその“表現”に賛否が分かれているといえる。今後の最適化や進化でどのような立場となっていくのか、引き続き注目していきたい。
この記事にはアフィリエイトリンクが含まれる場合があります。


