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Valveの新ゲーミングPC「Steam Machine」は原価ギリギリまで攻めているが、赤字にはしない価格設定。家庭用ゲーム機のような“逆ザヤ上等販売”はあえてしない
Valveの新ゲーミングPC「Steam Machine」が6月23日、販売開始された。価格設定の背景についても詳しく説明されている。

Valveは6月23日、ゲーミングPC「Steam Machine」を本日より海外で販売開始したと発表した。発表内では、価格設定の背景についても詳しく説明されている。なお、日本でも正規ディストリビューターのKOMODOより本日発売された。
Steam Machineは、SteamOSが採用されSteam向けゲームのプレイに最適化された小型ゲーミングPCだ。AMD製のセミカスタムCPUおよびGPUを搭載し、Steam Deckの6倍以上の性能だとされている。RAMは16GB DDR5 + 8GB GDDR6 VRAMで、内蔵ストレージは512GBと2TBの2モデルが用意される。

今回Steam Machineが本日よりいきなり販売開始。512GBのモデルは1049ドル・税込18万9980円、2TBのモデルは1349ドル・税込24万9980円となっている(関連記事1、関連記事2)。同社はこうした価格設定の背景について、公式ニュース記事内で説明している。
まずSteam Machineについては、ほかのハードウェア製品と同様に世界中のメーカーから調達したさまざまなコンポーネントで構成されており、販売価格はこれらのコンポーネントのコストに基づいて決定されているそうだ。2023年にSteam Machineのコンポーネントを調達開始した際には、長年のデータを踏まえて時間の経過とともに新たなテクノロジーが登場し、コンポーネントの価格は下がる傾向にあることを想定していたとのこと。
しかし過去1年で状況は急速かつ劇的に変化し、特にRAMとストレージコンポーネントのコストが大幅に上昇。同社は“さまざまな理由がある”としているものの、AIデータセンター向けの需要急騰が背景にあるだろう。結果としてSteam Machineの当初の目標価格での提供は困難になったとのこと。本日発表された価格は「製造業の世界的現状」を表すものであり、過去6か月間にValveが確保してきたコンポーネントの価格が反映されているそうだ。またそうした変化によって時期によっては一部のコンポーネントがどのような価格でもまったく調達できない事態になっていたそうで、在庫にも大きな影響が出ているとのこと。発売に向けての生産台数も影響を被ったと説明されている。
そしてValveはSteam Machineについて、家庭用ゲーム機ではなくPCゲーミングの拡張として捉えていることを説明している。そのため「ハードウェアを赤字で販売し、サブスクリプションサービスや独占タイトルの販売によって収益を補うという従来の家庭用ゲーム機のビジネスモデルをとらない」ことを伝えた。ハードウェア単体だと売れれば赤字になる、いわゆる逆ザヤにならないような価格設定になっているわけだろう。実際には家庭用ゲーム機が常にすべて逆ザヤで販売されているわけではないとみられるものの、サブスクリプションサービスや独占タイトルなどの戦略を踏まえて、利益率が低めに設定されている傾向はあるようだ。
Valveはこうしたビジネスモデルは単一のビジネスにとって短期的には理にかなっている場合もあるとしつつも、同社としては長期的にオープンなエコシステムを構築する方がユーザーにとってより良い結果をもたらすと考えているという。PCゲーミングの強みは、自分でプレイしたいゲームを自分がプレイしたいハードウェアでプレイするという点にあると説明。Steam Machineも、優れた製品ではあるものの、あくまでユーザーが選べるソリューションの一つにすぎないとも伝えられている。

なおあわせて、海外メディアThe Vergeも価格設定についてのValveからのコメントを報じている。同社は上述したような説明に加えて、PCエコシステムのオープンな性質がハードウェアとソフトウェアの革新をけん引することを可能にしてきたという見解を説明。そうした、より良い方法を思いついた者が誰でも挑戦できる土壌を重要視しているという。一方で原価割れでハードウェアを販売し、独占タイトルを用意するような閉じたエコシステムでは、(ユーザーが)使いたいソフトウェアを自ら選ぶこともできなくなるとし、同社の理念とは相いれないことが説明された。
このほかValveのスタッフによれば、製品のコストは基本的に部品のコストと、それを製造するために必要なコストだそうで、販売価格にもそうしたコスト面が大きく反映されているとみられる。そしてSteam Machineでは、Steam Deck以上に利益率を抑えているようで、できる限り原価に近づけるための“攻めた”方針をとっているとのこと。
昨今ではPS5や、Nintendo SwitchおよびNintendo Switch 2が相次いで値上げされたことも記憶に新しい。“赤字”覚悟で販売されることもあるという家庭用ゲーム機業界も価格設定においてメモリなどの部品高騰による影響を受けているなか、今回発売されたSteam Machineは可能な限り価格を原価に近づけたハードウェアとして、現在の部品コストが色濃く反映されているようだ。
Steam Machineは、国内ではKOMODO STATIONにて販売中だ。
【UPDATE 2026/6/23 10:40】
国内向けにも発売された旨を追記
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