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『ファイナルファンタジーVII リベレーション』発表後、『FFVII』シリーズは“すごく売れている”らしい。浜口Dに、新作発表の反響やユーザー反応への感想を訊いた
本稿では『ファイナルファンタジーVII リベレーション』発表への反響やユーザーから届いた声との向き合い方、さらには新作発表を受けた過去作の現在の売れ行きにまで話を訊いた。

スクウェア・エニックスは6月6日、『ファイナルファンタジーVII リベレーション』を正式発表した。対応プラットフォームはPC(Steam/Epic Gamesストア/XBOX on PC)/Nintendo Switch 2/PS5/XBOX Series X|S。2027年春発売予定。本作の正式発表に伴ってトレイラーも公開されている。
このたび弊誌は、本作および『ファイナルファンタジーVII リメイク』シリーズのディレクターを務めるスクウェア・エニックスの浜口直樹氏にインタビューを実施した。本稿では『ファイナルファンタジーVII リベレーション』発表への反響やユーザーから届いた声との向き合い方、さらには新作発表を受けた過去作の現在の売れ行きにまで話を訊いた。
正式発表&PV公開は“非常に良い手応え”あり
――まずは『ファイナルファンタジーVII リベレーション』(以下、FFVIIリベレーション)の発表おめでとうございます。「SUMMER GAME FEST 2026」で大トリを飾る発表でしたが、反響はいかがでしたか。
浜口直樹(以下、浜口)氏:
ありがとうございます。非常に良い手応えがありました。イベントが終わった後、北米・欧州を合わせて恐らく30社以上のメディアからのインタビューを受けましたし、中国の方でもメディアからのインタビューを受けて、1週間ぐらいずっとインタビューを受けていましたね。ここまで注目されて、話を聞きたいとおっしゃっていただけることは前作でもなかなかなかったので、そういう意味で3部作としてのこの完結作に対して、すごく多くの人たちが注目してくれているということを改めて感じました。本当にありがたい限りです。

――『FFVIIリベレーション』を発表した際、ユーザーからの反応で嬉しかったり意外だったりしたものはありましたか。
浜口氏:
嬉しかったのは、狙っていたところが今回の発表ではすごくダイレクトに伝わったなという手応えがあったところでしたね。『FFVIIリベレーション』の発表では、キャラクターも大事なんですが、ゲーム体験に注目してもらえるような映像を作りたいと考えていました。
ハイウインドで世界を飛び回れたりウェポンとの戦いだったり、ウェアシステムでバトルがより奥深くなりそうだと感じてもらえたり。そうした点を見てもらえたと感じました。ゲームの介入度に関しての部分も注目されていたので、そこがしっかり伝わったんだなと。一方でキャラクターの部分も衣装やアニメーションなどが、それぞれちゃんと話題になっていたので今回のPVはかなり狙った通りに伝わったなと思っています。ヴィンセントのクロスしたベルトがあんなに反響をもらえるのは、ちょっと意外でしたけど、嬉しかったです。
――映像は、いろいろとわかりやすかったです。
浜口氏:
『FFVIIリベレーション』に関しては、とにかく最初の情報発信のタイミングから、このゲームの魅力のキーになるところ、アクセントになるところをとにかく伝えることを重要視していました。そういった部分を踏まえて、今回はかなりうまく立ち上げられたなという手応えを感じていますね。
いろいろな反応が力になる
――ユーザーからの意見で、「これを取り入れるべきか」といった風に考えた指摘はありますか。もちろん大規模開発なのでいちユーザーの意見に左右されることはないと思いますが、気になります。
浜口氏:
今回の発表の後に「これを取り入れなければ」と感じたことはそれほどなかったです。ただ自分はこれまでの『FFVIIリメイク』シリーズをプレイしたユーザーの反応を見ています。その中で『FFVIII リバース』をプレイしたユーザーからの声を受けて、新作ではミニゲームをスキップできるようにしたりとか、報酬を調整したりとか、そういうことに着手しています。
インタビューでそういった新作の改善をするという話をさせていただき、ユーザーから「俺はミニゲームはそんなにいらないけど、まあこういう考えなら受け取ってやらんでもない」といった反応をいただいたのは嬉しかったですね。やっぱりちゃんとユーザーの声に耳を傾けて、そこにバランスを合わせていくと、ちゃんと理解してくれるんだなと。
やはりゲーム性やゲームデザインなどの遊びやすさについては、ある程度ユーザーの声を聞きながら、ストレスに感じるところを減らすことは絶対やっていかないといけないと思います。
リメイク作品として伝えたいストーリーや意義は作り手が届けたいと思っているところは軸を貫きますが、ゲームの遊びの部分は、常にユーザーのレスポンスを見て、ストレスをなくすための改良など、常にアンテナを張り続けていきたいです。
――本作については、ミニゲームの多さやストーリー展開、カップリングなども含めて、とにかく議論されることの多いゲームです。この点について浜口さんはどう感じられていますか。
浜口氏:
ありがたいと思っています。ゲームって、メディアでありコミュニティであり文化なんです。で、文化はひとつの変わらない普遍的な要素がありつつ、いろいろな角度から意見が出てきて初めて議論が起きて、それが文化になっていくと思うんですよね。だから、ひとつの物に対して、みんなが同じ見方しかしない場合、記憶に残らなくて風化することもあると思うんですよね。むしろそれだけコミュニティが活発して、そこに会話が起きて、議論が巻き起こるっていうこと自体が、エンターテイメントだと思っています。
『FFVII』に関して言えば、ミニゲームでもストーリーでも関係性でも、バリューがあると思ってもらえているからこそ、そこまで議論が出て話題性が出ていると思っています。私は、そういう風に議論し合える要素とか、キャパシティを持ったコンテンツであるということを、誇らしく思っています。
新作発表で、「想定より数倍レベル」で売れている
――『FFVIIリベレーション』が発表されてから、Steam含め各プラットフォームで『FFVIIリメイク』『FFVIIリバース』をセールスランキングで見かけます。調子はどうでしょうか。
浜口氏:
非常に良いです。そもそも「SUMMER GAME FEST 2026」の前から『FFVIIリメイク』も『FFVIIリバース』も継続的に売れ続けていました。『FFVIIリバース』の発表当時も、話題になるたびに『FFVIIリメイク』が売り上げが伸びていきますし、『FFVIIリバース』に関してもこれから『FFVIIリベレーション』が話題になるたびに興味をもってくれる人がいらっしゃるでしょう。そして、「SUMMER GAME FEST 2026」後はすごく販売本数に反響がありました。私から直接的な数字は言えないのですが……我々の想定よりも、数倍レベルで売れていますね。
ファンの方々、特定のファンコミュニティの方は、タイトルが何本売れているかっていうのを、興味を持ってくださいますが、皆さんが想像している以上にしっかり売れ伸びています。そういう意味で、前作を遊んでくださる方がどんどん増えている状況があり、私は『FFVIIリベレーション』に関しても自信を持って、世の中に送り出せるという手応えがあります。では、数字を公開してという声も見かけますが、それはIRの範囲でありますのでご理解お願いします。
――『FFVIIリメイク』シリーズの勢いがあるなというエリアはありますか。
浜口氏:
まず、地域というよりもPC文化が強くなっているというのが数字に出ていて。その中でも英語圏でPCが強いのは当然なんですが、それに匹敵するぐらい簡体字圏でのPC市場がすごく強くなっていて、それが『FFVIIリメイク』『FFVIIリバース』にも反映されています。
――セールスは、開発にどのような影響を与えるものなのでしょうか。
浜口氏:
我々クリエイターは、自分で作ったものをたくさんのお客さまに遊んでいただいて、我々が出したコンテンツに対しグローバルで話題にしてもらえることが、モチベーションに繋がるんですよ。
――セールスも大事だけれど、話題になることも大事だと。
浜口氏:
そうなんです。もちろんネガティブな話題ばかり出てくると困りますけど、コメントが多く出ること自体が、みんなのやる気になると思うので。そういう意味では『FFVIIリベレーション』を発表してからも本当にたくさんの声が開発チームに届きました。
『FFVIIリメイク』シリーズを通して、ずっとファンの方々にすごく支持されて応援されてきているのは、私自身も感じるし、チームも感じています。なので、本シリーズのように10年ぐらいの長い開発では、そういった意味で皆さんに支え続けられたという感覚がすごくあります。

――ユーザーの声が支えになるんですね。
浜口氏:
本当に支えになりますね。普通はAAAのタイトルだったら3年なり4年かけて1本のタイトルを作るものを、我々は10年以上の開発期間で『FFVIIリメイク』『FFVIIリバース』『FFVIIリベレーション』の3本を作っています。自分の10年以上のクリエイターの時間を作品に注ぎ続けることって、個人で考えたときに人生のプラン上で大きな選択なんです。
――10年……クリエイター人生の多くを占めますね。
浜口氏:
なので、やり甲斐があることが一番のポイントだと思うんです。我々が作ったコンテンツがグローバルで多くの人たちに期待されることが、やっぱり一番だろうなと。『FFVII』というIPが非常に偉大だということももちろんありますが、ユーザーの皆さんがやり甲斐を与えてくれたということにすごく支えられたなと思います。
そのおかげもあって、『FFVIIリメイク』から『FFVIIリベレーション』まで、9割以上のスタッフが一緒についてきてくれました。その点について海外ではは驚かれまして、そこは意外でした。
――Bloombergでその記事を拝見しました。AAAであるのにある程度開発期間が短いのは、スタッフが前作から90%以上同じメンバーだと。
浜口氏:
そうなんです。すごく驚かれて。反響がありましたよね。
――ありました。チームが解体されず、同じメンバーによって続けて作れることにより、開発期間が短縮されていることへの反応をRedditなどで見かけました。
浜口氏:
最後まで完結させるという意思をちゃんともって走ってくれている人たちが多いというのは、『FFVII』というIPの魅力もあるんでしょうけど、やっぱりファンの方々がそれに対して非常に期待してくれている環境で物づくりができたということだと思います。
当然、その期待は我々が作っているコンテンツの成果があって積み上がるもので、実際『FFVIIリメイク』『FFVIIリバース』が期待に応えられてなかったら、そもそも『FFVIIリベレーション』もここまで期待されなかったかもしれません。だからこそ、ユーザーの期待に応えたことで次にも期待にしてもらえて、開発チームもその期待に応えようと、うまく相乗的にみんなのモチベーションを引っ張ってくれているんだろうなと。いい循環ができている手応えがあります。
――『FFVIIリベレーション』でもそのユーザーの期待に応えてくれると、期待しております。では、最後にちょっと角度の違う質問をさせてください。SIEのディスクレスの発表もあり、業界としてはフィジカル版がなくなっていく可能性があり、そこに対して浜口さん個人の意見と、『FFVIIリベレーション』はフィジカル版が発売されるのか、話せる範囲でお願いします。
浜口氏:
私個人としては、フィジカル版には賛成です。何よりコミュニティイベントなどで、ファンの皆さんが「サインしてください」とパッケージを持ってきてくださる瞬間が本当に嬉しいんです。そうしたゲームを手元に残し、思い出として共有する文化が薄れてしまうのは少し寂しいと感じています。
一方で業界全体を見ると、利便性や流通の変化もあって、ダウンロード版の比率は今後さらに高まっていくと思います。ただ、フィジカル版そのものがなくなるというよりは、任天堂さんのキーカード方式のような新しい形や、ダウンロードコードを同梱する形など、パッケージのあり方自体が変化していくのではないでしょうか。フィジカルパッケージだけで完結する従来のスタイルは、徐々に減っていく可能性はあると感じています。
そして『FFVIIリベレーション』についてですが、SIEさんの発表以降、「ダウンロード専用になってしまうのではないか」という心配の声が届いていることは認識しています。現時点でお伝えできる範囲になりますが、『FFVIIリベレーション』は開発時期的にも完全な方針転換が難しいタイミングであり、私たちとしてもフィジカルパッケージ版を実現する方向で前向きに検討しています。
ただし、各プラットフォームにはキーカード方式の有無やメディア容量など、それぞれ異なるレギュレーションがあります。作品としての品質をしっかり担保しながら、ファンの皆さんの期待にも応えられる形が何かを現在社内で議論しているところです。私自身としても、フィジカルパッケージ版を残せるよう引き続き調整を進めていきたいと考えています。
――自分も『FFVIIリベレーション』のパッケージ版を購入したいので、是非よろしくお願いします!
『ファイナルファンタジーVII リベレーション』はPS5/XBOX Series X|S/Nintendo Switch 2/PC(Steam/Epic Gamesストア/XBOX on PC)向けに、2027年春に発売予定。
[執筆・編集:Koutaro Sato]
[聞き手・編集:Ayuo Kawase]
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