RPG風クリック放置ゲーム『Grim Clicker』Steamにて正式リリースされ人が集まる。バランスには基本プレイ無料ゆえの課題も

 

EvilCharm Gamesは1月31日、『Grim Clicker』を正式リリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)で、基本プレイ無料にて提供されている。リリース後には1500人ほどのSteam同時接続プレイヤー数を集めるなど、好調なスタートを見せている様子だ。


『Grim Clicker』は基本プレイ無料のクリック型放置ゲームだ。本作では2D横スクロール形式でゲームがオート進行し、ダークファンタジー風の世界を冒険することになる。先へ進めば進むほど敵の体力が大幅に増加し、ボスモンスターも用意されている。敵を倒して経験値を獲得し、さまざまな強化要素から自分好みのビルドを組み立てていくのだ。なお本作には課金要素が存在し、永続的な基礎ステータスアップやゲーム内アイテムなどを購入可能。

本作ではゲーム内画面をクリックすると、スタミナ(Energy)を消費してプレイヤーキャラの移動・攻撃速度が一時的に上昇。スタミナは自然回復するものの上限があるので、クリックには制限が設けられているかたちだ。なおプレイヤーキャラには体力が設定されておらず死ぬことがない。プレイヤーは安心して放置しながら、画面のクリックや育成リソースの管理をおこなえる。


また敵を倒していくと、レベルが上昇してスキルポイントを獲得。3系統に分かれたスキルツリーから好みのものを取得することができる。また装備にもレベルが存在し、エンチャントやクラフト強化要素も用意されている。これら多数の要素の中から、強力なシナジーを見つけ出すことが重要となるだろう。

さらに本作では儀式(Ritual)をおこなうことで、一部要素を引き継いで転生することができる。転生をおこなうと初めからやり直しとなるが、転生の際に得られるアイテムを用いて永続アップグレードを購入可能。また転生ではスキルツリーがリセットされるので、行き詰ったときにビルドを組みなおすことができるという利点もある。


本作は2020年1月ごろに早期アクセス配信を開始。以来アップデートにてコンテンツの調整や拡充がおこなわれ、このたび4年越しに正式リリースを果たしたかたちとなる。本稿執筆時点でSteamユーザーによる全てのレビューでは、約2300件中80%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。また正式リリース時には多くの人が集まり、Steamの最大同時接続プレイヤー数1563人を記録した(SteamDB)。試行錯誤できる強化要素や、宝箱によるトレハン要素など、クリッカーゲームとして特徴的な要素が人気の理由と見られる。

一方、直近30日間でのSteamユーザーレビューでは「賛否両論」ステータスとなっている。ユーザー意見では、課金要素によってゲームの進行スピードが大きく変わることが不満点として挙げられている。本作では無課金プレイでも課金要素となっている基礎ステータスアップなどを利用すること自体はできる。しかし後半になるにつれ敵がかなり強力になり、無課金だと進行に長い時間を要するバランスになっていることが不満の要因となっているようだ。実際に筆者がプレイする限りでも、本作では確かに強くなるまでにそれなりのプレイ時間が求められる印象だ。また効率良くプレイするためには定期的な操作が必要となるので完全放置というわけにもいかず、変化がないままプレイし続ける時間が長い点は課題としてあるのだろう。

早期アクセスとして約4年にわたりアップデートが重ねられ、今回ついに正式リリースに至った本作。クリッカーゲームとしてのシステムは評価を受けており同時接続プレイヤー数では賑わいを見せる一方で、バランス面は賛否両論となっており、基本プレイ無料ゲームとしてのマネタイズの難しさも垣間見える。正式リリース後にもそうしたフィードバックを受けた調整がおこなわれるかは注目されるところだろう。

『Grim Clicker』は、PC(Steam)向けに基本プレイ無料で配信中だ。