超リアルバーチャルJR代々木駅がUnreal Engine 5で表現される。実物と見紛う圧倒的リアリティ

 

海外CGアーティストがUnreal Engine 5(以下、UE5)でJR代々木駅のホームを再現した動画をX(旧Twitter)上で公開した。「Work in progress」と製作途中であることを付け加えつつも、すでに本物と見紛うほどのクオリティには、驚きの声が上がっている。


今回公開された映像は、20秒ほどの動画だ。JR代々木駅の1番ホームを歩き、最後にぐるりと全景を見渡すような視点で締めくくられている。ホームの地面には水たまりの跡も描かれており、光が水に反射する描写が非常にリアルだ。壁や柱は、ちらほら汚れている部分も垣間見られる。製作途中であるためか、駅からちらりと見える背景によってCGであることをかろうじて確認できるが、そうでもなければ実写と遜色がない。

リアル代々木駅 Image Credit: 代々木 on Wikipedia

UE代々木駅


この映像は、UE 5.2で製作されているとのことだ。UE5はEpic Gamesから2022年4月にリリースされたゲームエンジンで、多くのゲームでも導入されつつある(関連記事1関連記事2)。そのUE5が、今年5月に5.2リリースとしてアップデートされた。光の描写や反射をリアルタイムでおこなってくれる機能「Lumen」を、映像製作にあたって使用したようだ。

映像を製作 したのはJaakko Saari氏。フィンランド生まれのCGアーティストで、現在は株式会社SonaGrafのCEOとして、横浜にオフィスを構えているようだ。同社ではUnreal EngineをメインとしたCG構築のみならず、サウンド制作、ムービー編集などの事業もおこなっているとのことだ(SonaGraf)。

Saari氏は以前より、X上でCG制作した画像、動画を投稿している。例えば8月18日にアップロードされた動画では、同じく代々木駅と思われるホームが映っており、そこにはひとりの女性が立っている。女性の髪が風でなびいていたり、光の加減がリアルだったりと、本当に駅で撮影したかのようだ。他にも、病院内の風景や、みなとみらいの街並みを再現したと思われるものなどもあり、同氏の素晴らしい技術がうかがえる(参照投稿1参照投稿2)。


ただ残念ながら、Saari氏はあまりゲームデザインをおこなわないとのことだ。したがって、これほどの高クオリティで街並みが描かれるゲームが同氏やSonaGraf社から発表されることはなさそうである。とはいえ、映画やテレビ、広告などの仕事を主にしているようなので、もしかしたら、ゲームではないほかの媒体でお目にかかれることがあるかもしれない。