カプコン「RE ENGINE」の次世代版「REX ENGINE」開発へ。『バイオ7』からアセット・コード規模約5倍などいろいろ対処するため

 
『バイオハザード RE:4』

カプコンは10月26日より、内製エンジンである「RE ENGINE」をはじめとする、同社の開発技術を解説するオンラインイベント「CAPCOM Open Conference Professional RE:2023」を開催。同イベントのなかで、RE ENGINEの次世代版となるエンジン「REX(RE neXt) ENGINE」開発への展望が明かされた。

「RE ENGINE」は、カプコンが『バイオハザード7』より導入した同社内製エンジンだ。「RE ENGINE」は同作以降の『バイオハザード』シリーズのほか、『デビルメイクライ5』『帰ってきた 魔界村』『ストリートファイター6』など幅広いタイトルに採用。今年以降も『ドラゴンズドグマ 2』『プラグマタ』など、同エンジンを採用した新作タイトルがリリース予定となっている。

今回カプコンは「RE:2023 RE ENGINEのこれまでとこれから」として、「RE ENGINE」の今までの活用と今後の展望を明かす動画を公開している。同動画では、「RE ENGINE」の特徴について「高いパフォーマンスと安定性」「高い開発効率」などを挙げ、これまでにエンジンや周辺開発ツールに施してきた改善が紹介されている。採用タイトルが大量となったために運用体制の効率化が必要となり、プロジェクト管理ツール「RELauncher」やパッケージから直接の不具合調査を可能にする「REProfiler」などの開発・導入のほか、エンジン自体や運用体制に多岐にわたる工夫がなされてきたそうだ。

『バイオハザード7』


そして、「RE ENGINE」の今後の展望として次世代エンジン「REX ENGINE」への展開が明かされた。「RE ENGINE」が最初に採用された『バイオハザード7』から比較すると、昨今のプロジェクトのアセット数やコード規模は5倍以上に膨れ上がっているとのこと。開発効率の向上のためには、より大量で大容量のアセットを効率的に扱う仕組みが必要に。そして多彩な開発タイトルごとにさらに高度なカスタマイズも必要になってきたという。

さらに「RE ENGINE」は、海外の外注先でも利用されるようになったという。プロジェクトに外国籍の開発者が関わることも増え、これまで以上にドキュメント・サンプル・チュートリアルの多言語対応が重要になってきたとのこと。そして市販のゲームエンジン経験のある開発者の採用も増えてきており、市販エンジンと同じ水準のユーザビリティ・カスタマイズ機能が「RE ENGINE」にも求められるようになってきた。

そこで、カプコンR&Dチームは“内製エンジンの枠を超えた新しい水準のエンジン”として次世代エンジン・コードネーム「REX(RE neXt) ENGINE」の開発に取り組んでいるとのこと。「REX」は新しいエンジンを一から作り直すのではなく、既存のRE ENGINEに新しい技術を導入していくかたちで展開されるそうだ。動画内では、前述の「RELauncher」「REProfiler」のほか、「REUI」「REFlows」「REAssetStream」といった「RE ENGINE」を支える技術や周辺ツールについて触れられており、そうした部分から技術導入が進められていく展開が示唆されている。各技術の詳細については、また別の機会に紹介されていくとのこと。

『バイオハザード RE:4』


なお、オンラインイベント「CAPCOM Open Conference Professional RE:2023」は26日・27日の2日間にかけて開催中。カプコンR&D YouTubeチャンネルでは、ほかにも同社の誇る技術の詳細が惜しみなく公開されている。興味のある方はチェックしてみるとよいだろう。