『Starfield』は、Bethesdaの新ゲームエンジンCreation Engine 2採用の初タイトルとなる。開発者は光源処理含め自信あり

 

とあるユーザーが7月3日投稿したCreation Engine 2に関するツイートが注目を集めている。同ツイートは6月22日に公開された動画、Kinda Funny Xcast内で紹介されたCreation Engine 2に対するリアクション。当該動画にはBethesda Game Studios(以下Bethesda)の開発ディレクターTodd Howard氏が出演し、同社が現在開発中のタイトル『Starfield』に関するさまざまなQ&Aを実施。そのなかでも同氏が語った新ゲームエンジンCreation Engine 2の性能に関する言及へ注目が集まったのだ。


Creation Engine 2とは、『Starfield』『The Elder Scrolls VI』で使用予定とされているBethesda自社開発のゲームエンジンだ。前身となるCreation Engineは『The Elder Scrolls V』の開発に伴いNVIDIA社と共同開発され、2011年に同作で初稼働以降、継続的なアップデートのもと『Fallout 76』まで使用されてきた。したがって2023年9月に発売を控える『Starfield』は、約12年振りのメジャーアップデートを経たゲームエンジンCreation Engine 2の初稼働作となるわけだ。

Kinda Funny Xcastの動画内では、6月12日「Sarfield Direct」にて公開された長時間のゲームプレイ映像の制作背景についての質問がなされ、これに対してTodd氏は本作の開発と並行して開発が進められたCreation Engine2がゲームづくりに大きく寄与していると語った。また『Starfield』大部分の開発はBethesda内で進められた一方で、2022年初頭からMicrosoftの先端技術開発グループからの技術的支援を受けていることを明らかにし、Xbox Series X|Sにおける動作や最適化についても同グループの支援のもと進められたと語っている。


ではCreation Engine 2がどのようにゲームづくりに寄与したのだろうか。Todd氏は動画中、前述のツイートで取り上げられたCreation Engine 2に関する言及において特にボリューメトリックフォグの描画性能、およびそれにより実現される同エンジンの光源処理の素晴らしさを強調。開発には長い期間を要した性能に非常に満足していると語った。

ボリュームメトリックとは、ざっくりといえば光源処理を盛り込んだ霧表現だ。通常のフォグに比べて、光を盛り込んだ陰影表現を可能とする。遮蔽なども影響することから、差し込み表現にも秀でている。これまで公開されている『Starfield』のスクリーンショットでは、過去のBethesda作品に比べて淡い光を含めた空気感の表現に優れている。それはCreation Engine 2で描かれる『Starfield』の強みだというわけだ。なお、同作の光源処理においては、グローバルイルミネーションも採用されているとのこと。


回答のなかでBethesdaの技術チームを率いるChris Rodriguez氏とJoel Dinolt氏を“Wizards”と評していることからも、『Starfield』及びCreation Engine 2の開発状況に対するTodd氏の自信がうかがえる。
本作への自信については多岐に及んでおり、物理演算やそれに伴う重力システム。クエストやゲストシステムなど、続々と生まれつつあるオープンワールドゲームの中で、また異なるものになっているとTodd氏は語っている。

ゲーム内容だけでなく、新たなゲームエンジンCreation Engine2の情報が徐々に明らかになり、Bethesdaの進化を予感させる同作の動向は今後も目が離せない。


『Starfield』は、PC(Steam/Microsoft Store)/Xbox Series X|S向けに9月6日発売予定。Xbox/PC Game Pass向けにも提供される。また、Premium Edition以上のバージョンを予約購入すると最大5日間の先行プレイが可能。