『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』、とあるダンジョンの“高速回転柱”を見切って攻略するユーザー続出。幅広いアプローチゆえの盲点

 

ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』のとあるダンジョンにおける「回転する柱」がプレイヤーたちを悩ませているようだ。遊び方が拡張された本作ならではの“盲点”を突かれたことで、人々があ然としている模様。本稿はストーリーで進めることとなるダンジョンやそのギミックについて触れているので、注意して読み進めてほしい。


『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』は、Nintendo Switch向けに発売中のアクションアドベンチャーゲームだ。『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の続編にあたる。新作においては、ハイラルの地が突如として天変地異に見舞われる。城は宙へと浮かび上がり、空からは謎の遺跡群が降り注ぐ。大地と大空が広がった世界にて、“右手”に力を宿したリンクがハイラルの異変に立ち向かう

リンクが新たに得ることとなった右手の力により、本作ではさまざまな視点から攻略にアプローチすることが可能。物体同士をくっつける「ウルトラハンド」や、物体の時を戻すことができる「モドレコ」は、アプローチを増やす手段として多く使われている能力だ。これらにより前作以上に自由かつ、幅広い攻略方法をとることができる。

今回、問題となる柱が存在しているのは、水の神殿だ。水の神殿は、ほかの神殿と異なり、神殿全体が低重力のような状態で、浮力がかかっているのが特徴。ふわっとしたジャンプでの移動や、浮力に左右されずに固定される浮遊石を活かしたギミックが多く用意されている。


そういったギミックの中で、一部プレイヤーの頭を悩ませているのが柱についた回転する小部屋のギミックである。仕組みとしては、1本の柱の先端についた直方体の小部屋が高速で横向きに回転し続ける。直方体の一側面が開いて小部屋のようになっており、中には扉を開けるスイッチが置かれているという構造だ。直感的に、回転する小部屋の中にあるスイッチを押す方法を探すギミックだと思いつくだろう。

しかし、高速回転する柱はそう簡単に解くことを許さず回り続ける。まず、ウルトラハンド、モドレコにて対象指定できないところが難点だ。ウルトラハンドで小部屋までの階段を用意することや、モドレコで一度小部屋の動きをゆっくりにして侵入することといった直接的なアプローチを封じられている。また、ウルトラハンドでアイテムをつなぎ合わせて小部屋に入れることや、上空からパラセールなどを用いた強引な侵入も難しい。なぜなら“高速で回転”しているからである。リンクやアイテムが近づこうものなら、その強力な回転の力で吹き飛ばされてしまうのだ。




さまざまなアプローチを受け入れず回転し続ける柱に、一部プレイヤーは頭を悩ませているのだ。そんな中、あるプレイヤーが海外掲示板Redditに投稿した「これが間違いなくこのパズルの解法だ」と豪語する動画が反響を呼んだ。その動画では弓を使い、スイッチの位置に照準を合わせタイミングよく発射、きれいに入った矢がスイッチにヒットし無事ギミックをクリアしている。

幅広い攻略法が取れる本作において、己の目とタイミング合わせのみを信じるかなりシンプルなこちらの解法。高い動体視力も必要となりそうであり、投稿者もスレッドタイトルとは裏腹にこれを“正攻法”とは考えていないかもしれない。一方でこれを正攻法として賛同するような反応も同スレッド内でいくつか見られる。同じような解法をしたプレイヤーもまずまずいた模様だ。またスレッド内では、スクラビルドでバクダン花を矢に付け、爆風をスイッチに当てるなどの解法も挙げられている。


一方で高い動体視力などを必要としない、もっと容易な解法を挙げるユーザーも現れた。それは「弓スローを使う」という方法だ。弓スローとは、リンクが空中の一定以上の高度にいる際に弓を使うと、一時的にスローモーションとなるシステム。このギミックでは、空中にて弓スローで時間を遅らせ、ゆっくりになった回転のもとで、スイッチを狙うという解法もできるわけだ。なお弓スローは前作『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』にもあったシステムである。

前作から続投した基本システムが解決の鍵だったということに「なんで気づかなかったんだ……」と一部ユーザーはあ然。なぜか自分が「バカだった」と反省し始めるユーザーが続出している。この回転する柱のギミックには、国内でも頭を抱えていたプレイヤーが多い模様。SNSにて「水の神殿 回転」で検索してみると、スレッド内と同様に、スーパープレイで切り抜けたユーザーや弓スローでの解法に気づき愕然とする声が散見される。

本作では、ウルトラハンドやモドレコにより、さまざまな攻略アプローチが取ることができる場面が多い。そのため、謎を見るとまずは新要素を用いたアプローチをとりたくなりがちだ。そうした背景もあり、弓スローを使うという選択肢を思いつかず、より難しい高速回転を見切る方法に挑むユーザーが続出しているのかもしれない。

なお上述したように水の神殿やそこにたどり着く道中は低重力状態になっており、ジャンプに浮力がつくようになっている。これによって高いところから落ちずとも、通常のジャンプで弓スローができるようになっているのだ。そのため道中の戦闘時に弓スローの存在を改めて思い出す場面もありそうだ。そうした誘導から、弓スローを使った解法に気づいたプレイヤーもいるかもしれない。


一方の筆者はというと、回転をどうにかとめようと、物体を無理やり合体させて、柱を固定させようとしたり、無理やり侵入しようとしたりと、30分ほど柱と格闘していた。そしてふとしたタイミングで弓スローの存在に気づき、あ然。疲弊からか何となく投げやりになり、バクダン花付きの矢で攻略した。

本作はひとつの問に対し、さまざまな方法で解決策を導き出すことができる点が持ち味だ。だからこそギミックに対しては、新要素によるさまざまなアプローチをとりたくなりがち。回転する柱のギミックは、そうしたプレイヤー心理の裏をかくギミックといえるかもしれない。また一方で、柱の回転を見切るという無骨な解法でもクリア可能な作りになっている点も注目されるところだろう。

『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』はNintendo Switch向けに発売中だ。