『Dead by Daylight』大幅調整で、ナース弱体化へ。生存者のアクション表示や新もがきシステムなど正式実装に

 

Behaviour Interactiveは1月4日、『Dead by Daylight』の6.5.0アップデートの詳細ついて発表した。おもに予定されているのは、インターフェースに生存者のアクションを表示する機能の実装や、新もがきシステムの本実装。そして殺人鬼ナースとナイトに関するゲームバランス調整や、マップの調整が中心となっている。調整内容を反映したパブリックテストビルド(PTB)は、PC(Steam)版にて明日から開始予定となっている。

生存者のアクション表示

本作にて生存者でプレイするにあたって、ほかの生存者が何をしているのか判別できるというのは、生き残るために重要な要素のひとつといえる。味方の状況にあわせて発電機を修理するのか、吊られている人を救出するべきなのか、自身が優先して行うべき役割が明確になりやすいからだ。フレンドでボイスチャットを利用する場合、お互いに情報共有することで効率的なチームプレイができる。その一方で、パーティを組まずにプレイする場合は、何かしらのパークを使用しなければ味方が今どこにいるのかさえわからないことも多い。

今回実装される生存者のアクション表示とは、そうした単独の生存者とグループの生存者のギャップを埋めるためのシステムであると開発は説明している。具体的な内容としては、生存者の画面で各生存者のアイコンの横に、現在何をしているのか表示されるようになるというものだ。対象となるアクションは「発電機修理中」「脱出ゲート開放中」「治療、手当て、自己回復中」「トーテムを浄化、清め中」「チェストを調査中」「殺人鬼固有のアクションに対応中(正気に戻る、目を覚まさせるなど)」となっている。

これらのアクション表示は生存者同士の画面でのみ表示され、殺人鬼には見えない。これまで一部パークを使用しなければ得られなかった情報の一部が、インターフェースでいつでも確認できるようになるのだ。従来よりも情報が増えることで、生存者同士での連携がとりやすくなる新要素となっている。

追跡インジケーター

また、生存者が殺人鬼に追跡されていることを示すインジケーターも追加される。これまでは生存者が追いかけられていることを判別する手段として、オブセッションのアイコンが動いているかどうかを確認している人も多かったはず。新しいインターフェースでは、オブセッション以外の生存者にも、追跡されている際にはアイコンの両脇に小さな爪が表示されるようになる。なお、こちらの表示は殺人鬼も確認することができる。

さらには、生存者が殺人鬼に運ばれている最中であることを示すアイコンも実装される。従来の瀕死状態のアイコンでは、初心者にとっては違いがわかりづらく、倒れている仲間がどこにもいないように見えてしまっていたためと説明している。

これらの機能を追加する目的は、あくまでも単独の生存者と生存者グループの差を埋めるためであり、生存者グループがさらに強くなることはないとしている。また、生存者グループが強化されるような機能の追加は避けたかったとも説明。各生存者の位置を明確に表示する機能はあえて実装しなかったのだという。


一方、新もがきシステムについては、すでに昨年ライブサーバー上でベータ機能としてテストをおこなっていたものだ。テスト実装によって得られた意見をもとに、調整をおこなった上での正式実装となる。実装にともない、新もがきシステムはベータ機能タブから削除される。

正式実装にあたって、いくつかの変更点がある。まずは、もがき中のスキルチェックをグレイトで成功したとき、もがき進行度が増加する効果から、殺人鬼を揺さぶる度合いを20%増加する効果へと変更される。また、スキルチェックのグレイト範囲自体も大きくなる。すべてのスキルチェックをグレイトで成功した場合、1秒早く殺人鬼の肩から脱出できていたのだという。たった1秒ではあるものの、その時間で殺人鬼がフックに吊れることもある。生存者に有利になりすぎないための変更といえる。

さらには、もがき中にスキルチェックにボタンを押さなかった場合、新たな効果音が流れるようになる。まったくもがかない場合、スキルチェックをミスしたときの効果音が連続で再生されてしまい、少しうるさくなっていたことを理由としている。新しい効果音は静かなものとなるようだ。

最後に、「決死の一撃」が発動したときの動作が改善される。現在の新もがきシステムで「決死の一撃」が発動すると、その直後にもがきスキルチェックが開始されてしまう。これが突然すぎてわかりづらいため、「決死の一撃」後にもがきスキルチェックが出てくるまで0.5秒の間隔が設けられるようになる。その0.5秒はもがくことができないが、代わりにもがきゲージが自動で少し貯まるようになるとのことだ。


ナース、弱体化へ

殺人鬼ナースについては、ブリンク攻撃が特殊攻撃扱いとなるのが大きな変更点となるだろう。開発側はナースのスキルを磨くには長い時間がかかるが、使う人次第で最強の殺人鬼であることは疑いようがないと前置きしている。その上で、前回の変更から新しいパークが登場したことで、従来の戦術がさらに強力になってしまったという。その強すぎる大部分が「ナースのブリンク攻撃は通常攻撃とみなされる」ため、一部のパークとのコンボが成立してしまうことが原因であると説明している。

ブリンク攻撃が特殊攻撃となることで、通常攻撃が条件となっている「呪術:誰も死から逃れられない」「スターに憧れて」といったパークたちは、ブリンク攻撃では発動しなくなる。ナース自身がすでに強力であると判断し、今回の調整に踏み切ったようだ。状況によって凶悪なコンボが成立するのは事実であるものの、今回の調整はナースにとって純粋な弱体化といえるだろう。

ほかには、ナースのブリンクチャージが完全回復したときの効果音が追加される。画面端に視線を向けなくても、チャージが回復したかどうか判別できるようになる。さらに、ナースの一部アドオンも効果が変更される。強いアドオンと弱いアドオンの差を縮めるための調整と説明している。変更されるアドオンの一部についても公開されている。

まず「バッドマン」の最後の一息は、ブリンク攻撃命中後に探知不可となる効果時間が16秒から25秒へと変更される。同時にクールダウンも60秒から45秒に変更され、純粋に強化された形となる。つづいて、ジェナーの最期の一息は、元の場所に戻る発動条件を、すべてのブリンクのチャージを使い切ったときに変更される。さらに元の場所に戻ったとき、ブリンクチャージが全回復するようになる効果が追加される。従来の用途としては使いづらくなった一方で、代わりに新たな効果を得ることとなった。最後に、痙攣する呼気は、効果が発動したときに効果音が鳴るように変更され、使いやすさが向上した。

内容は明かされていないものの、変更が予定されているアドオンは、緊張病の男の子の宝物、暗色の帯、重く息切れする呼気、失調性の呼気、はかない息切れ、キャンベルの最期の一息、カヴァナーの最期の一息、ちぎれた栞、マッチ箱。ブリンク攻撃の仕様変更によって、ナース自体の性能は弱体化する形となった。しかしアドオンの調整によって、新たな戦術が生まれる可能性もありそうだ。

ナイト調整

続いて、殺人鬼ナイトもいくつかの調整が入っている。まず、ユーザーからのフィードバックの中で目立っていたのは、ナイトの能力は遠くに衛兵を出して巡回させるより、窓枠やパレットを封鎖するために使うのが強いというもの。正当な能力の使い方であると前置きした上で、短距離以外にもいろいろな使い方をしてほしいため、長距離で衛兵が使いやすくなるバランス調整をおこなったとしている。

具体的には、ナイトが巡回経路をつくるときに出す光の球を、経路が長くなるほど小さくなるというもの。経路が10mを超える場合、生存者からは完全に見えなくなるようになる。長距離において、生存者側が衛兵の予測をしづらくなる調整となっている。また、ナイトが10m以上の巡回経路をつくると、ナイト自身に戻った際に迅速のステータス効果を得られるようになる。迅速の効果時間は、巡回経路が長さに応じて延長される。長距離になるほど恩恵が受けられる追加効果となっている。

そして、ナイトが10m以上の巡回経路をつくると、衛兵が生存者を見つけた際、発見地点に移動する速度が上がる。この変更によって、より早く記章旗を置いて追跡に移れるようになる。さらには、衛兵が発電機を破壊したときに修理進行度が後退する量が、通常の殺人鬼と同じ2.5%から5%へと変更される。即座に後退する量が倍になったのは、あまり無視できないに調整になりそうだ。

ナイトはもう一点、巡回経路を作成する状態のまま終了しないことで、脅威範囲を隠す使い方について言及された。特に指摘があったのは、生存者をフックに吊って、その近くでナイト本体を待機させるというものだ。実際にこの戦法が有効かどうかはさておき、このような戦法はナイトのプレイスタイルとは合わないとして、巡回経路を作成するのに10秒間の制限時間が追加される。一般的な使い方を妨げることなく、脅威範囲を消して隠密するナイトの運用に制限をかけた形となった。


マップ「カラスの巣」については、マップの形に変更が入る。生存者に有利だと感じる意見を多く受けており、データ上でもその傾向は一致していたためだ。現在は長方形のマップが、おおよそ正方形となり、殺人鬼が発電機を巡回しやすくなる。マップ全体の面積も少しだけ小さくなるとのことだ。

くわえて迷彩地形と呼ばれる、ほぼすべてのマップにある、壁がたくさん並ぶ小さなエリアが生成される位置が、主要建築物と殺人鬼の小屋から遠ざけられる。距離がひらくことで、地形を往復して長時間チェイスするのを難しくすることを目的としている。そして新しい地形が追加され、既存の地形にも草むらが追加される。罠を設置する殺人鬼が、罠を隠しやすくするための配慮がされた。これらの調整によって、現在より殺人鬼にも生存者にも平等なマップとなることを期待したい。

そのほかには、マッチ中にアーカイブのチャレンジ進行度が確認できるトラッカーが追加される。チャレンジを達成した場合にも表示されるため、従来よりチャレンジを意識しやすくなるだけでなく、達成したかどうかの確認も容易になる。また、今回のアップデートではマッチング待ちの間に、アーカイブとゲーム内ストアを閲覧できる機能も実装される。チャレンジを受け忘れたまま準備完了を押してしまっても、気兼ねなく画面を切り替えられるようになるのだ。


殺人鬼の場合はさらに、マッチングに選んでいない殺人鬼に切り替えてカスタマイズができるようになる。実際にマッチで使用されるのは、マッチング待ちを開始した殺人鬼となる。待ち時間を有効に利用してカスタマイズできるようになり、誤って別の殺人鬼でマッチをプレイしてしまう事故も防げるようになる。

今回のアップデートでは、ほかにも殺人鬼のマッチ評価の判定基準の変更もおこなわれる。生存者を何人殺傷できたかのみで判定されるようになり、一部実績やトロフィーが取得しやすくなる。そして殺人鬼クラウン、スピリットと、生存者エース、フェン・ミンのオリジナルコーディネートに、イリデンスドシャード価格が追加される。ゲームバランスの調整だけに留まらず、マッチ内外問わず遊びやすくするためのアップデートが数多く実装されるようだ。

『Dead by Daylight』の6.5.0パブリックテストビルド(PTB)は、明日から開始予定。PC(Steam)版のプレイヤーのみアクセスすることができる。アップデートについての全文は、こちらからチェックすることができる。