『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リマスター』最新アプデ配信。少しずつ改善されるマルチプレイ

 

スクウェア・エニックスは9月30日、『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リマスター』の最新アップデートを配信した。PlayStation 4/Nintendo Switch/iOS/Androidすべてのプラットフォームに適用される。ただし体験版となるNintendo SwitchのLite版に関しては随時配信されるとのこと。

本作は、2003年ニンテンドーゲームキューブ向けソフトとして発売されたアクションRPG『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』のリマスター版だ。瘴気にむしばまれる世界の美しくも儚い退廃性や、素朴なキャラクターとテキストの魅力はそのままに、最大4人でのオンラインマルチプレイに対応。ハードの垣根を越えたクロスプラットフォームも実現している。現世代機向けの解像度にて美しく生まれ変わっており、追加ボイスや新要素「ものまね」システムなどにも期待が集まっていた。

しかし発売後、一部の要素については不満が寄せられている。そのひとつはテンポの悪さだ。本作では協力プレイでダンジョンをクリアした場合、パーティーのホストだけが「しずく」を手に入れることができ、参加したフレンド側のストーリーは進行できない。そのためフレンド同士でストーリーを進めたい場合は同じダンジョンを何周もする必要がある。ところがアップデート前は、ボス出現カットシーンやミルラの雫入手シーンをスキップすることができなかった。演出やローディング時間の長さがストレスとなり、なかなか周回しにくいプレイ環境が生じてしまっていたのだ。


くわえてストーリーに関わるバグも存在していた。本作でエンディングを見るために必要となるのがライナリー砂漠での謎解きだ。ダンジョンである手順を踏むことで特殊なホットスポットが発生し「?」属性を獲得することができるという仕掛け。ところがマルチプレイの際、すでに謎解きをしたホストとパーティーを組んでダンジョンをクリアすることで、まだライナリー砂漠に到達していない他のプレイヤーのデータでも「?」属性のホットスポットが出現済みになる現象が発生していたのだ。この場合にホットスポットを利用しても「?」属性になることはできない。実質的にラストダンジョンに到達することができなくなってしまうのだ。

今回のアップデートではこれらの諸問題に対応したようだ。シングル/マルチプレイ時のカットシーンスキップ機能の実装や、「?」属性フラグ関連のバグを修正した旨がパッチノートにて明かされている。ただし要望の多かったロード時間に関してはまだ改善されていないほか、前述のバグですでに「?」属性のホットスポットが出現済みになってしまったユーザーを元通りにすることはできなかったようだ。アップデート告知から時間を要したことについても謝罪。モバイル版を含めたすべてのプラットフォームにおける審査などが関係している可能性はありそうだ。


もっとも期待されていたマルチプレイに問題を抱えたままローンチを果たした『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リマスター』。今の時代においては時間をかけてゆっくり評価を上げる作品も珍しくはなく、少しずつ課題は解消されている。今後のアップデートについては詳細が決定次第告知すると発表されているので、『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リマスター』についても、アップデートを重ねてオリジナルと同様に愛される作品になることに期待したいところだ。