『Destiny 2』開発元Bungie、マイクロソフトとの買収協議の噂が報じられるも全力猛否定

 

現在『Destiny 2』を運営中のデベロッパーBungieについて、マイクロソフトが買収に向けた協議をおこなっていたとの噂が9月14日に駆け巡った。Bungieは、かつてマイクロソフト傘下にて『Halo』シリーズを手がけていたことがあり、実現すれば元の鞘に収まることとなるが、こうした報道についてBungie側は即座に否定している。

海外メディアVentureBeatのビデオポッドキャストに出演した同メディアの記者Jeff Grubb氏は、マイクロソフトとBungieが買収に向けた協議を複数回おこなっていたことがあると言及。ただ、買収金額が折り合わずいずれの交渉も不調に終わったとしている。同メディアは著名な業界誌であり、Grubb氏も業界の事情に詳しいことで知られているため、他メディアもこれを引用する形で報道することとなった。

海外メディアEurogamerもこれを報じており、その中で編集者Tom Phillips氏は、その買収交渉については独自の情報源から同じく耳にしていたとコメント。そもそもは、スタジオやスタッフ、そして何らかのプロジェクトのために新たな資金を調達したいと考えていたBungie側の思惑が強く働いた結果、そうした協議に至っていたとしている。このほか、マイクロソフトの内部情報に強いWindows CentralのJez Corden氏も、両社の買収協議については、また別の複数の情報源から長期間にわたって聞いていたとしている。

Bungieは、『Oni』や『Marathon』シリーズなどを手がけたのち、2000年にマイクロソフト傘下に入り、『Halo: Reach』まで同シリーズの開発を担当。そして2007年にふたたび独立し、『Destiny』シリーズを手がけ現在に至る。『Halo』の生みの親として再度マイクロソフトの傘下に入るとなれば、どのような役割を任されるのかなど大きな注目を集めることとなった。

しかし、こうした報道についてBungieのCEO Pete Parsons氏は、「This is false」と短い言葉にて否定。前出のTom Phillips氏は、報道のどの部分が間違い(false)なのか問いただしているが、Parsons氏はそれ以上のコメントはしておらず、Bungieの担当者もこのツイートを正式な回答として各メディアに伝えている状況だという。また、BungieのPR担当ディレクターVanessa Vanasin氏は、本件にまつわるすべての情報や憶測については真実ではないと全否定している。一方、マイクロソフトは現時点でコメントしていない。

当事者が否定している以上、噂は噂でしかなかったということのようだ。ただ前出のJeff Grubb氏は、ビジネスにおいては買収金額について協議した上で、それ以上発展しないことはあるとし、今回もそうした内容だったとコメント。すべてを否定するVanasin氏に対して、なぜそこまで過剰に抗議するのか困惑を示している。

仮に報道が事実だとしても、そうした水面下の買収協議については表には出したくないものだろう。もちろん、各メディアの記者らがそれぞれ独自に得た情報すべてが間違っていた可能性もある。ともあれ事実としては、Bungieは今後も独立したデベロッパーとして『Destiny 2』の運営を続けるということ。また、2025年までにはさらなる発展を遂げ、新たな作品を生み出すことを掲げている(IGN)。