PS4向けマリンアドベンチャーゲーム『ジュピター&マーズ』配信開始。海に沈む大都市をイルカとなって探検

 

ブルックリンを拠点とするスタジオTigertonは本日4月23日、マリンアドベンチャー『ジュピター&マーズ』をPS4向けに発売した。 価格は税込2800円。また、5月13日までに購入すると、ダイナミックテーマとアバター5つが付属する。『ジュピター&マーズ』では、汚染された地球を復興するため、プレイヤーはジュピターという名のイルカとなり、パートナーのマーズと呼ばれるイルカとともに、海を探検するといった内容となっている。なお、本作はPSVRにも対応しており、VRを用いることで、ゲームプレイの質をさらに向上させることが可能だ。

本作の舞台となる”海”は、一般的に想像されるものとは異なっている 。本作の指し示す”海”とは、温暖化により海面が上昇し、多くの大都市が沈んだあとの海である。プレイヤーは海に沈んだロンドン、ギリシャ、ニューヨークをイルカとなって探検する。 こうした舞台背景のとおり、本作は、温暖化を含む海洋汚染をテーマとした作品となっている。こういった問題を改善するために、まずは環境問題に関心をもってもらいたい。そうした思いから誕生した作品が『ジュピター&マーズ』である。

インディーゲームの祭典Bit Summitを立ち上げた本人であり、本作のクリエイティブディレクターを務めるジェームス・ミルキー氏は、プレイヤーがゲームを通して、環境保護への関心を持てるように、また貢献できるように海洋・沿岸保護支援団体Sea LegacyとThe Ocean Foundationとパートナーシップを組んだと述べる。またこれらの組織が提供する環境についての情報などをゲーム内の演出に含めることで、ゲーム内のキャラクターたちが直面する海の酸性化についての問題、温暖化による極限氷河の問題、サンゴ礁の白化についての問題などをより現実的に、事実に基づいた内容で『ジュピター&マーズ』のストーリーを通して伝えることができると本作にかける熱い想いを語っている。

環境に対する問題提起という深いテーマ性をもつ本作だが、グラフィック面についても一際光るものがある。舞台となる海には、過去に人類が営んでいた文明の片鱗が散らばっている。特に、公式トレイラーにも映し出されている「海に沈んだ自由の女神」はビジュアル面で強烈なインパクトを与えている。ほかにも、沈み傾いているビル群や、海底に埋まる道路標識、色とりどりに光るクラゲの群れ、圧倒的スケールで描かれるクジラなど、本来交わることはなかったはずの有機物と無機物の混在は、汚染された世界にも関わらず、どこか美しさを帯びている。

本作はニューヨークにおけるゲーム開発者向けイベントThe Bit Awardsにて、スタイル賞とAR・VR賞の二つにノミネートされた実績がある。また、テーマソングであるShooting Starsのボーカルを担当するのは、「Child of Eden」のテーマソングHeavenly Starなどで知られる声優・歌手の宮原永海氏を起用している。