キツネ、サイバーパンク世界を行く。ネオン街をキツネが彷徨うステルスアクション『The End』開発中


【UPDATE 2018/4/2 22:50】
本文の内容を修正し、あわせてタイトルを変更しました。

【原文 2018/4/2 19:28】
発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第523回目は『The End』を紹介する。

『The End』はサイバーパンク世界を舞台にしたステルスアクションゲームだ。主人公となるのはキツネ。囚われている仲間を助けたいという理由から、単身でネオンがギラつく街へやってきたが、街には危険なロボットが多くうろついている。本作はアジア神話から影響を受けて開発されている。本作には神からの言葉を伝える「イナリ」というキャラクターの登場が検討されていたこともあり、日本神話からの影響も感じられる。

本作はステルスアクションゲームとなっており、キツネはロボットから身を隠して街を進まなければならない。単に物陰に隠れるだけでなく、“死んだふり”が有効であるという。死んだふりをしている間、一部のロボットはキツネを見逃すようだ。そのほか、最高速にてロボットの膝に体当たりすることで、倒すこともできるとのこと。そのほか、口にアイテムをくわえて運んだり、眠ることで体力回復するという要素もあるようだ。

冒険する場所はネオン街だけでなく、地下やトンネル、マンションなどが用意されている。どの場所でもロボットは散策しているようで、キツネを見るなり近づいて捕らえようとしたり、キックしようとしたりしてくるという。時にはわざロボットを稼働させることで、障害物を突破するシーンもあるようだ。マップデザインを見る限り、リニア型の作品であるように見える。トレイラーでは、子ギツネをくわえて移動するシーンが確認可能。濃密なサイバーパンクの街を彷徨う、動物のかわいらしいアニメーションもまた堪能できる。

開発を手がけているのはフランスのパリにて活動する個人開発者Mata氏。音楽は外部に委託しているが、ほぼひとりで同作の開発に励んでいるという。2017年5月からUnreal Engine 4を使用しての開発を続けており、Kickstarterでの約5200ドルの資金調達を経て、現在鋭意制作中。本作は「AKIRA」や「Blade Runner」「ONI」シリーズから影響を受けているという。なぜ稲荷大明神がモチーフとなっているのかのはっきりした理由は不明であるが、日本文化を多く取り込んだ「ONI」シリーズの影響は少なからずありそうだ。

対応プラットフォームはPCで、発売時期は不明。Kickstarter向け出資者向けの出荷時期も、「2018年7月に現在のバージョンのゲームを届ける」としている。魅力的な作品であるが、発売はしばらく先になりそうだ。