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ゴジラのゲーム『ゴジラバトルライン』、リブートで怪獣たちが“再構築”。ビオランテやデストロイアが新進化、ラフ案いっぱい、開発者に訊いた
このたび弊誌では『ゴジラバトルライン』の開発に携わる2名にインタビューを実施した。

『ゴジラバトルライン』はTOHO Gamesが提供するiOS/Android向けのゴジラゲームだ。ゴジラシリーズをはじめとする東宝特撮の怪獣・兵器などが多数登場し、それらを集めて育て上げて、全世界のプレイヤーとの戦いに挑む。1試合3分間という短い時間で繰り広げられる怪獣ドリームマッチが本作の魅力。近年はゴジラシリーズのみならず、東宝作品以外のコラボも盛んで、話題は尽きない。累計ダウンロード数は450万を突破している。
このたび弊誌では『ゴジラバトルライン』の開発に携わる2名にインタビューを実施した。今年で5周年を迎える本作だが、周年に向けて“ある特別なプロジェクト”を用意しているという。そんな気になる新情報について触れつつ、お二人の“ゴジラ愛”についても深く語っていただいた。
話者紹介:
佐藤 僚祐氏
東宝株式会社 『ゴジラバトルライン』プロデューサー。
西川 伸司氏
1964年、京都府出身の漫画家兼キャラクターデザイナー。86年に漫画家を志して『ゴジラ伝説』を自費出版したことをきっかけとして、その後、『ゴジラVSビオランテ』(89年)のビオランテの最終形態である植獣形態のデザインを担当。これを発端として、11作品にも及ぶゴジラ映画や東宝特撮映画にスタッフとして参加し、デザインワークスや画コンテ等を幅広く手掛けて現在に至る。ちなみに、同人誌界隈でのペンネームは「MASH」である。
ゴジラの魅力はカッコよさと存在感

――改めて『ゴジラバトルライン』についてご紹介していただけますか。
佐藤氏:
『ゴジラバトルライン』は、 ゴジラシリーズの人気怪獣&兵器が勢揃いする、 3分間の怪獣オールスターバトルです。自分だけの最強怪獣チームを組んで、 戦況や地形を見ながら、 「バトルピース」と呼ばれる怪獣や兵器を出撃させていき、 敵のリーダ―の怪獣を倒したほうの勝利となります。
全世界のプレイヤーとリアルタイム対戦で遊ぶことが出来て、 操作は簡単……だけど、戦略はとっても奥深い!という、ゴジラファンはもちろん、 ゴジラ初心者の方でもついついハマってしまうゲーム、 それが『ゴジバト』です。
―― 「ゴジラ」といえば日本を代表するIPの1つです。1954年の1作目『ゴジラ』公開から、今年で72周年!ゴジラの名を冠する映画は30本以上に及び、レジェンダリーが製作するハリウッド版ゴジラもすでに4作品が公開され世界中で人気を集めています。最近ではTVアニメシリーズ『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』や『ちびゴジラの逆襲』といった映画に留まらない展開も話題となりましたし、特撮の手触りを再現した短編シリーズ、『フェス・ゴジラ』も毎年評判です。2023年公開の『ゴジラ-1.0』が国内外で数々の映画賞に輝くという快挙もありました。さらに今年の11月には最新作となる『ゴジラ-0.0』の公開も控えています。
そんな“総進撃”を続ける「ゴジラ」シリーズですが、改めて「ゴジラ」の魅力を教えていただけますか。
西川氏:
まず何よりもキャラクターとしての強大さや格好良さ、そして破壊や戦闘のスペクタクル、それらが日常を超えたスケール感で描かれる映像の迫力が一点。同時に、社会全体を巻き込む大きなテーマや、翻弄され奮闘する人間のドラマが描かれ、単なるバトル物に留まらない深さもあり、そういう感覚的にも物語的にも多角的に楽しめるところが、子どもから大人まで年齢や世代を超えて愛される魅力になっているのではと思います。

佐藤氏:
まず一つは、ゴジラの圧倒的な存在感。絶対的に勝てない、いわば天災のような存在だからこそ、それを前にした時に『人はどうするのか』というところに単なるアクション映画ではない、深さや面白さがあるのかなと。
もう一つは、造形。作品ごとにゴジラひとつとってもその姿が違うのが面白いなと。最近はCG技術によって、細部のカッコよさが極限まで突き詰められていて圧倒されますが、一方で昔のスーツ(着ぐるみ)時代もまた別の魅力があります。当時はスーツならではの制約もあった中での格好良さ・存在感を出すかという工夫があったことが、西川先生をはじめ当時現場にいらっしゃった方から聞くとよくわかります。
―― なるほど、やはり第一にゴジラや怪獣のスケール感・存在感だと。『ゴジラ バトルライン』には映画に登場するさまざまな怪獣や兵器が登場しますが、お二人にはお気に入りの怪獣や兵器はありますか?
西川氏:
やはり自分がデザインした怪獣には肩入れしてしまいますが、中でも鎧モスラがゴジバトではお気に入りの怪獣です。私は緻密な編成や作戦を考えるより、突っ込んでいくプレイスタイルなので(なので弱いですが)、突進攻撃で大ダメージを与えられる鎧モスラはいつもメンバーに入れてしまいます。
兵器は、逆に後方から支援してくれるスーパーXを重用することが多いですね。
佐藤氏:
僕のお気に入り怪獣はラドン(1993)、ラドン(2019)です。この2体の怪獣は他の怪獣(・ユニット)の移動速度をUPさせることができる、という独特な効果をもっているユニットです。そのため、単体として他の怪獣を薙ぎ払っていくような活躍は難しいですが、自軍の強力な怪獣達を一気に相手陣地に攻め込ませて勝利をもたらすことのできる怪獣になっています。
他の怪獣には無いこの独特な効果と、この効果を駆使して相手に一気にプレッシャーをかける一味違った戦い方ができるところが好きなので、お気に入り怪獣として上げさせていただきます。

―― キャラクター重視の西川さんと編成重視の佐藤さんで好対照ですね……!『ゴジラ バトルライン』は手軽に始められる分かりやすいルールですが、怪獣を出撃させる順番やタイミング、配置位置などで戦局が左右され、チェスのような奥深い戦略性があります。
よろしければ『ゴジバト』を始めたてのプレイヤーに向けて、どのように戦略を組み立てると良いか、育成にはどの怪獣がオススメか教えてください。
佐藤氏:
基本的には一番好きな怪獣をまず最初に育成してもらうのが良いかなと思います(笑) その上で、育成した怪獣を軸に、その怪獣と相性が良い怪獣はなんだろうと派生させていくと良いかと思います。例えば、4月末に実装したアンギラスはゴジラが味方にいると強くなる、という性能なのでゴジラをエースに相棒として組み込む、など。
戦略もその育成や編成に付随して考えるのがシンプルで良いと思います。エースとして育てたユニットが得意な場面と苦手な場面(一対一に強い、多数のユニットに囲まれると弱い、など)を考えた上で、得意な場面を作り出すにはどうしたら良いか、ココの的確な状況判断は練習あるのみかもしれません……(笑)
ゴジラ怪獣の“夢のリブート”【GODZILLA RE:BOOT MONSTERS by GODZILLA BATTLE LINE】

―― 今年で『ゴジラバトルライン』は5周年を迎えますが、大プロジェクトとして【GODZILLA RE:BOOT MONSTERS by GODZILLA BATTLE LINE】という企画があるとお聞きしました。どのような企画かご説明していただけますか?
佐藤氏:
70年以上にわたってお客様に愛されてきた怪獣達をクリエイターの手によって再構築する企画です。ゴジラシリーズを愛してきた皆さまが一度は想像したことがあるであろう「もしもこの怪獣にこんな要素があったら……」を叶えるような、まさに夢の企画になっています。
―― ゴジラシリーズに登場した怪獣たちを自由に“再構築”していくと。そのクリエイターとして抜擢されたのが西川さんというわけですね。では再構築に選ばれた怪獣はいったい何でしょうか?
西川氏:
一体目はビオランテです。ビオランテは私が最初に手がけたゴジラ怪獣ということで、やはり格別の思い入れがある怪獣です。一番の魅力は、他の怪獣とは全く違う独特の体型だと思いますし、ゲームのユニットとしても、そこは他との差別化として重要だと思うので、リブートにあたってもゴジラ体型に進化するという方向性は取らずに、ビオランテらしいフォルムの範疇で強化したイメージにしています。

二体目はデストロイアです。デストロイアもビオランテ同様、姿を変えて成長する怪獣ですが、こちらは逆に大きくフォルムを変えることを考えました。『平成・VSシリーズ』 最強格の怪獣ですし、最強×最強というシンプルな発想で、キングギドラ要素を取り込んで成長したという設定で考えました。完全体との差別化として、個人的に好きな飛翔体をベースにデザインしています。

佐藤氏:
はじめに本企画の概要をお伝えした後の最初のお打合せの際に、まだ特に具体的な話をさせていただいたわけではない段階ではあったのですが、その時に既に大量のラフ案を持参いただきまして……、その中にこの二体の怪獣も含まれていました。
デストロイアはその段階で一目見たときの格好良さにひかれて、「これを最初の二体の一体としてブラッシュアップしていこう」と決まりました。ビオランテについては、西川先生と言えば、という怪獣でしたし、やはり最初のラフ案の中にも含まれていましたので、こちらもブラッシュアップして世に出したい、と決まっていきました。

―― 『平成・VSシリーズ』を代表する、ファンからも人気の高い怪獣ですね! 納得です。両怪獣の魅力について語っていただけますか?
佐藤氏:
魅力についてはそれぞれのコンセプトと共に注目していただきたいです。
デストロイアは他の怪獣(キングギドラ)との掛け算、がコンセプトになっています。そのコンセプトは一目で分かる見た目になっていると思いますし、それを聞くだけで怪獣としての強さも容易に想像できるかと思います。ゲーム内でもそれぞれの怪獣の特徴を生かした攻撃を繰り出してくれます。

ビオランテについてはゴジラ・植物それぞれの要素の強化、がコンセプトになっています。全体をよく観察していただくと、所々にゴジラを思わせる様な部分が背ビレや口など、ところどころに表現されていることに気づくかと思います。
また、植物の要素として生賴先生のポスターにインスパイアされたような顔周りの薔薇や、植物のその先としての大地を思わせるような色味の脚も見えるかと思います。背ビレの紫については元の怪獣であるビオランテのスーツに紫色が所々にちりばめられていた事から西川先生の頭の中にビオランテへのイメージとして紫があったためのこだわりです。ビオランテもビオランテらしい、ゴジラらしい攻撃を見せてくれますので、ぜひ遊んでみてもらえればと。

先ほど育成についての質問がありましたが、今回のリブート怪獣2体は5周年の目玉となる新プロジェクトにふさわしい怪獣に仕上がったと思うので、初心者の方はまずはこの2体を育成していただければと思います。
―― 劇中の描写がそのままゲーム内のコンセプトに繋がっているんですね。ちなみに、ゲームに実装する前提で怪獣デザイン(見た目・攻撃含め)を再構築するのは今回が初の試みでしょうか?
佐藤氏:
そうですね、過去に一枚の絵として描かれたことがあったり、作品内で実際に動いていないような怪獣をゴジバトにて実装する、ということはありましたが、そういうものも無い状態からの、というのは今回が初めてになります。
―― 今後、この2体以外にもリブートする怪獣が控えていると期待していいんでしょうか?
佐藤氏:
もちろん、と言いたいところですが、まずはこの二体に懸かっているといっても良いかもしれません(笑) この二体がキチンとお客様に受け入れられていただき、人気な怪獣になる事が出来れば、その先が見えてくるかなと思います。
怪獣デザインへのこだわり
―― 西川伸司さんは「ゴジラ」シリーズに登場するさまざまな怪獣や兵器のデザインを担当されてきました。このたび本企画に関して西川さんへオファーされた経緯について教えてください。
佐藤氏:
今後も継続していきたい企画の第一弾ということもあり、自分たちとお客様が満足できる怪獣をつくるのが至上命令だと思っていました。そのためには、外見の格好良さだけでなく、70年続いてきたゴジラの本線(映画)へのリスペクトをしっかりと感じられるような怪獣の設定の納得感や面白さが必要でした。
西川先生であればそれを達成できると思ったし、実際、昨年の11月にも生賴範義先生のポスター版メカゴジラの実装の際にデザインや設定を詰めるうえでご助力いただいていて、お客様にも非常に好評だったという実績もありました。
その上で、実は西川先生は日々ゴジバトを遊んでいただいている、ゴジバトプレイヤーということもあり、非常にゴジバトへの理解度も高いです。見た目の格好良さ・設定の納得感に加えて、ゴジバトで見たときにキッチリと見栄えのする怪獣になっているか、というお客様目線も持っている方だったのでオファーさせていただきました。

―― 怪獣や兵器をデザインするにあたって、西川さんが意識しているところはありますか?
西川氏:
怪獣や兵器が登場する作品は他にもありますが、ゴジラシリーズの場合はリアリティを特に重視していて、そのために能力や設定を説得力を持って感じられるデザインに落とし込むことを意識しています。一方で、キャラクターとしてのケレン味や格好良さといった感覚的な面白さや、それまでにない斬新なアイデアを盛り込むことも大切に考えています。
―― 「ゴジラ」という巨大IPを扱うゲームを開発するのは、一般的なゲーム開発とはまた違う苦労もあったのではないかと思います。「ゴジバト」は特に怪獣の3Dモデルが凝っているように思うのですが、開発陣では開発する際にどういった会話をされているのでしょうか?
佐藤氏:
極論を言うと、映画・映像で見たあの怪獣をそのままゲーム内に持ってくる事が理想です。とはいえ、ゲーム内での実装の都合上、ある程度のデフォルメはかけざるを得ない部分はあるので、理想とする姿とゲーム内での限界との境界をどういう風に近づけていくのか、という話になります。顔や体といった分かりやすい・伝わりやすい部分以外も手先・足先の細かい部分やゲーム内での動きを含めて、細かくチェックし、原作再現が出来るようにしています。

―― 怪獣の魅力を引き出すために日々議論されているのですね。『ゴジラバトルライン』には非常に多くの怪獣が登場しますが、現在では合計で何体の怪獣や兵器が実装されているのでしょうか?
佐藤氏:
現在、162体になります。
『ゴジラバトルライン』がこれから目指していくもの
―― 『ゴジラバトルライン』といえば、ゴジラや怪獣のみならず兵器も豊富に実装されている点が特徴だと思います。あれだけ膨大な数のバトルピース(ユニット)がありながら、どれも個性豊かでそれぞれちゃんと役割があるのが魅力的に思いました。新しいバトルピースを実装するにあたって差別化やバランス面で気を付けている点はありますか?
佐藤氏:
まずは、どんなバトルピースが使われているかということは日々確認をしています。データとしてどんなバトルピースがどういうお客様に使われているのか、という数値の確認はもちろん、運営チームそれぞれがイチゴジバトプレイヤーとして毎日プレイしている中でどういうバトルピースが使いやすいのか、相手にいたら嫌なのか、編成に組み込みやすいのか、ということを考えながら、より多くの怪獣に活躍の機会を与えるために、今どういう調整やバトルピースが必要なのか、という議論をしています。
必要とされているバトルピースは必ずしもエースとして活躍するバトルピースではないこともありますから、ラドンのような特殊な効果も踏まえて差別化が出来るポイントを模索しています。
バランス面では、特にそのバトルピースの実装で単調な戦い方になってしまわないか、ということは気にしますし、また、運営チームの意図していない使われ方が無いか、という事は念入りにチェックしています。意図していない使われ方が面白い戦略に繋がれば結果としては良いのですが、万一にもバトルのつまらなさを助長するようなことが無いよう、広く検証・試案して確認しています。

―― 昨年は超ゴジラとバガンのまさかの実装も話題になりました。過去に反響の大きかったユニットはどのようなものがありますか?
佐藤氏:
最近だと昨年の「ゴジラ・フェス 2025」(11月)に発表・実装した漫画『ゴジラ ギャラクシーオデッセイ』のゴジラとヴォルガ、そして生賴先生のポスター版のメカゴジラはお客様の反応を目の前で見ていたこともあるのですが、反響が大きかったです。
三体とも実際に映像の中で動いたり、戦ったりという機会は無い怪獣だったので、そういう怪獣達の動きや戦いが見られることへの反応の良さというのが非常に印象的です。また、そういうゴジラにおける新しい何かをゴジラファンの皆様は常に渇望しているんだ、というのもその時に改めて強く実感したことはリブート怪獣の企画の根源にもなっています。
―― 今年は『ゴジラ-0.0』の公開や、来年には北米でハリウッド版最新作の公開も控えています。映画と連動した展開はありますか? また、『ゴジラ バトルライン』の2026年はどのような年にしていく予定でしょうか?
佐藤氏:
そうですね、もちろんその二作品に登場する怪獣をゴジバト内でいち早く実装していくことはゴジバトプレイヤーの皆さまも求めていることだと思いますし、我々運営チームとしてもチャレンジしていきたいことです。
また、6月にはゴジバトは5周年を迎えます。これからもお客様に長く楽しんでいただけるようなアップデートや新しいコンテンツ制作に注力していきます。その上で、「ゴジバト起点」でゴジラIPに影響を与えられるような企画を進めていきたいですし、その一つが、今回の【GODZILLA RE:BOOT MONSTERS by GODZILLA BATTLE LINE】になると思っています。
ゴジラファンに広く認知される怪獣の原点は普段、自分たちが遊んでいるゲームにある、とゴジバトプレイヤーの皆さんに誇っていただける、ゴジバトを遊んでいてよかったと思っていただけるよう、ゲームに留まらない展開も積極的に狙っていきたいですね。
――ありがとうございました。
『ゴジラバトルライン』はiOS/Android向けに、基本プレイ無料で配信中だ。
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