MMORPG『リネージュW』プレイレポート。AI技術が散りばめられたヘビー級なダークファンタジーの世界を体験

 

リネージュW』は韓国のオンラインゲームメーカーNCSOFTが開発運営を手がける、老舗MM0RPG『リネージュ』シリーズの最新作だ。 「最後のリネージュ」シリーズと銘打たれたシリーズの集大成ともいうべき作品である本作は、 今年の夏にリリースされることが正式に発表されてから多くの注目を浴び、事前登録数は1300万を突破。 11月4日には世界同時リリースを果たし、iOS/Androidへの対応に加え、 NCSOFTが提供しているクロスプラットフォーム「PURPLE」を介してPCからもプレイが可能だ。 
 

 
本作はフル3Dのクォータービューで描かれており、ダークファンタジーの世界観が臨場感をもって表現されている。 このたび筆者も本作をプレイし、リリース後まもない『リネージュW』の世界を体験してきた。本稿ではその様子の一端を紹介しよう。 実際にプレイするにあたり、筆者は前述の「PURPLE」を介してゲームを起動。PCでも特に問題なくプレイすることができた。また、PC版ではゲームを起動せずとも「PURPLE」のホーム画面より作成済みキャラクターのステータスを確認できるため、スマホでプレイするよりも便利に感じた。自身のプレイスタイルに合わせてPC/モバイルでのプレイを選択するといいだろう。 

本作の特徴はなんといっても「グローバルワンビルド」という点だ。つまり、ワールドワイドに同じバージョンのサービスが提供されているのである。一般的なMMORPGにおいては、本国で最新パッチが稼働する一方、他国でその数か月、数年遅れのパッチが提供されるというケースが少なくない。それに対して、『リネージュW』では全世界で一斉に同じバージョンが提供されるため、日本からでも最新の状態がプレイできるというわけだ。世界中のプレイヤーとともに、手探りで攻略していく感覚を楽しめるだろう。 

また、本作では異なる言語を扱うプレイヤーが同じサーバーに集まることを考慮し、テキストチャットにはAIによる翻訳機能が導入されているのだ。チャットの会話で他言語の発言が表示された際に、翻訳ボタンを押すことで日本語に翻訳して表示することができる。また、「チャット設定」で「自動翻訳」を入れることで、翻訳された会話が常時チャットに表示されるようになる。これにより、国外のプレイヤーとも円滑に会話することが可能なのだ。実際のオープンチャットでも多言語での攻略に関するチャットや雑談などが飛び交う様子が見られ、MMOならではの雰囲気を味わうことができた。 
 

 
実際にゲームを始める際にまず選択するのが、サーバーとクラスだ。サーバーには「PKが盛んなサーバー」や「日本人が多い(もしくは少ない)サーバー」などそれぞれに特色があるので、よく調べて選択するといいだろう。その後はキャラクターを作成する。キャラクター作成時に「君主」、「騎士」、「魔術師」、「エルフ」の4つのクラスから選択が可能である。また、ストーリーをある程度進めると、男女の性別を選択できるようにもなる。外見をカスタマイズするなどのキャラクタークリエイト要素はなく、クラスと性別の組み合わせで見た目が決定する。また、クラスごとに装備できる武器種も決まっている。筆者は「MMOといえば弓職」というイメージとキャラの見た目からエルフを選択した。 
 

 
キャラクター作成が終わるとチュートリアルが始まった。本作の特色は、「自動戦闘」が実装されている点だ。自動戦闘を有効化すると、キャラクターが敵を自動で探して攻撃してくれる。回復アイテムの使用やスキル使用など細かく設定できるため、操作せずとも戦闘をおこなうことができた。この自動戦闘機能はかなり優秀で、この機能を使い“放置狩り”をするプレイヤーも多くみられた。自動戦闘を起動したままキャラクターを放置しておくことで、サクサクと経験値稼ぎができるというわけだ。 

一方、手動戦闘では少し操作にラグがあり、若干操作性にはクセがある。この点は、アクションを楽しみたいプレイヤーにはやや物足りないかもしれない。ゲームプレイ中は、基本的に自動戦闘を有効にしたまま進めていくことになるだろう。手動戦闘にする機会は少ないため、新しいスキルを覚えたときのワクワク感も少ないかもしれない。むしろ、経験値を効率的に稼ぐことに快感を覚えるタイプのプレイヤーにとって、『リネージュW』の戦闘は非常に快適だといえるだろう。 

なお、本作の戦闘には「変身」というシステムも存在する。こちらは、モンスターに変身することができるユニークなシステムだ。変身すると自分の姿が変わり、ステータスが強化されるほか、新しいスキルが使用できるようになる。変身にはカードが必要で、特に強力なカードはガチャや余ったカードを使った合成から入手可能だ。 

また、レベル20になると取引所が利用可能になる(ただし、利用には「セキュリティ設定」が必要)。取引所ではすべてダイヤで取引が行われており、自動狩りでドロップしたレアアイテムなどをダイヤに換えることができるのだ。レアドロップを狙って狩りをするのが好きなプレイヤーには嬉しいシステムだ。 

ストーリーは序盤から多数の死者が出るなどかなりダークな雰囲気だ。進めていくうちに洗脳や拷問の描写があるなどかなり暗め。カットシーンはフルボイスでムービーもあり、内容としても見応えのあるものとなっている。加えてマップ移動時のロードも早く戦闘は自動戦闘でおこなえるので、かなりストーリーに集中できる作りとなっている。 
 

 

 

 
本作の特色はダークファンタジーなストーリーと、自動戦闘を主軸とした独特の操作感だ。その重厚さから、ライト層や万人に受ける作品とは言い難いかもしれない。しかし、フルボイスや美麗な3DCGで描かれるムービーは、ファンタジー愛好者なら心に突き刺さる演出だろう。また、自動戦闘も細かく設定が可能となっており、コアなMMORPGプレイヤーのかゆいところに手が届く仕様となっているのも嬉しいところ。加えて、村はプレイヤーであふれていて、取引所も頻繁に値動きして活発だ。ダークファンタジーなストーリーや人口が多いMMOが楽しみたいならプレイする価値はあるだろう。 

『リネージュW』は PC(PURPLE)/iOS/Android向けに配信中だ。