『ヘルダイバー2』Steam版、予定していたPSNアカウント連携必須化の実施を中止。批判殺到を受けSIEが声明発表

 

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)は5月6日、『HELLDIVERS 2』のPC(Steam)版向けに予定していたSteamとPlayStation Network(以下、PSN)アカウントの連携必須化について、導入のためのアップデート配信を中止すると発表した。

本作は、デベロッパーのArrowhead Game Studiosが開発しSIEが販売する最大4人協力プレイ対応のTPSだ。今年2月にPC(Steam)およびPS5向けに発売され大きな人気を得たが、Steam版においては、上述したアカウント連携を巡りユーザーから大きな批判にさらされることとなった。


『HELLDIVERS 2』のPC(Steam)版では、ユーザーのSteamアカウントとPSNアカウントの連携が必要であると案内されていたが、ローンチ当時に発生した技術的な問題により、これまで連携は任意とされてきた。そして5月3日になって、ゲームにおける安全性とセキュリティの維持を目的とし、アカウント連携の必須化が発表。新規プレイヤーは5月6日から、既存プレイヤーは6月4日から連携が義務付けられることとなった。

ただこの発表を受けて、Steam版ユーザーから不満が噴出。PSNアカウントとの連携について必ずしも十分に周知されていなかった背景もあり、発売から約3か月も経過して突然PSNアカウントの取得・連携が求められたことで批判の声が上がったのだ。また、Steamを利用できる国・地域すべてにおいて、PSNのサービスが提供されているわけではないことも懸念された。なおその後SIEは、当該国・地域での本作の販売を打ち切っている(関連記事)。

そうしたユーザーの不満は、Steamストアページでのレビューにも書き込まれ、これまでに20万件以上もの不評レビューが殺到。本作のユーザーレビューステータスは「賛否両論」に、直近30日間のステータスに至っては「圧倒的に不評」にまで低下することとなった。


今回SIEは、PSNアカウント連携についてのファンからのフィードバックに耳を傾けているとコメント。そして、新規プレイヤーおよび既存プレイヤーに対するPSNアカウント連携必須化を導入する、本日5月6日に予定していたアップデートの配信を中止すると表明した。また、ユーザーからのフィードバックは貴重であり、何がPCゲーマーにとってベストであるのかを引き続き学んでいるとも述べ、今後の計画については追って知らせるとした。

『HELLDIVERS 2』のPC(Steam)版におけるPSNアカウントとの連携は、ユーザーの猛烈な反発によってひとまず見送られた格好だ。ただSIEとしては、同社のPC向けゲームにPSNアカウント連携を導入していく方針であることには変わりない模様で、5月17日に発売予定の『Ghost of Tsushima DIRECTOR’S CUT』のPC版でも、オンラインマルチモードをプレイするには連携が必要だと案内されている。今回大きな騒動に発展した『HELLDIVERS 2』では、今後どのような対応が取られるのか注目されそうだ。