Happy Elementsが現在プロモーション担当を募集中だ。Happy Elementsといえば、『あんさんぶるスターズ!!』をはじめとしたモバイル向けのゲームアプリ開発・運営を行う会社である。モバイル向けアプリの開発会社には珍しく、設立以来京都を拠点に事業を展開している。
そんなHappy Elementsで今求められているのがプロモーション担当だ。それも、広告宣伝だけを行うのではなく、開発にも深く関わる役割として、募集をかけているらしい。一般的なマーケターとは一味違う、Happy Elementsが求めるプロモーション担当とは何なのか。今回は代表取締役CEOである新井 元基氏と人事担当役員の内藤 健次氏にインタビューを行った。
募集職種:
・マーケティングプランナー(プロモーション担当)
・ゲームデザイナー(プランナー)
・ゲームエンジニア
目次
■社長の仕事はクリエイターを支えること。Happy Elementsならではの“戦い方”とは
■激動の市場を生き抜くために。Happy Elementsが求める宣伝とは
■一緒にゲームを作り上げていく。クリエイターのような宣伝プロモーション担当とはなにか
──自己紹介をお願いします。
新井 元基(以下、新井)氏:
Happy Elements株式会社 社長の新井です。元々学生時代からプログラマーとして、WebのIT企業などでアルバイトをしていました。前の会社ではCTO(Chief Technology Officer)を務めていたのですが、退職を機に京都に帰ってきました。
その後前職で同僚だったエンジニア達と4人で会社を立ち上げ、受託開発でWebシステムやゲームの開発などをしていたのですが、その中で受けた案件のひとつが中国のHappy Elementsの仕事でした。
当時、中国のHappy ElementsはPCのソーシャルゲームプラットフォーム向けに事業を展開していたのですが、日本でも本格的に事業展開したいと考えていました。しかし、日本ではPCではなくモバイルがソーシャルゲームの主戦場になりそうな雰囲気があったので、我々の方から提案してガラケー向けにゲームを作り替えてリリースしました。それが小規模ながら成功したことで、じゃあ一緒にやりましょうとなって、会社ごと吸収合併され、今に至ります。
──新井さんは前職まではプログラマーとして活躍されていたとのことですが、どのあたりまで開発に参加されていたのでしょうか。
新井氏:
この最初のタイトルだけは開発に関わりましたが、それ以降は一切関わっていません。Happy Elementsになってからは、経営と、プロモーション、イベント・グッズなどのゲーム以外の展開を一手に引き受けてやっていました。
──新井さんご自身は、開発よりも経営がお好きなのでしょうか。
新井氏:
好きかどうかよりも、私がこの会社でやりたいのはクリエイターにとって理想的なゲーム会社を作ることなんです。前身となった自身で立ち上げた会社でも、ものづくりに集中できるエンジニアにとって理想的な会社が作りたいと思って起業しました。ベースの考えはHappy Elementsになっても同じです。
クリエイターには良いゲームを作ることに集中してほしいと考えています。一方で、私たちが作っているもの、たとえば『あんさんぶるスターズ!!』は、ゲームだけではなく、世界観とかキャラクターを含めたコンテンツとして作っているので、もっと世界を広げ、ファンの方々にゲーム以外でも様々な形で楽しんでいただきたいわけです。そのために、楽曲を作ってCDを出したいとか、ライブをやりたいとか、グッズを出したいとか、クリエイターからどんどんアイデアが出てくるので、そういうものを私の方で何とか形にしていきました。
Happy Elementsの代表作となった『あんさんぶるスターズ!!』
──クリエイターのためにサポートに回られたわけですね。なぜそういった考えになられたのでしょうか?
新井氏:
エンジニアとして仕事をしていた時に、思うようにものづくりができないようなことを経験しました。売上至上主義でビジネスサイドの声が大きかったり、マネージャーが的外れな判断をしたりして、純粋に良いものを突き詰めることが難しくて、それならもう自分で理想的な会社を作ろうと思ったのが原点です。
上からよくわからない指示が降ってくるとか、わかってないのにいい加減な口出しをするとか、そういうものをなくしたいんです。たとえおかしいと思っても、上から言われると最後にはそれをどうにかやろうとするじゃないですか。だから私は、ゲーム開発に関しては口出ししません。なんなら「ゲームのことはわかりません」と社内で宣言しているくらいです(笑)
──社長でプログラマー出身なのに、ゲームには口出ししないと。面白いですね。そういったクリエイター重視の姿勢が、この10年、市場が激しく変化する中でも、Happy Elementsが継続できた秘訣でもあるのでしょうか。
新井氏:
結果としてヒットタイトルが出て、たくさんの人に楽しんでもらえているのはうれしいことです。私としてはとにかくクリエイターにとって良い環境を追求して、今後もヒットタイトルを出していけたらと考えています。業界も環境もどんどん変わっていく中で、継続的にヒットを出すのはとても難しいことなので、それができていれば良いゲーム会社と言えるんじゃないかなと思っています。そして長く挑戦を続けるためにはお金が必要なので、そのために経営地盤は盤石なものにしていきたいとは考えていますが、会社を大きくしたいとか、利益を追求したいとか、そういうことには興味が無いです。
Happy Elementsも、たくさんの人に楽しんでもらえるコンテンツをしっかり出せているからこそ10年以上続いていると思うんですけど、それは結局クリエイターがユーザーに喜んでもらうことを一番に考えてゲームを作れているからだと思います。それが成功の秘訣なんじゃないですかね。
──新井さんはとにかくクリエイターをリスペクトされているんですね。
新井氏:
『あんさんぶるスターズ!!』を作った人たちなんて、もう神のように思っています(笑)私はゲーム作りには1ミリも関与していないので、こんなすごいコンテンツを生み出せるなんて尊敬しかないです。
社長の仕事はクリエイターを支えること。Happy Elementsならではの“戦い方”とは
──新井さんは開発にはあまり関与しないとおっしゃっていますが、どのように現場をサポートされているのでしょうか?
新井氏:
まずは体制を作るところです。たとえば、人を採用したり、評価したり。ほかにはオフィスの環境を整えたり、困ったことがあったらサポートしたり、クリエイター間でどうしても意見がまとまらなくなった場合に、間に入ったり。ゲームが完成したらどうやってプロモーションするかも考えます。
今は会社も大きくなって、それぞれ担当してくれる専門家がいてくれるので、私の出番は随分減ったんですけど、最初の頃はゲーム制作以外はほぼ全部私がやっていました。
──……ええ!たとえば売上の計上とか、経理とかもされていたんですか。
新井氏:
そうです。
──逆にゲーム開発に関わる気にはならなかったのでしょうか?
新井氏:
もちろん気にはなっているんですが、邪魔することだけはしたくないので……。客観的に見て論理的な整合性が無さそうなところをさりげなく意見してみたりするようなこともあるにはあるのですが、決めるのはあくまでも現場というのを徹底しています。貴重なご意見ありがとうございます!今後の参考にします!と流されるくらいの方がむしろ安心します。
基本的に現場の人たちがやりたいことをヒアリングして、とにかくそれを実現できるようにサポートしています。ただ、悩みもあって。どんどん業界が成熟していて、競合タイトルのスケールが大きくなっていく中で、現場に任せっきりで「好きにやっていいよ」スタイルでは、作りたいものがどんどん大きくなってしまって収集がつかなくなりがちでした。元々少数精鋭でマネージメントコストが低い状態でゲームづくりをしてきた会社なので、急に大きなものを作ろうとしてもマネージメントしきれない状況が頻発してしまっていたので、会社としてこのプロジェクトではどういう規模感でチャレンジするかをあらかじめ決めて、その中でやってもらうように最近は変えています。
──開発規模の拡大によって、ただ好きなように作ってもらうだけだと、厳しいフェーズにきたと。
新井氏:
当社では、クリエイターひとりひとりの個性をできる限り活かしてゲーム作りをすることを戦略としてきました。そのために少数精鋭でやってきたんですけど、プロジェクトの規模が急に大きくなることで、マネージメントもうまくいかないし、個性も活かせないというケースを目の当たりにして、やはりちゃんと自分たちが得意なやり方でやらないといけないなと。
──これまでの新井さんの現場のクリエイティビティに全投げするスタイルは、現場が優秀なことが大前提だと思うのですが、不安はなかったのでしょうか。
新井氏:
幸いそこを疑ったことはありません。採用が会社にとって一番大事なことだと考えていて、一次面接から自分が出て採用するかどうかを決めているので。
──社長なのに一次面接から出るんですか。
新井氏:
はい。一緒に働きたいと思える人を採用するようにしてきたので、人を疑うことはあまりないです。働いている人たちの力が会社の実力なので、とにかく皆さんを信じてやりたいことを存分にやってもらう感じでやっていました。
──なるほど。人事担当役員としても、Happy Elementsの基盤は人だと感じるところがありますか?
内藤氏:
僕はずっと人事の仕事をやってきたんですけど、Happy Elementsに入社してからの4年半、新井には本当にいい採用をしていると伝えています。新井がずっと言っていることですが、京都で人を採用するとなったときに、平均的な能力の人に来てもらうよりは、むしろ尖った人材、大きなデコがあるけど大きなボコもある人を受け入れて活躍してもらうことを心がけていて、それが生き残れているところにも繋がっていると思います。
新井氏:
京都は地方なので、同業他社が周りにあまりなくて、経験者の転職者もあまりいない中で組織を作るのは難易度が高いです。東京の会社と同じような組織の作り方はできないですよね。
内藤氏:
理想を語れる人はいくらでもいますが、新井の場合もともとエンジニアなのもあるのか、現実もちゃんと見ているんです。そこはすごいと思います。理想は掲げるけど、とはいうものの自分たちが抱えられる人材のレベル感の限界はあるので、その中で一番いい採用のやり方とか、活躍のしてもらい方を探すんです。綺麗事を言い続ける素晴らしさと、とはいうものの現実も見える柔軟さ。すごく経営のバランスというか、センスがいいなと思っています。
それと、手前味噌になってしまうかもしれませんが、新井は言っていることとやっていることにずれが少ない人なんです。僕も5、6人の社長についてきたんですが、ここまで言行が一致している人は珍しいと思います。それは『あんさんぶるスターズ!』や『メルクストーリア – 癒術士と鐘の音色 -』がヒットする前からまったく変わっていなくて、みんなのデコを活かして、自分は余計な口出しはしない。カバーできるところは新井やほかの大人がカバーする。そうやって若いクリエイターにものを作ってきてもらったから、その時代その時代でちゃんと一定のヒットが出せたのだと思います。
──最初から変わらずにクリエイターを支え続けていらっしゃると。10年も続けていると、飽きたり、面倒くさくなることもありそうなものですが、新井さんが花形ではない難しい役割を率先して引き受けるモチベーションはなんですか。
新井氏:
理想的なゲーム会社を作ることがやりたいことなので、それに向けて必要だと思うことをやっているだけです。
ただおっしゃる通り、同じことの繰り返しだとさすがに飽きると思います。ところが幸い会社のステージが変わっていく中で、いろんな挑戦をして飽きずにやってこれたと思います。一から採用したり制度を作ったり組織を作ったり、自分を含めゲーム作りの経験が無い人たちが集まってああでも無いこうでも無いと手探りでゲーム作りをしたり、早いタイミングでガラケーからスマホに主戦場をシフトしたり、『メルスト』がヒットしてさらなるユーザー獲得のためにTVCMなどプロモーションに大きな投資をしたり、『あんスタ!』が大ヒットしてからはさまざまなメディアミックス展開にも手を出しました。アイドルなので音楽を出したり、ライブをやったり、他社の商品の宣伝に起用していただいたり、アイドル事務所のようなことにも挑戦できました。
──確かにいろいろな方向で挑戦されていますね。『あんスタ!!』は3D版となる「Music」もでました。
新井氏:
本当いうと、当社では2Dと心中しようと考えていたんです。基本的には2Dイラストを強みにしてやっていこうと考えていて、デザイナーだけで130名以上を社員として抱えています。京都でやっているのも、京都には芸大がたくさんあって、イラストレーターが採用しやすいことが理由のひとつにあります。
ただ、『あんスタ!』がヒットして状況が変わりました。やっぱりアイドルなんで歌って踊る姿を見せないといけない、当然そこは期待されていると考えていました。それを実現するためには、3Dのダンス表現はもう避けて通れません。『あんスタ!』がヒットしたときに、いよいよこれはもうやるしかないとなって意を決して開発をスタートし、外部の会社の多大なる協力を得て『あんさんぶるスターズ!!Music』を開発しました。
ただ、これは『あんスタ!』というコンテンツありきの取り組みであって、今後も引き続き2Dを強みとしていきたいとは考えています。
──僕もHappy Elementsさんは2Dの会社のイメージが強かったので、いきなり3Dの『あんさんぶるスターズ!!Music』が出てきたときには、驚きました。3Dモデルやアニメーションの出来もよかったのもあり。
新井氏:
私は最初3D化には猛反対していました(笑)会社として何の経験も無いのに競争力のある3Dゲームが作れるはずもなく、あまりにも無謀な挑戦だと思いました。ただ、いろいろ模索する中で強力なパートナーとなって頂けそうな会社さんとの出会いがあり、こういう体制が組めるのならもしかしたら可能性があるのかもと思い、プロジェクトを本格的にスタートする決断をしました。そして、とにかく今出ているスマホのリズムゲームの中で一番いいもの作るぞ!と、アクセル全開で取り組んでくれました。
──ちゃんと事前研究されているのはすごく感じました。てっきり3Dについては社長が発破をかけていたのかと思ったら、社長はむしろ反対していたんですね。
新井氏:
でも私の判断でストップしなくて本当に良かったです(笑)
激動の市場を生き抜くために。Happy Elementsが求める宣伝とは
──新井さんは開発には関わらないという話ですが、市場感を見ながら製品開発のアプローチ方法を提案するようなこともされないのでしょうか。
新井氏:
基本的に社内のクリエイターたちから上がってくる企画の中から、次に作るものを決めています。ただ、ここ数年は複数のプロジェクトが開発途中で頓挫してしまっているので、強い危機意識を持っています。今は幸いヒットタイトルがあるので会社としては生き残ることができていますが、厳しい市場環境の中で沢山の会社が淘汰されている状況です。
クリエイターにとって理想的なゲーム会社は、クリエイターが良いと思えるゲームをしっかり作り切れる会社だと考えているので、その感覚はこれからも守っていきたいです。ですが、ゲームに使える時間が限られている中で、既に世の中にはヒットタイトルがいっぱいあって、海外からもとんでもないスケールのタイトルがでてくる中で、我々が作ったゲームに興味を持って、遊んでみてもらうのはとてつもなく難易度が高いと考えています。そんな中でどうすれば興味を持ってもらえるかを、ゲーム開発の序盤からしっかり考えて作ろうというのが最近のテーマです。作ってからどうやってプロモーションしようではもう遅いと考えています。それが今回、プロモーション担当の採用をかけたことに繋がっています。
──むしろHappy Elementsさんくらいの規模の会社で、完成してから売り方を考えるスタイルだったのが驚きました。
新井氏:
会社として何かヒットするノウハウみたいなものが持てているわけでもないし、社長も「どんどんやれ」としか言わないし(笑)
──だからこそ宣伝の重要性が高いわけですね。自分の中のイメージではHappy Elementsさんは、いろいろと仕掛けがある宣伝をされているイメージだったのですが、これまで部署としてプロモーション部門はなかったとの噂を聞きしました。本当ですか?
新井氏:
現在は専任の担当がいますが、『あんスタ!』が出たぐらいの頃でもまだ専任の人はいなかったです。私ともう一人、ゲームプランナーと兼任の人の2人でやっていました。
──なるほど。ではこれまで宣伝はどういうフローでやられていたのでしょうか。
新井氏:
『メルスト』とか『あんスタ!』をリリースした頃は、まだ今ほど競争環境が厳しい状況ではなかったので、とにかくタイトルを認知してもらうことに重点を置いてやっていました。競合のタイトルがどういうプロモーションをしているか調査して、取り組みの良いとこ取りをしつつひたすら露出量で勝つことを考えていました。
──『あんスタ!』はカフェやイルミネーションなどいろんなプロモーションパターンを試していましたよね。
新井氏:
それらはプロモーションとは別軸で、ファンサービスとしてやっていました。『あんスタ!』に関しては、ゲームで得た収益を原資にして、ユーザに喜んでもらうため、コンテンツをより楽しんでもらうために、効果や費用対効果は時に度外視してゲーム外でいろんなことをやりました。途中まで『あんスタ!』とは言わずに公園に大きなイルミネーションのオブジェを設置したり、ゲームの世界を体感できるカフェを作ったら面白いんじゃないかということでカフェをオープンしてみたりと。
一緒にゲームを作り上げていく。クリエイターのようなプロモーション担当とはなにか
──今回募集しているのはどのような方でしょうか。
新井氏:
今必要としているのは、新規プロジェクトに序盤から入ってもらえるようなプロモーション担当です。現場の人たちが思うようにゲーム作りをすることを応援しつつも、作ろうとしているものにちゃんとニーズがあるのか、ターゲットユーザーに刺さるものになっているのかを調査したり、ウリがあって数多ある競合タイトルの中で効果的にプロモーションできるようなものになっていることを確認したりして、クリエイターが自信を持って開発を進められるような状況にしていきたいと考えています。
──開発の方向性をフィードバックするのもひとつの役割になるのでしょうか。
新井氏:
そうです。あくまでもクリエイターが作りたいもの作り、しっかりニーズがあるもの、ターゲットに刺さるものを作れるようにサポートする役割を期待しています。
──ある意味では今回募集されるプロモーション担当もクリエイターと言えるわけですね。開発ではないポジションでフィードバックしていくとなると難しいポジションではあると思うのですが、開発的にはそういう人を受け入れてくれるのでしょうか。
新井氏:
現場としても、相当厳しい環境になっていて、しっかり市場を見据えてどうやってプロモーションするかまで考えてゲームを作らないとうまくいかないという危機感は持っていると思います。ただ、そんなにすんなりうまくはいかないかもしれません(苦笑)
内藤氏:
うちの会社のクリエイターさんと一緒に仕事していくうえでは、「理」と「情」のどちらも持っていないと難しいと思っています。「情」の部分で、彼らが表現したいことを受け止めることがすごく大事です。クリエイターさんは心の底から面白いと思うものを作っているんですけど、自信を持ちきれないところもあるので、そこを「理」で、数字とかデータで背中を支えてあげるというか、その方向で頑張っていいよと言ってあげるような動き方をしてくれるとすごくいいなと思います。
うちのクリエイターは尖っている方が多いです。それが当社の強みでもあると考えていて、基本的に僕らは尖った部分を折らないで、肯定しています。当社が面白い会社として残れているのは、そういうクリエイターのとがったところが残っているからだと思います。
マーケティングとかプロモーションをやる人も、同じようにクリエイターであってほしいと思っています。やはり現場のクリエイターとしても、専門家なんだから面白いプロモーションを考えてくれるんだよね、って考えはあると思うんです。そこの部分で自分の面白みを出していかないといけない。大上段から数値で押さえつけるようなスタンスでは、まずうまくいかないと思ってください。
──プロモーション担当に新規プロジェクトの序盤から入ってもらうということなのですが、実際にはどの段階から参加するのですか。
新井氏:
最初の企画段階からです。これまでは私は現場のクリエイターがやりたいことを信じて応援するだけだったんですが、現在は企画段階やプロトタイプ、α版、β版、RC版のそれぞれのフェーズで、プロジェクトが順調に進んでいるか、狙い通り売れそうなものになっているかを会社としてチェックするようにしています。問題があれば軌道修正したり、時には傷口が広がりすぎる前に止めることも必要だと考えています。特に、この売れそうなものになっているかという観点に対して、プロモーション担当がクリエイターをサポートしたり、会社にちゃんと売れるものになっているという根拠を説明したりする役割を期待しています。
──最初から参加となると、プロモーション担当でも制作に関与したと胸を張って言えますね。魅力ある仕事だと思います。待遇や福利厚生の面についてもお伺いしたいのですが、Happy Elementsさんに入社することでどのようなメリットがありますでしょうか。
内藤氏:
当社は日常的なリモートワークには対応していないので、京都にあるオフィスに出社して働いていただくことになりますが、京都に引っ越して頂く際の支援金制度を用意しています。ただ、毎週金曜日は「クリエイターズフライデー」として、クリエイターが一日集中して作業に取り組めるようにしています。この日はオフィスではなくリモートで作業していただくことも可能です。
給与に関しては、業界他社と比較しても遜色ない水準だと自負しています。年に1回の昇給に加えて、業績に応じたインセンティブボーナスを年1回支給しています。結果に対してボーナスでしっかり報いることを会社として重要視しています。
──今回一番募集したいのはプロモーション担当とのことでしたが、それ以外で募集している職種もありましたらお聞かせください。
新井氏:
まずはゲームデザイン、いわゆるプランナーです。特に関西だと、ゲーム開発経験があるプランナーの方はあまりいないですし、コンシューマー志望の方も多かったりするので、採用にとても苦労しています。
あと、エンジニアも募集しています。私も元々エンジニアですし、会社のマネージメント層にエンジニア出身の方が多いので、エンジニアにとっても働きやすい環境になっているかと思います。エンジニアもやはり関西だとゲーム開発経験がある方があまりいなくて、採用に苦労しています。
──募集しているのは、新規タイトルがメインになりますか?
新井氏:
まずは既存タイトルの運営チームに入って当社のやり方を身につけてもらい、社内のクリエイターとの信頼関係を構築してもらいつつ、いずれは新規タイトルを担当してもらうことになると思います。
──プロモーション担当を中心としつつ、プランナーとエンジニアも募っていると。ありがとうございました。
募集職種:
・マーケティングプランナー(プロモーション担当)
・ゲームデザイナー(プランナー)
・ゲームエンジニア
[執筆・編集:Junichi Matsui]
[聞き手・写真・編集:Ayuo Kawase]