日本最大級のインディーゲームの祭典「BitSummit PUNCH」が5月22日~24日に、京都市勧業館「みやこめっせ」にて開催された。本稿では会場にプレイアブル出展されていた作品の中から、「Graph」のブースに出展されていたデベロッパーのUnison Gamesが手がける『Descent Of Lunaris』のプレイレポートをお届けする。対応プラットフォームはPC(Steam)。

『Descent Of Lunaris』は、『ウィザードリィ』や『真・女神転生』シリーズに影響を受けたというダンジョン探索RPGだ。舞台となるのは西暦2070年の月面基地。月内部からの謎の信号によって機械が暴走し、基地住民の大半が死亡してしまう。プレイヤーは世界中から集められた部隊を率いて月の異変を調査することとなる。ゲームプレイは、グリッド移動型のダンジョン探索やターン制戦闘により進行。ダンジョン内で低下していく正気度を管理しつつ、何度もダンジョンに挑んでキャラクターを強化し、月の深淵に潜む謎と対峙するのだ。

なお、本作は現在Steamにて配信中の体験版は日本語に対応していないものの、製品版では日本語に対応予定。現地での試遊版も日本語に対応しており言語的な支障なくプレイできた。

クラシックダンジョンと融合した近未来SF

本作では9つのクラス(キャラクター)から4人を選んで進むことになるが、試遊版では用意された複数のチームから選択する方式となっていた。クラスはアタッカー、ヒーラー、タンク、サポーターなど特徴が異なっており、チームリーダーとして設定すると特殊能力が付与される仕組みもある。たとえば、ヒーラーであるメディックがチームリーダーになると、戦闘後にHPが少し回復するのだ。筆者はチームリーダーとしてメディック、アタッカーとしてブレードマスター・ファイター・ガンスリンガーのバランスチームで挑むこととした。

ちょっとしたストーリー説明のあとに、すぐに月面基地への探索に向かうことに。月面基地に取り残された行方不明の職員を探すことがミッションのようだ。ダンジョン内はグリッド(マス目)で構成されており、スティックや十字キーの上下入力で前後に動き、左右入力すると向きだけが変化する。また、歩いた周囲のみが自動的にミニマップにマッピングされていく。いわゆるダンジョンRPGと呼ばれるクラシックな形式で探索していくわけだ。

プレイしてすぐに感じるのは、ダンジョンが月面基地であることによる異質さだ。現代的な3Dグラフィックで描かれる月面基地の内部はほぼ無人で荒れ果てており、その中をクラシックな操作で1マスずつ探索していく。周囲を確認するのもひと手間かかる。これによって、SFホラーを思わせるようなじわじわとした恐怖を否応なしに感じてしまうのだ。また、探索中には敵シンボルがポップアップし、プレイヤーの動きに合わせてシンボルも付いてくる。シンボルに接触すると戦闘に突入するのだが、まっすぐ歩いていると急に横から現れることもあり、驚くことも多かった。

戦闘は不気味な敵グラフィックを正面に据えたターン制コマンドバトルだ。画面上部に味方と敵を含めた行動順が表示されており、各キャラクターにコマンドで指示していく。通常攻撃のほか、APを消費するスキルによってデバフを与えたり範囲攻撃したりすることが可能だ。ただし、それぞれのスキルにはクールダウンが設定されているため、毎ターン連発することはできない。また、これらの攻撃で対象を選ぶ際には命中率も表示され、前衛と後衛の概念もある。戦闘後にHPとAPが回復しないこともあり、高度なリソース管理や、チームメンバーの行動順やスキルを踏まえた戦略性の高いバトルシステムとなっている。

さらにダンジョンの要所では、動かない赤いシンボルの敵が待ち受けており、接触するとタクティカルバトルへと移行する。タクティカルバトルはSRPG形式となっており、つまり本作にはなんと2つのバトルモードが存在するのだ。行動順の要素は同じであるものの、ターンごとにキャラクターをマス目上に動かして、行動を指示していく。遠距離アタッカーは離れた場所から通常攻撃できたり、スキルによっては十字の範囲内をまとめて攻撃するなど、通常の戦闘とは異なる戦略が求められる。簡単に勝てる雑魚戦で移動指示まで必要となると冗長に感じられるが、重要なバトルのみシミュレーションバトルとなることで、戦略の面白さだけをぎゅっと体験できるわけだ。

そんなバトルをこなしながらダンジョンを探索していく。ダンジョン内には装備品やアイテムの入った宝箱のほか、取り残された職員と出会えばイベントも発生する。ロックのかかった扉もあり、開けるためにはキーを見つけなければならない。残念ながら探索しつくす前に試遊時間は終わってしまったが、月面基地の内部は広大で、探索しがいがありそうだ。

ビルドの幅を取った成長システムと正気度によって変化するダンジョン

ダンジョンRPGである本作には、成長要素もしっかりと用意されている。装備品による強化のほか、レベルアップすることで、ステータスポイントとスキルポイントを獲得。クラスごとに初期ステータスは異なっているものの、ステータスポイントの割り振りによってプレイヤーごとの方針を反映したキャラクターへと成長していく。また、スキルポイントによって新たなスキルを習得できるほか、スキルそれぞれのレベルも上げることが可能。クールダウンを考慮してバランスよく強化するのか、スキルを絞って特化させるのか悩むことになりそうだ。

さらに、本作で特徴となるのが「Stability」(安定性)システムだ。いわゆる“正気度”のようなシステムとなっており、ダンジョン探索を続けるほどパーティは不安定になっていく。そして不安定性が増していくと敵が増え、より強くなっていくのだ。とはいえ、不安定な状態ではレアな敵も出現し、レアな装備も入手しやすくなる。また、不安定な状態でのみ発生するイベントもあるという。単なる難易度上昇ではなく、ダンジョンが異質なものへと変化していく演出としても機能している。

試遊では本作のすべての要素を体験することはできなかったが、近未来が舞台であることや2種類のバトルシステムなど、 クラシックなダンジョンRPGをベースにしつつ「ひねり」がしっかりと効いた内容となっていた。それでいて、ダンジョンRPGやSFホラーの旨味となる閉塞感や恐怖感はしっかりと演出されていると感じた。月面で語られるストーリーも展開が気になる構成となっている。UI周りの視認性や操作性はもう少し改善の余地がありそうだが、発売までにプレイテストも予定されている。一足早くプレイしてフィードバックを送ってみてはいかがだろうか。

『Descent Of Lunaris』は、PC(Steam)向けに2026年内に配信予定で、現在プレイテスト参加者も募集中だ。また、製品版では日本語に対応予定(配信中の体験版は非対応となっている)。

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