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スペースファンタジーRPG『崩壊:スターレイル』(以下、『スタレ』)にて、『Fate/stay night [Unlimited Blade Works] 』(以下、『UBW』)コラボ第2期が7月24日より開催される。コラボでは、オリジナルの開拓クエスト・幕間  「幻造:聖杯戦争」の配信に加え、新キャラクター「遠坂凛(知恵・量子)」と「ギルガメッシュ(壊滅・雷)」が実装される。

ところで筆者は「Fate」シリーズが好きで何作品か視聴・プレイしている。だが『スタレ』のプレイ経験はこれまでない。「Fate」ファンの中でも昨年開催されたコラボの評判が良く気になっていたところ、先行体験させてもらえることとなった。

本コラボは、コラボ開催告知の時に多くの『UBW』以外の「Fate」要素が散見され、その意外性が話題になっていた。そこで、この記事ではまず、実装キャラクター2人の技に注目し、このコラボにおけるキャラクターの設定の意図を考察する。2人ともキャラクター原案は武内崇先生が務めているとのことで、ビジュアルにも注目していく。また、ストーリーは本稿では言及せず、後日紹介する。こちらは奈須きのこ先生の監修を経ているとのことだ。このキャラクター設定を踏まえて、どのような展開が待っているのか、ストーリーも見逃せない。

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「Fateにおける凛」の可能性の結晶――コラボ限定★5キャラクター「遠坂凛」

『UBW』コラボ告知を見てまず、凛が実装されることに驚いた。というのも、凛はとても優秀な魔術師であるとはいえ、サーヴァントではなく人間だからだ。そもそもサーヴァントほどは戦えないはず。『スタレ』公式Xの紹介文によると、「現在は、ある聖杯戦争と深い因縁を持つ「時計塔」の名師のもとで学んでおり、実技課題をこなすためにさまざまな次元や異なる世界を渡り歩いている……」とのこと。つまりこの凛は魔術協会の総本山である時計塔で魔術を学んでいるUBW』後の、未来の凛のようだ。では、この凛の強さや性能はどういったものなのだろうか?

気になる必殺技から見ていこう。なんと、必殺技は「山脈震撼す明星の薪(アンガルタ・キガルシュ)」だ。これは、本来は凛の技ではない。シリーズ中もっとも多彩なキャラが登場する『Fate/Grand Order』(以下、『FGO』)で登場する、凛を依り代にして召喚された女神・イシュタルの宝具である。『FGO』では神は強大すぎる存在であるため、限られた条件下かつ依り代を介するなどでしか召喚できない。神は「Fate」的にはチートなのである。そしてあくまで『FGO』では見た目が凛で、凛の影響で性格が少し丸くなっただけだ。言動やサーヴァントとしての在り方はイシュタルのままであった。ちなみに『Fate/strange Fake』では、凛でない人物が依り代になり、よりイシュタル本人に近い状態でも登場する。

だが今回は、凛が主体にもかかわらずこの宝具を使いこなしている。つい「それアリなんだ!?」と思わずにはいられない。『スタレ』の世界で、どういった経緯でこうなったのか。とても気になる。イシュタルの力が使える凛であれば、もう強さの心配はいらない。

一方、「Fate」では「イシュタルが絡むと碌なことが起きない」という定説がある。そのため、「もしかして今回のコラボストーリーの元凶って……」「この異変に乗じて厄介ごとを増やすのでは……」などと想像し、遠い目をしてしまう。

出典:『FGO』

戦闘スキル(強攻撃)の「宝石剣ゼルレッチ」も、なんと『UBW』のものではない。同じ『Fate/stay night』でも「UBW」とは別のルート「Heaven’s Feel」で登場する魔術礼装だ。魔道元帥ゼルレッチから遠坂家に設計図が伝えられた家宝で、並行世界を介した超強力な光の斬撃を放つ。なんとこちらも「チート」と言われる威力を誇るのだ。だが強力すぎるあまり、使用者への影響も大きい諸刃の剣だった。今回の凛にはそうした反動は特にないため、安心して発動できる。

また、この戦闘スキルは条件を満たすと「第二魔法の実験」に進化する。チートである「宝石剣ゼルレッチ」がさらに強くなるというのだ。いくらなんでも強くなりすぎである。これが必殺技でないあたり、凛を頼もしいどころかおそろしく感じる。この容赦のなさは、まさしく「あかいあくま」だ。

まとめると、『スタレ』実装キャラの遠坂凛は、『UBW』に限らず「Fate」の、さらにその中でもチート級に強い要素を様々取り入れた、「最強の凛」という設定のようだ。コラボでここまで本格的、かつ自由な内容だとは驚きだ。『FGO』のイベントシナリオ並みに、「Fate」を理解した上でつくられていると感じる。なんだったら「Fate」でたまにある、執筆ライターの「Fate」愛がこちらにも伝わるような、つい笑顔になってしまう部類の設定だ。

超常現象が起きる数多の世界を股にかけ、開拓していく『スタレ』だからこそ、「最強の凛」のような飛躍した出来事が実現しうるのだろう。この凛がどのように活躍するのだろうか? ストーリーへの期待が増す。

納得かつ新鮮な凛の戦闘

『UBW』とは違い、個人でもかなり戦えるようになった凛。では、実際の戦闘スタイルはどのように表現されているのだろうか。

凛は宝石魔術の使い手で、『UBW』でもその戦い方が描かれていた。宝石は有限かつ高価、加えて使い捨てのため、使いどころの判断が重要だった。『スタレ』でも「宝石エネルギー」を消費/獲得しながら戦うし、フィールドでの待機中には宝石に魔力を込める時もある。

一方で、貴重な宝石を使わずに戦える技「ガンド」や八極拳も健在だ。ガンドはフィールドで使えて、射程が長く、壁などに当てるとかなり痛そうな音がする。八極拳はバトル時の通常攻撃で、容赦なく敵を吹っ飛ばす。こうした技を基本に、ここぞという時に宝石をやりくりして戦うという凛らしいスタイルが再現されている。ここまで自らが動いて戦う凛を見るのは初めてで、それだけでわくわくする。

凛のうっかりな面はバトルにこそ反映されていないものの、フィールドでの待機モーションで、お腹が鳴ってしまい照れることがある。普段の優雅さとのギャップあってこその遠坂凛。こういうところがたまらくかわいい。『スタレ』では、手軽な回復アイテムにチャーハンがある。中華料理が得意な凛にぴったりだ。お口に合うだろうか。

また、新デザインされたこちらの衣装にもなかなか気になる点が。赤い外套は凛らしいが、黒のインナーを着ている。このコーディネートはどことなく契約サーヴァントのアーチャー(エミヤ)を彷彿とさせる。さらには右手には、サーヴァントへの絶対命令権の象徴である令呪の模様が入った手袋をはめている。『UBW』後なのであれば、聖杯戦争は終わっているため、令呪はなくなっているはずだ。それでも令呪のデザインを取り入れているのがいじらしい。今でもアーチャーとの繋がりを残しておきたい、ということなのだろうか。なんと今回のコラボイラストは武内崇先生の書き下ろしだそうだ。つまり、この衣装も武内先生のデザインだということで、実質公式ペアルックなのだ!

嬉しいことに、アーチャーは前回のコラボで実装されている。そんな2人を一緒にパーティに入れると、より相棒感が出ること間違いなしだ。メリットはそれだけではない。凛の「優雅たれ」というスキルの強化は、アーチャーにも効果が及ぶ。加えて、条件を満たすとなんと……連携技が出る! アーチャーが投影した宝石を、凛が矢に変換して弓で撃つ。サーヴァントであるアーチャーがサポート、マスターの凛が攻撃という、異色の連携だ。お互いを理解しているからこそできる、たいへんエモい技だ。信頼関係が伺える。これまで二人が肩を並べて共闘することはなかったため、感慨深い。パーティに一緒に入れて損はない、むしろ「一緒に入れないと損」なのだ。

アーチャーは現在、復刻ガチャが開催されている上、コラボ期間中はギルガメッシュかアーチャーのどちらかが無料で手に入る。もちろんギルガメッシュも手に入れたいが、ここまでの絆を見せられるとアーチャーも捨てがたい……。究極の選択だ。

このように、ガンドや八極拳、さらには宝石魔術など、この凛の戦い方のベースには『UBW』がある。これによって凛のキャラクター設定が崩壊せず、納得できるものとなっている。その上で、そういった戦い方の仕上がり度合いが『UBW』よりはるかに高く、前述の必殺技や戦闘スキルも相まって、『スタレ』ならでは新しい凛も見せてくれるわけだ。

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ギルガメッシュの「愉悦部」要素は?――コラボ限定★5キャラクター「ギルガメッシュ」


今回新規実装されるもう1人、ギルガメッシュについてはどうだろうか。ギルガメッシュは、『UBW』やその前日譚である『Fate/Zero』では、マスター・言峰綺礼とともに他人の不幸を「愉悦」とする、正義とは相容れない「邪悪でおそろしいラスボス」だった(そうした精神性をネットでは「愉悦部」と呼ばれていた)。しかし今回はプレイアブル、つまり味方として登場する。『UBW』のギルガメッシュが味方になる想像はしづらいが、どういった実装をされているのだろうか。

ステータスを見ると、天賦(パッシブスキル)「我を存分に楽しませよ」「王の争覇」、他にも「王が背負う」「王が許す」「王が認める」という状態がある。このことからも、「王」「裁定者」といった面が全面に出ていると感じる。これは、他「Fate」作品で見られる、ギルガメッシュの本質だ。

表情や声などに邪悪さはなく、やや落ち着いているように見える。『FGO』などでのギルガメッシュを知っている人であれば、今やこちらの様子の方が見慣れているだろう。これなら初対面の『スタレ』のメンバーともコミュニケーションが取れ、一緒に戦えそうだ。また、ギルガメッシュは「前に進もうとする人類」が大好きだ。そのため、ファーストインプレッションではどうなるかわからないが、『スタレ』の主人公たちも最終的には気に入りそうだと容易に想像がつく。

次に「天の鎖(エルキドゥ)」「親友に鍛えられし魂」など、親友であるエルキドゥに関する要素が多い。これも『FGO』やエルキドゥが初登場した『Fate/strange Fake』(以下、『Fake』)などで掘り下げられる、ギルガメッシュの『UBW』には出てこなかった面だ。ギルガメッシュの人格形成の中心に彼がいることを表している。本コラボの告知PVに登場した、エルキドゥ色の小さくてかわいい生き物との関係も気になるところだ。『スタレ』に詳しくないため、この生き物がどういったものかはわからない。だが、あのギルガメッシュがただの生き物を肩に乗せて、嬉しそうな顔をするとは思いにくい。色がエルキドゥなことが関係しているのだろうか。それはさておき、ギルガメッシュとかわいい生き物という珍しい組み合わせがたいへん微笑ましい。

今回のギルガメッシュは腕に天の鎖を巻いているが、これはイシュタルの使う「天の牡牛」対策かと推測される。 もちろんこの衣装も武内先生デザインだ。天の鎖は生前、ギルガメッシュが「天の牡牛」を討伐する時に使った道具だとされている。「Fate」作品では、ギルガメッシュとエルキドゥがいれば、二人の友情を邪魔するために必ずイシュタルも登場する。つまり、ギルガメッシュとイシュタルがいる『スタレ』では、エルキドゥが……?

総じて今回のギルガメッシュは、『UBW』とは異なった印象を受ける。そもそも『UBW』が例外だったこともあって、『UBW』では見えなかった、他「Fate」作品で馴染みのある彼の性格が存分に出ている。つまりギルガメッシュも『UBW』後で、英霊の座に戻った後なのではないか? と想像できる。

ちなみに、光円錐(装備カード)「在るがままの我」では、愉悦部時のギルガメッシュが描かれており、ワイングラスを片手に楽しそうにしている。こちらもコラボガチャに実装されるため、必ず引きたいところだ。また、凛の光円錐は「静かに瞬く小さな火」で、子供の頃におそらく初めて魔術が成功し喜んでいるシーンが描かれている。

ギルガメッシュの取り扱いは「興」が肝心

ではそんな「味方」のギルガメッシュどんな戦いを見せるのだろうか。ギルガメッシュは、味方だからといって協力的なわけではない。『スタレ』はターン性バトルなのだが、ギルガメッシュは「気まぐれ」に通常技を繰り出し、プレイヤーの指示を受けつけない。バトルを通じて「興」が貯まると、ノリノリで宝物庫を開けて「王の財宝」を撃ってくれるようになる。こういったところは、お馴染みの「慢心」や、唯一ギルガメッシュと一対一のサーヴァント契約をできるゲーム『Fate/EXTRA CCC』で徐々にマスターを認めて協力的になっていったことを思い出す。「味方のギルガメッシュは上手く気分を乗せることが重要」ということが再現されている。

余談だが、『崩壊:スターレイル』と『Fate/EXTRA CCC』の主人公には共通点が多い(無表情、無口、たまに素っ頓狂)。女性主人公の声優はどちらの作品も石川由依さんだ。同じパーティに入れたい。

ギルガメッシュにも連携技がある。同じパーティに、先に実装済みのセイバー(アルトリア)を入れて条件を満たすと発動するのだ。ただし連携というよりは、セイバーの攻撃の後にちょっかいを入れるようにギルガメッシュも追撃する、という構図だ。ギルガメッシュはセイバーを気に入っているため楽しそうだが、セイバーはかなり迷惑そうだ。何度も見たい反面、セイバーが気の毒なため、あまり一緒にパーティに入れてあげない方がいい気もしてしまう。

必殺技(宝具)はもちろん、「天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)」だ。『スタレ』の高グラフィックで、かつ「Fate」作品ではなかった正面からのカットが入り、宝具の破壊力を実感する。「Fate」作品では高笑いと共に少々もったいぶりながら発動、という表現だが、『スタレ』ではタメがなくすぐに撃つ。そのため、攻撃そのものに意識がいき、より壊滅させられる側の絶望感を味わえる。いつもと違った文脈で実装されて、発見があった。

バトル以外では、チャーミングな面もちゃんとある。待機モーションでは、宝物庫から可愛いステッキを取り出して興味を持つ様子がある。なかなかシュールで面白い。また、ギルガメッシュ本人を操作でき、あちこちを走らせられる。なかなかレアだ。王様なのだし、自分のために動くのであればまだしも、雑事の時はどこかでふんぞり返っていてくれてていいのに……。少し悪いことをしている気持ちになる。そんな時はジト目になってもらおう。フォトモードでは表情を変えながら撮影できるため、様々な表情を楽しめるのだ。このように、ギルガメッシュで遊ぶのもまた「一興」だろう。

話を戻すと、ギルガメッシュらしい気まぐれさ、かつ本気を出した時の恐ろしさがよく再現されている。彼はマスターとの関係値や信頼度によって態度が変わるのだが、『スタレ』主人公とはどういった関係を結ぶのだろうか。そんなギルガメッシュは嬉しいことに、無料で手に入る! 本日7月24日からVer4.6終了までにログインすると、ギルガメッシュかアーチャーを選んでもらえるとのこと。『FGO』でも初期には年に1回の有料ガチャにしかいなかったギルガメッシュが、なんと『スタレ』では無料なのだ。これはありがたく手に入れるしかない。

『スタレ』×『UBW(!?)』コラボは始まったばかり

ここまで見てきたように、キャラクターの設定だけでも「コラボ」と言うには贅沢なほど深く練られていることがわかる。「Fate」シリーズのファンなら、キャラクターを見ているだけでもかなり楽しめること間違いなしだ。

特に「ここまであるの?」と思ったのが、メニューを開いた時に見えるスマートフォンのデザインだ。キャラクターごとに性格が出ており、「彼らが現代にいたらこんなスマホを持つんだ!」と想像が膨らむ。エミヤは無頓着そうなのに、繊細な柄が入ったやたら格好いいケースを使っていて少し笑ってしまった。各キャラクターのデザインはその目で確かめてみてほしい。

……と楽しく考察を重ねていたところで、新たなコラボPVが公開された。そこにはなんと、「Fate/star rail Fake」というロゴが! 言うまでもなく『Fake』をもじっており、オマージュしたシーンもあった。『UBW』コラボというのは、一種の噓予告だったようだ。

そうはいっても、ここまで練られたキャラクター設定やこの予告を見せられたら、もう『UBW』でも『Fake』でも、どのコラボでもいい! 「Fate」祭りだ! といった気持ちになる。ストーリーへの期待もさらに膨らんだ。もはや「Fate」の外伝のつもりで覚悟をして、イベントを楽しむくらいがちょうどいいのではないだろうか。

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