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「サイバーパンク: エッジランナーズ2」は前作とはまるで対照的。1話を観ただけでも伝わってきた、人を喰う街「ナイトシティ」のリアル
「サイバーパンク: エッジランナーズ2」は『サイバーパンク2077』を原作としたアニメ作品だ。Netflixにて2026年10月20日より配信予定となっている。

スピンオフ作品ながら、2022年を代表するアニメに仕上がった「サイバーパンク: エッジランナーズ2」から4年。待望の新作として発表された「サイバーパンク: エッジランナーズ2」の1話の試写会が行われた。本稿ではその模様をお届けしよう。
「サイバーパンク: エッジランナーズ2」は『サイバーパンク2077』を原作としたアニメ作品だ。Netflixにて2026年10月20日より配信予定となっている。制作を担当したのはCD PROJEKT REDとTRIGGER。監督を五十嵐海氏が務め、リードキャラクターデザイナーは菅野一期氏が担当している。脚本は前作『サイバーパンク: エッジランナーズ』から引き続き、大塚雅彦とバルトシュ・シュティボルがタッグを組んでいる。
前作からの差別化を狙ったか

まず言及したいのは「サイバーパンク: エッジランナーズ2」第一話についてだ。ネタバレを考慮して、具体的な内容に触れることはないが、筆者が受けた印象としては「前作と路線がまったく違うな」ということだ。”続編ではなく新作なのだから当たり前だろう”という意見が読者から返ってきそうだが、個人的にはチャレンジングな事をしていると思えた。
というのも、前作は言わば「日本の深夜アニメ」が物語の下地にあった印象のある作品だった(さらに言えば、今石洋之監督節がかなり効いていた)。背景設定こそ『サイバーパンク2077』における体験がベースになっているが、ボーイミーツガールと青年の成長、そして濡れ場のある恋愛劇といった、日本の深夜帯に放送されるアニメーションらしい文法がふんだんに散りばめられた作品だった。その端的な例が「レベッカ」というキャラクターの存在である。結果、前作はゲームに馴染みのないユーザーに向けても多大な支持を獲得することに成功した。『鳴潮』など、同様の文法を共有している他IPとのコラボレーションも積極的に行っている。

対して、「サイバーパンク: エッジランナーズ2」は洋画が作品の下地にある群像劇アニメとなっている大塚雅彦氏曰く、前作との差別化に加え、映画「パルプ・フィクション」のような物語をやってみたいという発想が込められているそうだ。また、前作が主人公の成長、利他精神に拠る限界の突破を描いていたのに対し、本作は「人生の袋小路にハマった」キャラクターたちが主人公を務める。映画という過去に狂ってしまった少年「ロマン」。ギャング文化に傾倒するエリート少女「タリア」。復讐鬼「D」。弱者に堕ちた王「ウィーク」。簡単なプロフィールだけを眺めても、生き方を選ぶどころか死に様すら自己決定権がなさそうなメンツが並ぶ。

映像表現にも分かりやすい違いが生まれている。前作は今石洋之監督が担当する作品らしい、デティールを伴う大げさなケレン味によって構成された描写が多く、例えるならロックバンドのライブハウスにいるような騒がしさがあった。アニメという媒体を活かし、主人公が限界を超えようと画面いっぱいグシャグシャに藻掻いている中で、視聴者は悲しみに暮れる暇なんかなかった。
かたや本作はかなり実在感のある……という言葉には語弊が伴うかもしれないが、ともかく、ゲーム内でこんなことあったな、これは再現したくなる、という描写が多い。映画がモチーフとされているだけあって、「ギャング系の洋画らしいリアリティライン」を狙う演出と構図が強調されており、実在感のある描写と一体となって、熱狂に陥るのではなく、かなりキャラクターに対して親身になれる作品である。
筆者が鑑賞したのは1話のみだったが、前作とはあらゆる面で違う、共通しているのは舞台となる「ナイトシティにおいて、作中の内容は日常である」ということだけ、という非常に興味深い作品という印象を受けた。ウケたネタを無難にアレンジするという手法を選ばず新しい題材にチャレンジしていくのは流石CD PROJEKT RED、そしてTRIGGERといったところである。
今作も「仲良く喧嘩して」作られた

鑑賞後に行われたのは、同作出演者およびクリエーターによる舞台挨拶である。登壇者はロマン役:寺澤百花さん、 ウィーク役:利根健太朗さん、監督を務めたTRIGGERの五十嵐海氏、 TRIGGER側の脚本を担当した大塚雅彦氏、プロデューサーであるCD PROJEKT REDの本間覚氏となる。語られた内容としては、本作の制作秘話であったり、配信に向けての意気込みがメインとなった。
特に興味深い点は前作に引き続き、本作もまた2つの制作会社が仲良く喧嘩しながらアニメが仕上がったことが言及されていた点だ。先述した通り、本作は「サイバーパンク: エッジランナーズ」からの差別化を図っている模様。ゆえに映画「パルプ・フィクション」のような物語をアニメでやってみたい、というCD PROJEKT RED側から要望を受けたり、子どもを主人公にしたり、90年代の国産アニメを意識した要素をキャラクタービジュアルに取り入れたりしているが、そもそも「水と油」のような関係にある、両者の物語制作への姿勢もあって、コメントの節々に折衝の苦労が感じ取れた。

役者陣も前作の反響を大きなプレッシャーとして感じつつ、魂を込めて演じたと語った。ロマン役の寺澤百花さんは「ロマン」に対し、一見すると映画に熱中している様に思えるが、頭が回り、たくましい人物であるとコメントした。物語を楽しむうえで、少年である彼がなぜナイトシティに飲み込まれず生き残っているのかという点にも注目したい。
ウィーク役を演じた利根健太朗さんは原作ゲームをプレイ済み。「ウィーク」についてはゲーム内にいてもおかしくないキャラクターになっているとのこと。また、「D」に関しては特に監督である五十嵐海氏の思い入れが強いという。そして、大塚氏いわく、本作は制作に携わったスタッフが若くエネルギッシュであり、話数が進むたびにドラマのボルテージが上がっていくそうだ。
注力した前作との差別化や、物語に込められた制作陣一同の熱量は、1話時点でも確かに伝わってきた。そして2話を強烈に渇望するようになってしまった。主人公たちの人生はどのような映画に仕上がっているのか。配信が待ち遠しくなる、大満足の試写会だった。
「サイバーパンク: エッジランナーズ2」は2026年10月20日よりNetflixで配信予定だ。
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