『エースコンバット』風ローグライク『DELIVERY MUST COMPLETE』は“ビルド盛り放題&ドッグファイトし放題”ゲームだった。チェーンソー少女終末パルクールなど、濃い新作を一気にプレイ

パルクールアクションからホラー、空中戦、メトロイドヴァニアまで、それぞれ異なる持ち味を備えたTop Hat Studiosの4作品のプレイ感を紹介していく。

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東京ゲームショウ2026にて、Top Hat Studiosがブースを出展した。同社はアメリカ・ニューヨークを拠点に、インディーゲームのパブリッシングや開発支援を手がける企業だ。宣伝・販売に加え、家庭用ゲーム機への移植や品質管理なども担い、小規模スタジオや個人開発者を幅広く支援している。

弊誌は今回、同社ブースにて未発売の新作も含めた4作品を試遊する機会を得た。本稿では、パルクールアクションからホラー、空中戦、メトロイドヴァニアまで、それぞれ異なる持ち味を備えた4作品のプレイ感を紹介していく。


『MOTORSLICE』

『MOTORSLICE』はパルクールアクションゲームだ。大きな分類としてはいわゆる「3Dアクションプラットフォーマー」のジャンルに入る作品だろう。ポストアポカリプスの荒廃した世界を、チェーンソーを駆使したアクションで走り回りながら、時には自律行動するロボットや重機と戦闘もするゲームといった塩梅だ。

試遊では序盤のストーリーとアクションを体験することができた。主人公は「P」という名の少女なのだが、相棒として浮遊ドローンの「Orbie」も登場し、ストーリーはこの二人の掛け合いを中心に進んでいく。個性的だと感じたのは、いわゆるゲーム内カメラもこの「Orbie」が担当しているということ。『スーパーマリオ64』のジュゲムのように、三人称視点を担う存在が明確にゲーム内のキャラクターとして描写されている、ややメタ的なデザインとなっている。

ゲームプレイのほうはというと、パルクールアクションゲームとしてもっとも重要な操作感はかなり良く感じた。独特の慣性やカメラ操作のクセみたいなものもほとんどなく、基本的には想像通りに小気味よく操作できるように仕上がっている。また開発者たち自身も明確に認めているが、かなり『ミラーズエッジ』の影響を感じるプレイ感となっている。同作品が好きな方は『MOTORSLICE』も間違いなく気に入るだろう。もうひとつインスパイアされた作品として挙げられている『ワンダの巨像』らしさも随所に感じるが、ベースとしては『ミラーズエッジ』が強いことは間違いないだろう。また、最近のゲームに多い「ミニマップと方向マーカーでプレイヤーが迷子にならないように強固に誘導する」ような方針を取っておらず、アクションを駆使することでどこにいけるのかをちゃんと自分で探っていかないといけない作りになっているのが、ゲームプレイとマッチしていて個人的には高評価であった。

『MOTORSLICE』は、PC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S向けに配信中。


『SILLY POLLY BEAST – バカなポリーは鬼となって』

『SILLY POLLY BEAST』はアクションホラーゲームだ。アクション重視のサバイバルホラーといったジャンルに相当するゲームプレイであり、試遊ではゲームの最序盤をプレイすることができた。まず印象に残るのはその独特なアートスタイルと世界観。呪術的な雰囲気が強く、そうした演出も多く、最初に武器となるリボルバー(ちなみに名前はデーモン+リボルバーでデモルバー)を手に入れるシーンも、地面から突き出した謎の手から銃を拾い、そばの地面に描かれた六芒星っぽい魔法陣から弾(顔っぽい模様が刻まれている)を拾うというオカルト全開っぷりである。アクションは基本的にスケボーによる近接攻撃とデモルバーによる銃撃の2つを使い分け、迫りくる謎のモンスターを撃退していくスタイル。デモルバーはあくまでリボルバーなので装弾数は6発であり、弾薬の補充ポイントこそそれなりにあるものの、一撃必殺というわけでもないので銃撃一本での攻略はほぼ不可能。スケボーで倒せる敵はスケボーで殴り倒していく必要がある。回復アイテムなども基本的に拾えたものでやりくりしていく必要があり、このシビアなリソース管理の感覚は実にホラーゲームらしいと言えるだろう。

また、個人的に特徴的だと感じたのは視点の柔軟さだ。最初のトンネルを進むシーンこそいわゆるプレイヤーの斜め後ろからの三人称視点なのだが、その後マップが切り替わるごとに高低差がある場面では固定視点のサイドビュー、敵が広く展開してくる場面ではトップダウン気味の視点に切り替わるなど、アクションは同じでもころころと視点が切り替わるのがなかなか面白かった。試遊の範囲では辿り着けなかったが、どうやら近接攻撃と銃撃に加えて魔法もあり、成長要素もあるため、この視点の切り替わりと合わさってかなり多彩なアクションが楽しめるだろう。

総じて、雰囲気とナラティブ重視のホラーゲームと見せかけてかなり骨太なアクションゲームの片鱗もうかがわせる作品であった。個人的に似ている作品をあげるならばおそらく『SIGNALIS』になるだろう。同作品が気に入った方ならば、本作も触ってみる価値はありそうだ。

『SILLY POLLY BEAST – バカなポリーは鬼となって』は、PC(Steam)/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに配信中。


『DELIVERY MUST COMPLETE』

『DELIVERY MUST COMPLETE』の説明は非常にシンプルだ。本作は『エースコンバット』のローグライクである。なんなら開発陣もそう自称している。『エースコンバット』に似たドッグファイトアクションで、個性的な武装や自機の成長・強化を駆使し、ウェーブで現れる敵機をひたすら撃墜していく、そんなゲームになっている。

リリース予定日の出ていない本作ではあるが、試遊ではメインモードをしっかりとプレイすることができた。操作感は完全に『エースコンバット』であり、同シリーズをプレイしたことがあるならばすぐに手に馴染むだろう。機体には機銃以外に3つの武器が装備可能で、いわゆるミサイル枠なのだが、これが本家に比べてもかなり個性的に仕上がっている模様。試遊範囲では特に「ZIPLINE」という、文字通り敵機に命中するとそこまでのジップラインが引かれ猛スピードで敵機に向かって接近していく武装や、「RICOCHET」というこれまた文字通り跳弾するミサイルなどが特徴的であった。

またローグライクらしく自機のランダム強化要素がある。ランは基本的にウェーブごとに進行していく形となっており、最初の空域で敵機を全滅させると強化用のポイントを獲得。次のウェーブが発生している空域の位置が示され、そこに接近するとまた敵機が大量に発生する……というゲームサイクルになっている。また公式が謳うように『デビルメイクライ』的な要素もあり、連続撃破や回避でボーナスがついて「スタイルランク」らしきものが上昇していく。詳しい仕様までは把握しきれなかったが、おそらく高ランクのほうが自機の強化にとっても有利になるようなメカニクスが組み込まれているのであろう。

個人的な感想としては、ゲーム自体の完成度もしっかりしているが、それ以上に「アイデア勝ち」を感じた。というのも、『エースコンバット』シリーズはどちらかというとストーリー重視の作風であり、基本的にやり込むとなるとどうしても(対人戦を除けば)同じストーリーミッションを機体を変えたり難易度を上げたりして周回するスタイルになる。『DELIVERY MUST COMPLETE』は、『エースコンバット』シリーズのファンの中でもアクション部分が特に好きで、いろんな状況でのドッグファイトをひたすらやりたい、という層を見事に拾い上げる作品ではないかと思うのだ。もしそうだという人がいるならば、ぜひこのタイトルには注目しておいてほしいところだ。

『DELIVERY MUST COMPLETE』は、PC(Steam)向けに発売予定。発売日は未定。


『井戸の鳥(Well Dweller)』

『井戸の鳥』は2Dメトロイドヴァニアだ。ダークファンタジー風世界観+2Dメトロイドヴァニアという定番、あるいは「激戦区」とも言えるジャンルで、変に奇をてらわず王道で堅実な面白さを積み上げている優等生な作品である。

試遊では、ゲームの最序盤の部分をプレイすることができた。陰鬱な雰囲気の童話風の導入から始まり、プレイヤーはマッチ棒を武器に戦う鳥「Glimmer」として荒廃した王国を冒険していく。ジャンプ、回避、近接攻撃などの定番のアクションを駆使して、敵を倒しつつ縦横に複雑に繋がったマップを埋めていく。

やや特徴的なのは武器となる「マッチ棒」のシステムだ。このマッチ棒は操作キャラクターであるGlimmerの体力と連動しており、体力が多いと火の勢いが強く攻撃力も高い、体力が残り少ないとマッチ棒の火も弱々しくなり攻撃力も下がる、というシステムになっている。このマッチ棒が光源としての役割を果たす場所もあるため、回復が尽きて低体力の状態だと暗い場所も探索しづらい、攻撃力も低い、というジリ貧に陥るのだ。そして回復行動はこのマッチ棒への再点火。頭上に現れたタイミングゲージをしっかり合わせないと十全な効果が得られないため戦闘中に行う場合は機会を見計らう必要があるが、そのかわり回復に成功するとしばらくマッチ棒の火の勢いが強まり攻撃力が上昇する。このリスクとリワードが一体となった回復は、かなり特徴的なシステムとなっている。

試遊では最初のボス撃破までプレイすることができたが、回復操作がやや曲者ではあるものの、ボスの攻撃は「最初は面食らうが予備動作を覚えれば対処できる」という良い塩梅。体力が減ると見知った攻撃パターンがちょっと激化して変化する定番のギミックも完備。「トリンケット」と呼ばれる装備によるパッシブや、新アクションの獲得に伴うバックトラッキング(それまで素通りするしかなかった場所や、行けなかった場所にあらためて行けるようになること)、ビルド要素など、このジャンルに求めている要素が高水準でしっかり揃ったお手本のような高品質2Dメトロイドヴァニア、という感触であった。このジャンルのファンであるならば、ぜひとも触れておきたい作品になりそうだ。

『井戸の鳥(Well Dweller)』は、PC(Steam)/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S/Nintendo Switch/Nintendo Switch 2向けに配信中。

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Mizuki Kashiwagi
Mizuki Kashiwagi

PCとPS4をメインで遊んでいます。自分で遊んでも、観戦していても面白いような対戦ゲームが好きで、最近は格闘ゲームとMOBAをよく遊んでいます。

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