Seismic Squirrelより、『Aether & Iron(エーテル アンド アイアン)』がPC(Steam)向けに配信されている。同作は現時点で日本語に対応していないものの、2026年中に日本語対応予定となっている。京都で5月22日より開催されていた「BitSummit PUNCH」では、PRブランド「Graph」のブースに同作が試遊出展。先行して、日本語字幕でプレイ可能となっていた。今回は会場で遊んだ経験をもとに、同作の内容を紹介しよう。

『Aether & Iron』は、浮遊するニューヨークの裏側に隠された陰謀に迫る、デコパンク風RPGである。本作の舞台は、エーテルが人類の想像力に追いついた世界。1930年代のニューヨークでは、反重力エーテル技術によって車や道路に加えて、都市そのものまでもが空に浮かぶようになっていた。メインキャラクターのジアは、そんなニューヨークに住む運び屋だ。昼間でも光が届かないロウアー(スラム街を擁する下層区画)で暮らす彼女は、ある日エーテル粒子にまつわる研究をしているエレノア・ラインハート博士(ネリー)を運ぶこととなる。

しかし彼女とエーテルにまつわる研究はプロの殺し屋に狙われていた。華やかな空中都市ニューヨークで何が起ころうとしているのか。ジアは周辺に浮かぶ島や陰鬱な裏社会なども探索。街中から集まった仲間たちと共に、ニューヨークの各エリアを支配する権力者たちに立ち向かっていく。幾多の権力と欲望に覆われたニューヨークの実態を解き明かす、浮遊都市での戦いが繰り広げられる。なお本作は、アメリカのインディースタジオSeismic Squirrelが開発。現時点で日本語に対応していないものの、2026年3月にPC(Steam)向けに配信開始されており、記事執筆時点ではユーザーレビュー390件中83%の好評を得てステータス「非常に好評」となっている。

「BitSummit PUNCH」の会場に試遊展示されていたバージョンでは、そんな本作の冒頭が日本語でプレイ可能となっていた。本作はストーリーにあわせてゲームが進んでいく、RPG形式の作品となっている。試遊版は、ジアがアッパー(主に裕福層が住む都市区画)でも指折りの高級バーだという隠れ酒場を訪れるところからスタート。バーの内部で会話を進め、依頼を受けるシーンからとなっていた。

基本的には選択肢を選びながらテキストを読み進めていくが、選択肢の中には「タレントチェック」と呼ばれるシステムを含むものも存在している。タレントチェックでは、いくつかのダイスを振って行動の成否を判定する。威圧的な行動が得意なキャラクターならそういった選択肢の成功率が上がるなど、持っているスキルなどによって成功率が変化。ダイスの合計値が目標の数値以上になれば成功となる。本作では、TPRGなどでよく用いられているダイスロールによる行動成否判定の仕組みが導入されているわけだ。

展示されていたバージョンでは、どの方法で交渉を試みるか選べるようなシーンが登場。情報を引き出そうとする場面では、いわゆるファンブル(1のゾロ目)を出してしまって情報の入手に失敗したものの、シナリオはそのまま問題なく進行可能となっていた。ダイスロールによって、ちょっとした緊張感やランダム性などをまじえたストーリーが展開されるのだろう。

またネリーを運ぶこととなったあとには、彼女を狙う殺し屋とのターン制バトルも待っていた。本作のバトルは車上ターン制バトルなどと称される、エーテル技術を用いた宙に浮かぶ車を用いた戦いとなっている。ジアや敵ユニットの車両には、それぞれHPや攻撃手段などが設定されている。たとえばジアの車は、体当たりや銃火器による攻撃などが可能。プレイヤーは操作ターンがやってきた際には、マス目で区切られたマップ上でユニットを動かし、複数の攻撃手段を使って敵を殲滅していくのだ。各ターン内には、使用可能な攻撃手段すべてを使った攻撃が可能。銃火器と体当たりができるなら、双方を使って攻撃できる。また車には強化要素が存在。ジアの獲得可能スキルには、タレントチェックの強化以外に戦闘能力があがるものもあるようだ。本作ではSRPG系統の戦闘とTRPG風のダイスロールによって、浮遊するニューヨークでの物語が描かれるわけだ。

ここからは試遊してみての所感となる。本作ではまずエーテル技術の発展した1930年代という世界観や作中の雰囲気が、テキストやグラフィックによって存分に描かれていた。Steamのストアページによると、本作の街は綿密な調査のもと、1930年代のニューヨークに実在した人物などからインスピレーションを得て作られているとのこと。ビジュアルは1930年代の探偵コミックやアール・デコ調に着想を得ている。海外作品らしい絵柄であるが作中の世界観によくあっており、カットシーンではキャラクターを含めて架空の1930年がカッコよく美しく表現されている。

日本語のテキストについても、試遊した範囲ではしっかり翻訳されていた。車を使ったターン制バトルや、ダイスロールによって緊張感のあるタレントチェックも含めて世界観を中心にさまざまな要素がまとめられている印象がある。架空の1930年代の雰囲気や浮遊都市で権力に立ち向かうストーリーに期待できそうだった。まずは日本語への正式対応を待ちたいところだ。

『Aether & Iron(エーテル アンド アイアン)』は、PC(Steam)向けに配信中。ゲーム本編は2026年中に日本語対応予定となっており、体験版は先んじて日本語に対応している。なお、本作日本語版に関する最新情報はSeismic Squirrelの公式日本向けXアカウントをチェックしてほしい。

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