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『アナザーエデン』『ハーヴェステラ』生みの親の高大輔氏、開発中の新作ゲームはストーリーもメカニクスも楽しめる「4Xローグライクデッキビルダー」に。話を訊いた
高氏が新会社を設立し、新作ゲームを開発中らしい。どのような作品になるのか、話を訊いた。

ゲームクリエイターの高大輔氏は2026年1月、株式会社Impachiを設立した。同氏は、グリーの『アナザーエデン 時空を超える猫』初期のプロデューサーを務めたほか、スクウェア・エニックスにて『ハーヴェステラ』のプロデューサーを務めた人物。それぞれの作品でストーリー展開を含めたユニークなアプローチを仕掛けておりクリエイターとして定評がある。
そんな高氏が新会社を設立し、新作ゲームを開発中らしい。どのような作品になるのか、話を訊いた。会社設立経緯などは、別記事を参照してほしい。

新たに手掛けるのは「4Xローグライクデッキビルダー」
――高さんがこれまで手掛けた作品はストーリー体験が心に残りやすいゲームが多く、ストーリーに力を入れているクリエイターと見られやすいです。
高氏:
そうですね。特に今までRPGを作り続けてきたという部分がありますし、自分の中でもRPGはすごく好きなジャンルなので、ストーリーの人、という見え方になるのはわかります。ただ、これまではストーリーがあってどうゲームを作るのかじゃなくて、ゲームシステムがあって、その上でどう世界やシナリオを展開させるかっていうところに重きを置いてきました。
――ストーリーが先にあってゲーム作りをしているわけではないんですね。
高氏:
実はいずれのゲームもシナリオ先行ではないんですよ。なので、自分はやっぱりそこは変わらないと思います。でも、メカニクスに合った素晴らしいシナリオ、世界観を提供しようという気持ちに変わりはありません。
――なるほど。では、シナリオというよりも、メカニクスを軸に楽しんでもらいたいと。
高氏:
もちろんシナリオや世界観で皆さんを感動させたいのは山々です……が、そこが軸ではないですね。ただ、シナリオや世界観がどうでもいいというわけではなく、素晴らしいメカニクスと世界観、シナリオが深い関係で融合していないと、ゲームとしては良くないと思います。
昨今のインディーゲームでもメカニクスを武器に売っているゲームもありますが、そこだけを軸にするにはやはりボリュームが必要なので。世界観やシナリオに工程を割けないと、メカニクスだけで勝負する、というのはなかなか構築が難しいです。今回は少人数でも頑張って作っていきたいというか、ちゃんと作れるような仕組み作りをやっていきたいですね。
――ちなみに、具体的にはどんなゲームを作られているんでしょうか。
高氏:
……ゲーム自体がどういうものを今作っているかをまだ細かく発表できないんですが、ジャンルだけお伝えすると、Impachiとしての第1弾となる作品はストラテジーゲームを作ります。で、ジャンル名としては「4Xローグライクデッキビルダー」です。
――4Xといえば『Sid Meier’s Civilization』や『Stellaris』などのジャンルですよね。もしかして、4Xもお好きなんですか。
高氏:
私はインディーゲームも好きですが、元々『Sid Meier’s Civilization』が大好きで、特に『Sid Meier’s Civilization IV』と『Sid Meier’s Civilization VI』が好きでした。『Sid Meier’s Civilization IV』に至っては、「ペリク鯖」と呼ばれる伝説的な日本語版非公式wikiがあったんですが、その運営もしていました。
――「ペリク鯖」。なにやら聞いたことがあります。
高氏:
元々のwikiはサーバートラブルで残っていなくて……。トラブルで終わってしまったのは本当に申し訳なかったです。
――今誰に向かってお詫びをしているんですか(笑)
高氏:
当時、相当日本の『Sid Meier’s Civilization』ファンを悲しませてしまったんですよ。と、それぐらい大好きなシリーズです。その『Sid Meier’s Civilization』に代表される4Xというジャンルとローグライクデッキビルダーを組み合わせて、『Sid Meier’s Civilization』っぽいゲームでもなく、『Slay the Spire』みたいなゲームでもなく、ちゃんとそれぞれのジャンルを深く融合させたゲームを作ろうと思っています。
――面白いですね。このゲームで、どういう体験を提供したいと思っていますか。やはりメカニクスでしょうか。
高氏:
メカニクスももちろんですが、4Xとローグライクデッキビルダーってどちらもシナリオ体験の割合はそこまで大きくないと思うんですが、そこにもメスを入れてチャレンジしていきたいです。
――なるほど。物語も楽しめると。ちなみに、今はどれくらいの進捗かお聞かせいただくことは……。
高氏:
ちょうどバーティカルスライス(ちょっとしたデモ)を作っているところですね。デモ版は動いているけど、まだまだこれからという感じです。
――『Slay the Spire』は早期アクセス配信でたくさんのフィードバックがあってゲームがどんどん進化していきましたが、Impachiの第1作目ではどういったかたちで制作していこうという方針は考えていらっしゃいますか。4Xローグライクデッキビルダーというジャンルを聞くと、バランスを取るのもかなり難しそうなイメージですが……。
高氏:
そのためにも『アナザーエデン 時空を超える猫』と『ハーヴェステラ』のバランスを担っていた上村を連れてきたわけです。初期の『アナザーエデン 時空を超える猫』は神懸り的なバランスを保っていたと思うんです。それは私と上村でバランスを整えていたんですよね。
――なるほど。その実績もあって自信があると。
高氏:
バランスに関しては非常に自信があります。
――そこまでいわれると期待したくなります。

まずは自分のゲームを面白いという“6人”に届けたい
――高さんが自信をもって手掛けられるゲームとはいえ、いろいろなゲームのリリースが増えている昨今、どうやってユーザーにアプローチしていく予定ですか。
高氏:
実際のところ、今まで手掛けてきたゲームでも本当にやれることを全部やる、というかたちでアプローチをしてきました。無料でできることをとにかく積み上げて……。当時のTwitterでとにかく人を集めて、告知してクローズベータテストをやるとか、そういったかたちでとにかく積み上げていったんです。
今回も人数が少ないですけど、とにかく皆さんの協力を得ながら、とにかく小さいことから積み上げていこうと思っています。特に、今回は最初から全世界に向けて提供するということもあるので、そこは海外のメディアとか、あとはショーケースとか、そういったところにもどんどん出していきたいと思っています。
あと、今回ゲームの内容について細かいことを言えませんでしたが、次は今年の夏頃、ゲームの細かい情報に関する一報をお届けさせていただきます。
――楽しみにしています。では、最後に高さんから読者へメッセージをお願いします。
高氏:
サラリーマン時代から自分の作りたいゲームをいかに皆さんにお届けするか考えていましたが、その基本的な方針は変わらずに、今後はもっと自分が作りたいものを届けるという方向に舵を切っていこうと思っています。
ただ、これだけゲームがあふれた世の中で、ゲームユーザーすべてのパイを取るとか、そういうのは難しい話です。なので、世界中に私の作るすべての作品が好きだという人が6人ぐらいはいると思いますので、彼らにピンポイントで届けたいという気持ちで頑張ります。
――6人!?そ、そんな商売の色気のないコメント……(笑)
高氏:
私が商業主義だったらいろいろな出資を受けて何億、何十億円規模の開発を進めているでしょうが、やっぱりゲーマーひとりひとりが好きなゲームって、予算によるものじゃないと思うんですよ。
もっとすごくシンプルに、○×ゲームが一番好きなゲームという人もいるでしょうし、トランプが一番好きだという人もいるでしょう。それは人によってそれぞれなので、私がとにかく作りたいゲームを最高に面白いと言ってくれる人が6人はいるはずなので、まずは続報をお待ちください。
――ありがとうございました。
本稿の公開と同時に、Impachiの公式サイトが公開されている。同社の第1作目が気になる人は、ぜひそちらも確認されたい。
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