EAのボス、「『Apex Legends』は将来“Apex 2.0”になってほしい」と期待。ただし刷新級の大規模アプデは『バトルフィールド』新作発売後に

Electronic Arts（以下、EA）の2025会計年度第3四半期業績発表において、CEOであるAndrew Wilson氏は『Apex Legends』の今後について言及。同氏によれば本作には『Battlefield』新作の発売後に大きなアップデートが控えており、将来的には本作が“Apex 2.0”となるような革新がもたらされることを期待しているという。

『Apex Legends』は、EA傘下のRespawn Entertainmentが手がけるオンラインFPSだ。2019年2月5日より基本プレイ無料で運営されており、日本時間2月12日からはシーズン24「テイクオーバー」が開幕予定。本作の基本モードとなる3人部隊のバトルロイヤルでは、20部隊総勢60人のプレイヤーがチャンピオンを目指してしのぎを削る。プレイヤーキャラとして、個性豊かで性能の大きく違うレジェンドたちが登場する点が特徴だ。

今回、EAは2025会計年度第3四半期の業績発表をおこなった。そして質疑応答においてCEOであるAndrew Wilson氏は、本作の今後について質問され、展望を語っている。同氏は本作がこれまで2億人以上にプレイされてきた一大フランチャイズとなったものの、ビジネス面ではここしばらく望むような方向に進んでいないと言及。そのためサポートを続けつつ、水面下でさまざまな試みや調整がおこなわれているという。

Wilson氏いわく、現在本作では複数の方向性で開発が進められているとのこと。まずはコミュニティのサポートであり、チート対策やQoL改善、新規コンテンツの開発などに取り組み、コアなゲーム体験の向上を図っているという。本日Respawn Entertainmentは開発者ブログにて、チート対策やマッチメイキング改善に向けて進められている施策を明かしており、これらもゲーム体験向上の取り組みの一環なのだろう。

そして“第2段階”としては、『Apex Legends』のゲーム体験全般により有意なアップデート（more meaningful update）をおこなうことが計画されているという。本作を刷新するようなアップデートとして構想されているのだろう。ただしこのアップデートは、EA傘下のDICEなどが手がけている『Battlefield』新作との被りを避ける方針だそうだ。そのため『Apex Legends』の刷新級のアップデートは、『Battlefield』新作の発売後におこなわれる見込みとのこと。

またWilson氏は、EAが『Apex Legends』に数十年規模で続くフランチャイズとなることを期待していると述べている。より長期的な視野では、より大きく、より有意義なアップデートがおこなわれた、いうなれば“Apex 2.0”のような存在となることを望んでいるそうだ。また“Apex 2.0”を最終形にはせず、その後も開発やサポートを続けていく方針を示している。

ちなみにWilson氏は過去にも、『Apex Legends』に根本的な変化をもたらす革新が計画されていることを明かしていた。一方、この際には“Apex Legend 2”を打ち出すつもりはないことも明言。Respawn EntertainmentとしてもEAとしても後継作を出して、現行作品のライブサービスを打ち切る施策をおこなう予定はないようだ（関連記事1、関連記事2）。今回の“Apex 2.0”との表現も、あくまで『Apex Legends』をアップデートして刷新していくということだろう。

『Apex Legends』では、昨年にはSteamにおけるプレイヤーベースの大幅な減少も見られ、コミュニティを大きく盛り上げるような施策が待ち望まれている（関連記事）。そうした中で今回Wilson氏から、『Battlefield』新作の発売後に大規模なアップデートが計画されていることが明かされた。どのようなアップデートとなるかは鋭意検討中とのことで、続報にも期待したい。

ちなみに『Battlefield』新作の発売時期は本稿執筆時点では未定ながら、今回のEAの業績発表では2026年会計年度内、つまり2025年4月から2026年3月までの間に発売されることが示されている（関連記事）。

『Apex Legends』では現在シーズン23「フロム・ザ・リフト」が開催中だ。日本時間2月12日からはシーズン24「テイクオーバー」が開幕予定。