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『メトロイドプライム4』は、結局何が問題だったのか?時代錯誤な仕様と低い作品価値、放置され風化していく“『メトロイド』だったはずのもの”
『メトロイドプライム4 ビヨンド』はなぜ事前の注目に反して話題性が長続きしなかったのか。理由は実際に遊ぶと明白だ。

2025年12月4日。初報から実に8年の長き時を経て、『メトロイドプライム4 ビヨンド』はNintendo Switch、Nintendo Switch 2向けに発売された。そして2026年6月14日をもって、本作は初報から9年の時が過ぎ去った。
タイトルロゴが表示されるだけの約40秒の動画が瞬く間に100万回再生を超えるなど、主に海外を中心に圧倒的な注目を集めた本作。2年後の2019年には開発体制を改める仕切り直しが生じ、その後も人材募集が続いている件が報じられたりと、難航を匂わせていた。最終的には開発中止という最悪の展開は回避。製品として世に送り出された。
初報当時の盛り上がりとは裏腹に、発売後その話題は長続きせず急速に落ち着いた。これは予想の範疇。元々『メトロイド』シリーズは海外を主戦場とするタイトルであり、日本での盛り上がりが静かに終わることは想定できた。
ところが、本作の初週販売本数は事前の期待値に対して海外で伸び悩み、国内でも発売前のプロモーションを欠いたことから、話題の持続力は見劣りした。メタスコアも発売直後の81からわずか半年あまりで78まで下落。これは過去の『メトロイドプライム』ナンバリング3作の平均90台よりも明確に低いスコアであり、当初の注目度に応えられなかったことがうかがえる。
なぜ事前の注目に反して話題性が長続きしなかったのか。理由は実際に遊ぶと明白だ。古い。2025年発売の新作アクションアドベンチャーゲームとして見た場合、“時代錯誤と見なされても反論できない仕様とゲームプレイの見本市”になってしまっている。
筆者の視点には作品価値の低さも映った。本作特有の体験を作り出す要素の多くが練り込み不足、あるいは不快な印象を与えやすいかたちで実装されている。結果的に、過去の『メトロイドプライム』シリーズから引き継がれ、評価された“既存部分”のほうが勝る作りになってしまっているのだ。言い換えれば“過去作の体験を超えていない”。

筆者は初報から本作の発売を待ち望んでいた人間のひとりだが、発売日の決定から直前までの国内プロモーションの妙な大人しさに疑問を覚え、「もう少し盛り上がっても……」との思いを他メディアで綴ったことがあった。いまでは大人しかった理由も分かる。現代のアクションアドベンチャーに慣れ親しんだユーザーに受けにくく、作品価値も低い出来だったからだ。だがそれでも、時代錯誤な部分に最低限の現代化を図るアップデートが発売後に実施されるなら、多少は作品全体の印象を良くできるだろうという微かな希望を抱いてもいた。
現実は発売から半年以上が経過した本記事執筆時点でも、アップデートは実施されていない。今後実施される可能性も否定できないが、どうやら本作は一貫して時代錯誤で作品価値の低い新作としての姿を貫き通すつもりのようだ。
初報から9年が経過したいま、本作が十分な存在感を示せず薄れていったことを寂しく思う。同時に「こうなるのも止むなき流れだった」の一言である。
8年の時を経て発売された“20年前”のゲーム。やっていることが過去作の踏襲であり、現代のゲームとして不適格
本作は『メトロイドプライム』のナンバリング3作品が現役だった18年前であれば許されたであろう仕様、設計思想を悪い意味で忠実に再現してしまっていた。
たとえば……特定ポイントでしかできない途中経過の記録(セーブ)、取り漏らすと後々のリカバーが一切不可能になる収集要素、探索の利便性を向上させるワープ&ファストトラベル機能の未実装、そして特定アイテムの回収を強要し、プレイ時間の引き延ばしを図るたらい回しイベント。いずれも令和の現代であれば、嫌悪されかねないものである。

セーブに関してはオートセーブ機能が搭載されているものの、適用範囲は新しいエリアに入って切り替わった時、大ボスとの戦闘直前と極端に狭い。それ以外の場所で力尽きてゲームオーバーになれば、最後にセーブした所から問答無用でやり直しとなる。
時系列上の前作に当たる『メトロイド ドレッド』はゲームオーバー後、倒れた直前の地点から再開される仕様だった。一方で本作にその仕様は採用されておらず、進め方によっては時間を大きく巻き戻されてしまう。
ゲームが進むたび、既に通過したエリアへと瞬時に移動可能となるワープポイントやファストトラベルの機能もない。過去作の『メトロイドプライム2 ダークエコーズ』や『メトロイドプライム3 コラプション』には特定エリア間を結ぶテレポート機能(ショートカット)があり、ゲームが進むと探索の利便性が向上する工夫があったのだが、本作ではなぜかカットされ、初代『メトロイドプライム』と同じく関連機能なしとされている。

そんな設計のなかに「ソル・バレイ」なる、砂漠をモチーフにした広大なオープンフィールドを本作は新要素として盛り込んでいる。仕組みとしては、複数のエリアを繋ぐ「ハブ」(中継地点)である。『ゼルダの伝説』シリーズにおける「ハイラル平原」「大海原」「大空」などのようなものと言えばイメージしやすいだろう。
フィールドの移動は徒歩のほか、「ヴァイオラ」なる新要素のバイクを用いることで迅速な移動が可能になる。逆に言えば、ヴァイオラ以外の迅速な移動手段はない。
通過済みエリアへ戻る用事ができた時でも必ずソル・バレイを通り、エリアの出入口まで向かって内部へ入り、目的地まで歩んで向かわなくてはならない。そのため、やりたいことにすぐ取り掛かることが困難だ。
砂漠ゆえ景観にも乏しく、サブクエストやランドマークといった要素もないことから、遊びと探索の楽しみも少ない。強いてあるとすれば、サムスとヴァイオラを強化する少々のパワーアップアイテムと、「グリーン・クリスタル」なる緑色の結晶を集める要素。あとはサムスを執拗に追跡する敵を迎え撃つぐらいだ。このうち「グリーン・クリスタル」の収集は、本作をクリアするにあたって必ず取り組む必要がある。

だが、集め方は結晶にヴァイオラで直接体当たりするか、ミサイルなどで攻撃して破壊するだけと非常に単調だ。ほかにごく一部のエリアや、ソル・バレイの一部にある「祠」を探索し、結晶を直接破壊する選択肢もあるが、全体の9割を占めるのはソル・バレイでの破壊である。
さらにグリーン・クリスタル自体、膨大な量が存在するため、必要量を集めるにも相当な時間が必要になる。しかもゲーム序盤のうちに先行回収しようとしても、厳格にフラグ管理がされている関係で規定値を超えるクリスタルは絶対に集められず、回収のための退屈な作業時間がゲーム終盤に生じる設計になっている。

ほかに本作でも『メトロイド』シリーズ恒例の通常攻撃「ビーム」のパワーアップはあるが、なぜか関連アイテムを取ってもすぐに使えるようにはならず、特定のエリアに存在するベースキャンプの地点でアイテムの解析を行わなければ使えない仕組みにされている。特にストーリー上の理由付けはない。ベースキャンプへ戻る際も、基本的にソル・バレイを通って該当するエリアに入り、徒歩で向かうかたちだ。本編が進むと近道ができる、即時ワープができるみたいにはならない。

ヴァイオラに新機能が追加され、機動性が飛躍的に向上する要素――例えば飛行機能が追加されたり、超速ワープが可能になるようなものもない。強いて言えば、(少しネタバレになるが)マグマの上を走行できるようになる程度だ。
ソル・バレイ、ヴァイオラに並ぶ新要素として「サイキック能力」なるものがあるが、これは一部を除き『メトロイド』シリーズお馴染みの追加アクション、能力の修飾子でしかない。「サイキック・〇〇」と付いているに過ぎないのである。

これらの仕様とゲームプレイの影響で、本作は新作としては時代錯誤と言われるのも致し方がない設計になってしまっている。この設計自体は発売後のメディアインタビューを通し、意図的であることが開発スタッフより公言されている。しかし、オートセーブやファストトラベル機能を筆頭に、必要最低限の現代化を図れたであろう部分もあり、古さの限度を超えている印象は否めない。細かいところでも、ソル・バレイの全体マップにマーカーを置いても、ミニマップ上にマーカーを置いた方角が一切示されないなど、オープンフィールド要素のあるゲームとしては思わず首を傾げてしまう仕様がいくつかある。
一連の古すぎる仕様を現代化させるアップデートも、発売から半年が経った2026年現在も実施されていないままだ。特に致命的なバグがないことも一因かと思われるが、このような「出したものがすべて」の姿勢もまた、結果的に本作の時代錯誤感を際立たせているのは否めない。
しかし出来が悪い訳ではない。なのに悪い印象が勝ってしまうのは、作品価値の低さにある。
それでいて本作の評価を難しくしているのが、アクションアドベンチャーゲームとしては無難に遊べることである。確かに仕様周りに時代錯誤な部分は目立つものの、クリアするのも困難というほど難易度が荒んでいるわけではない。

『メトロイドプライム』としての“らしさ”も担保されている。主人公サムス・アラン自身の視点に立ち、迷路のように入り組んだフィールドマップを進み、行く手を阻む仕掛けを解きつつ、敵を通常攻撃の「ビーム」や有限式の「ミサイル」などを駆使して撃ち倒していく。過去のナンバリング3作品で確立された「ファースト・パーソン・アドベンチャー」(FPA)としてのゲームデザイン、遊びの基礎と醍醐味は損なわれていない。
操作性もNintendo Switch 2版独自のマウス操作はキー配置に難こそあれど、従来のパッドに関しては使うボタンの豊富さとは裏腹の手に馴染みやすいものになっている。『メトロイドプライム リマスタード』で初採用された、デュアルスティック操作にも対応している。
戦闘用と情報収集用といった種類の異なる「バイザー」を切り替え、さまざまな状況に対応していくシステムもそのままだ。とりわけ「スキャンバイザー」で敵の情報を手に入れ、そこから対処法を探り出して試行錯誤する楽しさと、“答え”を発見できた時の嬉しさは過去のナンバリング3作品に勝るとも劣らない。

ソル・バレイによって個々の繋がりこそ絶たれているものの、全部で6つあるエリアはそれぞれ仕掛け、雰囲気作り、イベント面で異なる個性付けが図られ、確かな遊び応えと起伏を感じられる構成にまとまっている。『メトロイド』シリーズの伝統でもある、新たなアクションや武器、能力が手に入ることで道が切り開かれていく楽しさも最低限押さえられている。
『メトロイドプライム』シリーズの経験がない初心者への配慮も十分だ。3段階の難易度が選べるほか、次に進む目的地は常に教えてくれる。本作の新要素のひとつでもある「銀河連邦兵」との共闘イベントも、ひとつのガイドとして機能する部分があり、『メトロイド』シリーズの探索に慣れていないプレイヤーには心強い存在となっている。

しっかりした点もあるからこそ、本作を単に「設計思想の古さが限度を超えているから駄作!」と強く批判することはできない。少なくとも、アクションアドベンチャーゲームとしての最低限の面白さはある。現に一連の部分を体験している時は、ストレスよりも楽しさが勝りやすくなっている。
しかし同時に、そこを本作特有の魅力だとも言えない。なぜならば、大半が過去の『メトロイドプライム』シリーズ、2Dの『メトロイド』シリーズにおいて面白さと信頼性が実証されている要素だからだ。既存作品の延長線でしかないのである。逆に、本作特有の魅力を生み出すはずの部分は、好意的な印象を与えるほどのものに昇華しきれていない。むしろ悪い印象と物足りなさ、無意味さを抱かせるものに落ち着いてしまっている。それが前述したソル・バレイ、ヴァイオラ、サイキックの3要素である。これらの要素が、本作の印象を著しく落としている。
一見すると面白い銀河連邦兵との共闘も、本作独自の要素かと言えばそうでもない。似たような共闘要素や演出を実現した過去作として『メトロイドプライム3 コラプション』『メトロイド アザーエム』という2作品が存在するのだ。本作はそれら2作の要素を趣向を変えて採用しているにすぎない。

もっと言えば、ソル・バレイのハブ的な設計も『ゼルダの伝説』の「ハイリア平原」「大海原」「大空」などを思わせて既視感がある。発射後、プレイヤーが軌道を自由に制御できる「コントロールビーム」も、『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』のアイテム「ビートル」に通じる仕組みを応用したもので、社内タイトル間でよく見られる要素の踏襲と言える。「ヴァイオラ」にしても、広大なフィールドを駆ける乗り物としては『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』の「マスターバイク」という先例があり、既出の手法を踏襲した印象がある。

つまり、本作特有の体験を作り出す要素が、面白さと新鮮さの演出に貢献できておらず、作品価値を出せていない。逆に既存の体験が過去のシリーズ作品や他作品での実績の盤石さゆえに印象に残るかたちになってしまっているのだ。
これまでいろんな作品はあれど、ゲームごとに個性がそれぞれつけられていたことを踏まえると、本作のこの無個性の問題は『メトロイドプライム』に限らず、2Dシリーズも含む『メトロイド』シリーズ全体で見ても珍しい問題点である。そして、この問題点こそが本作発売後の持続力の弱さを体現させたとも言える。
この作品でしか得られない価値 – それが既存作品の延長線に過ぎないがゆえの厳しさ
最低限、遊べる面白さがあっても、その体験が既存作品の延長線以上の価値を作れていないのはあまりにも厳しい。それが時代錯誤な仕様の数々を目立たせることに貢献してしまっており、本作全体の印象を悪くしている。
時代錯誤であっても、難易度が荒々しくても、そこに過去作や同じジャンルの別作品では味わえない前向きな成果物を作り出せているのならば、その作品には生まれてきた価値と意義がある。
『メトロイド』シリーズは、過去作すべてが傑作というわけではない。当然、なかには粗削りだったり、賛否が極端に分かれる作品もある。しかし、そんな作品でも一貫して保たれていることがある。作品価値の高さだ。

たとえば『メトロイド アザーエム』。過去のシリーズ作以上にストーリー性を重視した作りと、Wiiリモコン1本縛りを貫き通した独特な操作性、シビアで激しい難易度で国内外で賛否両論を巻き起こした作品だ。しかし、2026年現在においてもシリーズでは非常に珍しい日本語フルボイスで紡がれるストーリー、以降の作品にも見られない独特の操作スタイル、2Dと3Dを融合させたハイブリッドなゲームデザインで唯一無二の作品価値を出している。この作品でしか味わえない『メトロイド』になっているのだ。
もうひとつが、発売前に物議をかもした『メトロイドプライム』の外伝作品『メトロイドプライム フェデレーションフォース』。協力型マルチプレイ前提でシングルプレイへの考慮が足りない難易度、ミッション離脱時に強化装備が必ず破損するという面倒なペナルティ、薄めの探索要素など、全体的には事前の風評を覆す完成度に達していない厳しい作品だ。
だが、オンラインの協力型マルチプレイ、チップカスタマイズによる戦略を練る楽しさによって、この作品でしか得られない体験は確実にある。ストーリーも第三者視点で主人公サムス・アランの強さを見られるという唯一無二の体験を得られる内容にまとまっており、この部分だけでも相当な作品価値を出せているのだ。
ほかの例でも、『メトロイドプライム2 ダークエコーズ』なら元ネタの『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』とは異なるアプローチを施した光と闇の性質が真逆の世界を行き来する探索、『メトロイドプライム3 コラプション』は自らの命を削る強力な能力「ハイパーモード」によるハイリスク&ハイリターンな駆け引き、『メトロイドプライム ハンターズ』ならばオンライン対戦プレイといった独自の作品価値がある。直近の新作である『メトロイド ドレッド』は言わずもがな。執拗な殺人ロボット「E.M.M.I」に追われる恐怖とそれを迎撃するイベント、「メトロイド」の単語に新たな意味を与えるストーリーで独自の価値と体験を生み出している。
本作はその部分が非常に弱い。従来作品ならば作品価値を出すはずの部分が、本作では十分に役割を果たせておらず、既存の要素に負けている。そこに時代錯誤な仕様の数々が追い討ちをかけてしまっているのである。

何より厳しいのは、本作の2年前に発売された『メトロイドプライム』1作目のリマスター、『メトロイドプライム リマスタード』に遊びやすさでも劣ることだ。
具体的にはサポート機能周りである。『メトロイドプライム』シリーズには、「スキャンバイザー」を通して得た情報が記録されていく「ログブック」なる要素がある。これをすべて埋め尽くすのがやり込み要素のひとつとなっているのだが、一部の対象はスキャンのチャンスが極端に限定されており、ウッカリ見逃すと取り漏らしが確定し、全対象のスキャン完了が不可能なままゲームを終えることになってしまう。
だが、それでゼロからやり直しにならないよう『メトロイドプライム リマスタード』には進捗を次の周回へと引き継いでくれる機能が備わっていた。これ自体は過去の『メトロイドプライム3 コラプション』で初採用されたものであり、以降の移植版を含むシリーズ作品で定着していた。
しかし本作ではなぜかそれがカットされ、クリア後には「引き継がれません」という但し書きが表示されるのだ。まさかの退化である。なぜ『メトロイドプライム リマスタード』には存在し、過去作でも評価された機能を削ったのか。この点だけでも、本作は『メトロイドプライム リマスタード』にすら劣ると言われても無理はないだろう(追い討ちになるが、メタスコアも94と本作とは絶大な差が付いてしまっている)。

たとえゲーム体験に作品価値がなかろうとも、ストーリーに見所があれば……とも思うが、こちらも残念ながら厳しい出来だ。そもそも導入からして「なぜ、こんなことをする必要が?」というプレイヤーを納得させ、共感できる展開が作れておらず、終始ゲームの都合に振り回されるような構成になってしまっている。
ある惑星で仇敵「スペースパイレーツ」とサムスに恨みを持つハンター「サイラックス」との激戦を繰り広げていたら未知の惑星に飛ばされた。そこの滅亡した民族「ラモーン」の幻影から「我々の遺産を新たな世界に運んで欲しい」と言われたので、それに取り組む。
簡潔に説明すれば、こんな感じである。なぜサムスがそんなことをしなくてはならないのかという理由付けが不十分で、非常に唐突感のある展開になってしまっている。以降も不自然な描写と違和感を抱かせる展開が相次ぐ。その果てに本作は未完の結末を迎え、幕を下ろしてしまう。

開発者のインタビューによれば、この煮え切らない結末は最初から意図したものだという。プレイヤーが「これで終わり!?」という戸惑いを抱くこと自体を狙った演出であり、それによって記憶に残る作品になるというのだ。
その意図は理解できるものの、ただでさえ唐突さと不自然さの目立つ本作においては、負の要素として響いてしまった面がある。何より本題が完全に解決しないままストーリーが幕を閉じる点で、後味の悪さからくるモヤモヤが不快感を際立たせる。
『メトロイド』シリーズにおいて、本題を解決させない物語を作った点では、ある意味作品価値といえるかもしれないが、前向きな成果物ではない。過去のシリーズでも次回作への引きを用意した作品はあったが、いずれも作中の本題をしっかりと解決した上で次回作への引きを徹底していた。ゆえに後味の悪さは最小限だった。
すべてを遊び終えても余韻が残らず、むしろ欲求不満と不快感が勝ってしまう。少なくとも筆者には、本作はこうした意味で作品価値の低い新作に感じられた。
果たしてこの作品が生まれた意義とは – そのカギは次回作『メトロイドプライム5』が握っている
初報から8年間、発売を待ち望んでいた人間としては「8年待った末に出たものがこんな時代錯誤な作品なのか」という落胆を禁じ得なかった。20年前に発売された作品のリマスター版であると言われたら納得してしまうほど。それほどまでに作りが古い。
最低限の面白さはある。だが、何も余韻が残らない。むしろ時代錯誤な作りとストーリーといった、ネガティブな作品価値が強すぎて後味の悪さが勝りやすくなっている。ある意味、記憶にも残る内容だが、残したくない類の記憶だ。
いずれにせよ、本作の完成までにどんな止むに止まれぬバックグラウンドがあったのだとしても、8年の長き時を経て発売された新作が時代に合わない作品として生まれてしまった事実は覆せない。それにはただひたすらに残念な思いが募る。
逆に言えば、次作『メトロイドプライム5』での進化の方向性はかなり分かりやすい。問題とされた部分を現代化すると同時に、今の時代に適した遊びやすさを持った作品にすること。そして、後味の悪すぎるストーリーに救済を与え、本作が存在してもいいという作品価値を少しでも与えてあげることだ。
もっとも、『メトロイドプライム5』が実現するか否かは不透明だ。開発者インタビューでも、続編の制作は未定であることをにじませる発言があった。最悪、本作限りで『メトロイドプライム』シリーズが凍結する可能性もある。もしそうなれば、本作の作品価値はますます低くなり、存在価値すら疑われることになるだろう。

果たして、このシリーズの未来はどうなるのか。願わくば、本作のエンディングで孤独に取り残されることになったサムスが救われる未来が訪れることを待ちたい。
いや、訪れてくれ。そうでなければ、あまりにも報われない。
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