Global Sites
『Apex Legends』の“格差マッチ”改善実験、「むしろ悪化した」との運営報告。ソロキュー導入ではむしろ強部隊まみれに
いわゆる“格差マッチ”と呼ばれる問題の改善を目指したものだったが、試験的な変更によってそうした傾向はむしろ悪化したという。

Electronic Artsは10月1日、バトルロイヤルFPS『Apex Legends』のマッチメイキングについて実施した2つのテストの結果を報告した。いわゆる“格差マッチ”と呼ばれる問題の改善を目指したものだったが、試験的な変更によってそうした傾向はむしろ悪化したという。
同社によれば『Apex Legends』では、トッププレイヤーが集まった部隊、特に自身のランクと大きくかけ離れた部隊とマッチングされるという課題について、プレイヤーから定常的に意見が寄せられているという。こうした問題に対処するため、今年8月まで開催されたシーズン29「オーバークロック」の期間中に、2つの実験がおこなわれた。
1つ目の実験は、フレンドなどと一緒に事前に組む「プリメイド部隊」におけるメンバー間のランク差の制限を、従来の2ティア以内から1ティア以内に変更するというもの。低ティアのプレイヤーを高ティアのロビーに引きずり込んでしまうことを防ぐことを狙った変更だ。そして2つ目の実験は、ダイアモンド以上のランク帯では、プリメイド部隊では参加できないようにする「ソロキュー」を導入するというもの。プリメイド部隊を排除することで、部隊同士の格差を減らせるのではないかという試みのようだ。これらの変更について、マッチの質が実際に改善したかに加え、ユーザーのプレイ体験がどうなったかについても測定がおこなわれた。

まずランク差の制限に関する1つ目の実験の結果、ダイアモンドのプレイヤーが対戦するダイアモンドの対戦相手は約8%減少し、その分だけプラチナの対戦相手が増加したとのこと。またプラチナのプレイヤーがダイアモンドのプレイヤーとマッチングする機会も増えたという。その2つのティア以外では、有意な変化は見られなかったそうだ。Electronic Artsは、一部のプレイヤーにはわずかな改善が見られた一方で、全員にランク差の制限を課すのに見合う効果ではなかったとして、現時点ではこれを恒久的な制限にしないことにした。
そしてソロキューに関する2つ目の実験の結果、上位ランクにおけるプリメイド部隊は排除されたものの、勝敗についてはほとんど変化がなかったそうだ。ダイアモンド帯におけるマッチ結果の分布は以前の状態を維持し、マスター帯では、上位部隊の勝率にわずかな低下が見られた一方で、上位10部隊と下位10部隊の勝率差は9%で横ばいとなったそうだ。つまり、プリメイド部隊がいなくなったところで、ロビーで最強の部隊が勝利するという結果は変わらなかったというわけだ。
さらにソロキューの導入によって、トッププレイヤーとの遭遇率が以前よりも悪化したそうだ。Electronic Artsいわく、本作ではマッチメイキングをする際、ランクポイント(以下、RP)の近い60人をRP順に並び替えたうえで、3つの区分に分割。各部隊にはそれぞれのRP帯から1名ずつ選ばれるかたちで配置されるとのこと。そのため、たとえばダイアモンド帯のマッチでは、ソロキューを導入したことでマスターやプレデターのプレイヤーが複数のチームに分散。その結果、マッチの中で上位のプレイヤーと接敵するケースが逆に増えてしまったようだ。加えて、マッチ開始前の分布図においても、より多くの高ランク帯チームがいると表示されることとなるため、実際よりも悪く見えていたとのこと。

そのうえで、テスト期間中にはプレイヤーの復帰率が低下したといい、特にデュオやトリオのモードでプレイしていたダイアモンド以上のプレイヤーの数値が悪かったとのこと。ランクマッチにおけるマッチメイキングは、各ランク帯のプレイヤーが多いほど上手く働くため、ソロキューの導入によってランクをプレイする人数が減ったことは、問題を悪化させるものだと判断され、こちらも現時点では恒久的な導入が見送られることとなった。
Electronic Artsは今後の展望として、引き続きさまざまなテストを準備していると伝えている。前述したテストの結果を踏まえて、シーズン31および32のランクに大きな変化が導入されるとのこと。10月中にこれらの変更について共有されるそうだ。コミュニティでも問題視されているマッチメイキングの課題について、運営なりの解決策が試されたようだが、結果的には新たな施策による良い結果は得られなかったようだ。一方で、テストによって貴重な知見も得られたようで、今後の改善に役立てられていくことだろう。
ところで、本作では従来まで導入されていたアンチチートシステム「Easy Anti Cheat」を9月末より廃止し、代わりに「EA Javelin Anticheat」を導入(関連記事)。性能に期待が寄せられていた一方で、現在SNSでは以前よりも多くのチート利用者が出現しているとの報告も散見される。息の長いオンラインFPSとして、今後どのような改善を続けていくか見守りたい。
『Apex Legends』はPC(Steam/Epic Gamesストア/EA App)/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/Nintendo Switch 2向けに配信中。
この記事にはアフィリエイトリンクが含まれる場合があります。


