Steamのフルプライスゲームの30~45%は「Steam外で購入されている」との分析。割引や還元など、強みも多い外部ストア

直近12か月間に買われたフルプライスゲームの30~45%は、Steam外で購入されているという。

Valveが運営するPCゲーム販売プラットフォームSteamにて、直近12か月間に買われたフルプライスゲームの30~45%は、Steam外で購入されているという。GameDiscoverCoが分析結果を公開している。

Steamでは、各ストアページからゲームを購入できるほか、Steamキー(製品コード)を登録することでもゲームをライブラリに追加できる。どちらの場合でも、Steam経由でゲームをダウンロードしてプレイできる点は同じだ。

Steamキーを販売する外部ストア

開発者向けのドキュメントSteamworksによると、Steamキーは無料のサービスであることが明言されている。ベータテスターやメディア、インフルエンサーへの無料提供のほか、Steam外のストアや小売店で販売することも許可されている。開発者にはデフォルトで最大5000個のSteamキーが提供され、それ以上のSteamキーが必要な場合は、個別に審査が必要となる。

こうしたSteamキーを販売するストアは「外部ストア」とも呼ばれる。たとえば、スクウェア・エニックス e-STORECapcom Town Storeは、国内大手パブリッシャーが運営する外部ストアで、ユーザーはこちらからSteamキーを購入して遊ぶことも可能だ。また、Amazonや楽天市場やYahoo!ショッピングといった国内大手通販サイトでも、「Steamキー」や「Steamコード」で検索すると、多数のSteamキーが販売されていることが確認できる。そのほか日本円で購入可能なSteamキー専門のストアとしては、FanaticalやGreen Man Gaming、ダイレクトゲームズなどが存在する。外部ストアによっては、割引クーポンの配布やポイント還元などが実施される場合もある。

また、Steamストアページでは、Steam外で製品を入手したユーザーのレビューを判別できるようになっている。各ユーザーレビューの右上に★マークと☆マークがあり、☆にマウスオーバーすると、Steamキーで有効化、ギフトとして受け取った、無料配布で受け取ったため、レビューが全体のレビュースコアに影響しない旨が表示される。いわゆるサクラレビュー対策のため、こうした仕組みになっているものと思われる。そのほか、Steamで購入していないため、Steamポイントが付与されない、返金できないといった制限も存在する。

外部ストアで購入されやすいゲームとは

今回GameDiscoverCoは、こうしたSteam外で入手されたレビュー比率に着目。たとえば『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』のストアページでは、トップに表示される全言語のすべてのレビュー件数は約1万700件だ。一方で、各レビューまでスクロールし、購入タイプのプルダウンを開くと、すべてのレビューは約1万9100件となっている。その他の約8400件は、先述した外部ストア購入も含む、Steam外でゲームを入手したユーザーのレビューというわけだ。この例では、Steam外のレビュー割合は約44%となる。

GameDiscoverCoは、Steamにて過去12か月間で100万ドル以上を売り上げたヒット作を対象に、Steam外のレビュー割合を集計。Steam外のレビュー割合の中央値が約12%であったのに対して、59.99ドルや69.99ドルのいわゆるフルプライスゲームにおいては、30~45%となっているものがいくつかあったそうだ。掲載されている画像では、『バイオハザード レクイエム』が約42%、『仁王3』が約39%、『サイレントヒルf』が約35%など、国産タイトルも多数含まれている。対象となった300タイトル以上の全ゲームのリストも公開されている。ただし、Steam外で購入したユーザーがレビューしやすい、プロモーション用Steamキーが大量に配布されている、という可能性も否定できないため、あくまで参考値であることは留意されたい。

Image Credit: GameDiscoverCo

フルプライスゲームのSteam外レビューの割合が高い理由として、外部ストアでの割引販売が要因とも考えられている。たとえば、『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』は、Steamでは3月19日の発売以降、定価が税込8980円から下がっていないが、たとえばダイレクトゲームズでは6%オフの税込8400円で購入可能。またFanaticalではページ内にあるクーポンを適用することで15%オフの税込7633円で購入可能。特に新作フルプライスゲームにおける割引は魅力的であり、クーポンやポイント還元などの独自施策があることを踏まえると、外部ストアでの購入割合が多くなるのも納得だ。

一方で、インディーゲームのような低価格帯のゲームでは、Steam外のレビュー割合が低くなっている。掲載されている画像では、『Slay the Spire 2』が約8%、『Mewgenics』が約7%など、フルプライスゲームと比較すると低い数値だ。Steamでの販売価格別にSteam外レビューを集計した結果も掲載されており、販売価格が高いほどSteam外レビューの割合も高くなることが確認できる。

Image Credit: GameDiscoverCo

要因としては、大手が販売するフルプライスゲームは予約時点から外部ストアで割引販売されているのに対して、インディーゲームはそうした割引販売がほとんどおこなわれないことが考えられる。そもそもインディーゲームは低価格であることが多いため、15%前後の割引があったとしても販売額の差としては少ないことも影響していそうだ。

購入場所に要注意

今回の集計によって、販売価格が高いほど外部ストアでの購入割合が高くなり、フルプライスゲームでは30~45%がSteam外で購入される傾向が明らかになった。なお、先述したようにSteamキーは無料サービスであるため、外部ストアで購入してもSteamへの30%のロイヤリティは発生せず、代わりに外部ストア手数料が発生する。つまり、パブリッシャーとしては外部ストアで販売する方が利益率が大きくなるものと想定される。逆に言えば、Steamはこのシステムによって相当量のロイヤリティ収入を得ていない状況となっていることは興味深い。とはいえ、外部ストアでの割引販売を許可することによってユーザーの購入手段を増やし、Steamというプラットフォームの影響力を高めることに繋がっているという側面もあるのかもしれない。

ちなみに、Steamキーを販売するストアとしてG2Aなどの「鍵屋」が存在する。G2Aはユーザー間の売買も可能となっているが、Steamキーの出所が不透明であり、過去には「G2Aで買うくらいなら違法ダウンロードしてくれ」と表明するパブリッシャーも存在した(関連記事)。仮に不正に入手されたSteamキーを登録した場合、SteamアカウントがBANされるリスクもある。Steamキーを購入する場合は、「正規品を扱う外部ストア」で購入するよう注意されたい。

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Haruki Maeda
Haruki Maeda

3DアクションRPGと犬をこよなく愛するPCゲーマー。『フォールガイズ』のようなわちゃわちゃ系も大好きです。

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