ゲーム業界では、レイオフ経験者の44%が「業界外への転職検討中」との調査レポート。加速する“ゲーム業界離れ”

ゲーム業界系の人材紹介会社Skillsearchの最新調査によると、人員削減をきっかけにゲーム業界を離れることを検討しているという回答者は44%にのぼるという。

ゲーム業界系の人材紹介会社Skillsearchの最新調査によると、人員削減をきっかけにゲーム業界を離れることを検討しているという回答者は44%にのぼるという。

ゲーム業界では近年、海外を中心に大規模なレイオフやスタジオ閉鎖も含む人員削減が多発してきた。業界でのレイオフを独自集計するサイト「Game Industry Layoffs」によれば、2022年には合計8500人、2023年には合計1万500人、2024年には合計1万4600人が職を失ったとみられている。2025年にはやや落ち着きを見せて5300人となったものの、2026年も引き続き大手でのレイオフや、スタジオ閉鎖などが見受けられ、予断を許さない状況だ。

そうした中で、ゲーム業界系の人材紹介会社Skillsearchは「Games and Immersive Salary & Satisfaction 2026 Report」と題したレポートを公開。同社は例年ゲームや没入型テクノロジー業界におけるデータを集積し、離職や求人などの動向を報告してきた。今年のレポートは2025年11月12日から2026年2月24日にかけて集計された、英国・欧州・北米・アジア太平洋(APAC)・中東および北アフリカ(MENA)地域の1000人からの回答をもとに作成されているとのこと。

さまざまなデータが並ぶ中、人員削減をきっかけに業界を離れることを検討していると述べた回答者は44%におよぶ点が注目されている(GamesIndustry.biz)。ちなみに2025年のレポートでは同様の回答が35%、2024年のレポートでは24%であり、年々ゲーム業界からの離脱を検討していると回答する人の割合は増加を見せているかたち。別の業界への転職などはより一般的な選択肢となっているわけだろう。

さらにレポートでは、ゲーム業界外への転職活動をしている、あるいは予定している回答者の割合が地域別にも示されている。今年は西欧では63%、アジア太平洋地域では70%、英国では76%、北米ならびに中東および北アフリカではそれぞれ88%もの回答者が、ゲーム業界外の職を求めて転職活動をしている/予定しているという。実際に転職活動を始めた、あるいは視野に入れている回答者が、かなりの割合で業界を離れることを検討している傾向がうかがえる。

なお今回の回答者のうち22%は過去1年以内に解雇されており、12%はそれより前に職を失っているという。人員削減の主な原因としては、(スタジオに)投資される資金の減少、予算削減のほか、利益不足が挙げられている。そうした業界環境の厳しさも、ゲーム業界以外への転職が検討される一因かもしれない。

いずれにせよ、開発者を筆頭に専門的な知識を要するゲーム業界ながら、44%もの回答者が人員削減を経て業界を離れることを検討しているというのは興味深い。エンジニアリングなどをほかの分野に応用できる職種も一定数あるとみられる反面、特に海外のゲーム業界では、環境面の不安定さも離職志向を後押ししている可能性はある。

ちなみに日本国内においては近年、セガやカプコンといった大手各社が正社員の平均年収や初任給の引き上げなどを実施している。それぞれ物価上昇などが背景として挙げられたほか、人的資本への投資や優秀な人材の獲得といった狙いも説明されてきた。この背景には、業界内外での人材獲得競争の激化も一因となっているのかもしれない。海外において近年強まっている可能性がうかがえる“ゲーム業界離脱志向”がどのように変化していくのか。今後も国内外の動向は注目される。

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Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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