『バイオハザード RE:4』にて「レオンに落下ダメージがないことが便利」として注目される。負傷しないなら落とし放題

 

バイオハザード RE:4』にて、本作のとある仕様がにわかに注目を集めている。それは、主人公であるレオンが「落下ダメージを受けない」という、シリーズの慣例ともなっている仕様だ。無傷での長距離落下の様子が見ものとなっているほか、RTAなどへの利用の可能性も期待されている。


『バイオハザード RE:4』は、2005年に発売されたサバイバルホラーゲーム『バイオハザード4』を原作としたリメイク作品だ。舞台となるのは、ラクーンシティ事件から6年後の世界。事件を生き延び大統領直属のエージェントとなったレオン・S・ケネディは、誘拐された大統領令嬢アシュリー・グラハムの救出任務のため、ヨーロッパの閑村へと向かう。

本作では、オリジナル版『バイオハザード4』の方向性を受け継ぎ、シリーズ作品のなかでもマップの立体的なデザインが比較的多め。高低差を意識した攻略や、戦闘での立ち回りが重要となる。時にはぞっとするような高所で戦闘を繰り広げることもあり、足場の崩壊やボスの突き落としによって落下すれば一巻の終わりとなるシーンも。ただし、本作の主人公レオンは落下で落命するものの「落下ダメージ」自体は受けない仕様となっているのだ。

https://www.reddit.com/r/residentevil/comments/12cew6u/leon_has_no_fall_damage_and_i_thought_i_found_a/

そうした仕様のめぐり合わせが、Redditの『バイオハザード』シリーズコミュニティにて注目を集めている。上述の動画で示されたのは、本作前半における湖周辺エリアでの戦闘だ。崖面に築かれた心もとない足場にて、村人たちに激しく追い立てられるレオン。敵集団を躱し、一段下の足場に飛び降りようとしたようだ。しかし、軌道がややズレて予想より高めな足場をごろんと前転することに。そのまま断崖絶壁に落ちたレオンはあえなく転落死……するかと思いきや、すとんと着地を決めた。

レオンは「岩場の3Dモデルの裏側」のような明らかに“入ることが想定されていない”ところに入り込みつつも、元気そうだ。崖を駆け下り、そのまま湖に突入している。しかし、ここでさらなる罠が発動した。湖底には当たり判定がないようなのだ。入水を試みたレオンは“ゲームの外”に落ちてしまい、そのまま無限に続くかのような奈落に飛び込むこととなった。なお、上述の投稿の約1週間前にも、まったく同じポイントで別のユーザーが落下現象を報告。こちらでは、よりストレートな落下となっているものの同様に落下ダメージはない。また、トレジャーの存在するゾーンに運良く着地しているのも注目ポイントだろう。

https://www.reddit.com/r/residentevil/comments/12535fb/for_a_second_i_thought_maybe_i_found_a_neat_new/

まるでちょっとした段差を降りるかのように、断崖ジャンプからの着地を見せたレオン。この挙動は、『バイオハザード』シリーズに脈々と受け継がれている仕様によるものだろう。シリーズではイベントとしての落下死や負傷などはしばしば発生するものの、高所から落ちても基本的に「落下ダメージ」は発生しないのが慣例となっている。一例として、オリジナル版『バイオハザード4』の序盤では、明らかに常人であれば骨折を免れない高さの塔を飛び降りてもレオンはダメージを受けない。それどころか「飛び降りる」と操作表示が出て安全な落下を促してくれるのだ。

*オリジナル版『バイオハザード4』

*オリジナル版『バイオハザード4』


こうした仕様は『バイオハザード』シリーズの中でも一貫。ジャンプ操作がないのも慣例のため、「落ちることができる」ポイント自体が少なく、開発側の想定した部分に設けられている。やけに高所から落ちても落下ダメージが存在しないのは、そうしたステージ設計上の方針ゆえに、落下ダメージシステムが必要ないためだろう。『バイオハザード』シリーズのマップ高低差は「飛び降りられるところは、飛び降りても(だいたい)安全」という“お約束”をしっかり守ったり、無傷で往来できることでマップ移動におけるプレイヤーの利便性を高めたりするように設計されているわけだ。

今回のレオンの華麗なる絶壁無傷落下は、そうしたシリーズの慣例的な仕様と、『バイオハザード RE:4』の高低差に富んだステージ設計から生まれた「想定外の飛び降り」が噛み合った結果の偶然だろう。なお、以前には『バイオハザード リベレーションズ2』の協力プレイ環境にて、落下グリッチが報告されている。こちらも高所からの落下と着地の様子が見られるものの、キャラ自体は無傷な一例だ。また、最終的にマップ外の奈落に落ちていく様子も似通っている。

なお、前述の一連のRedditスレッドでは、投稿者が「スピードラン(RTA)に活かせそうだと頭をよぎった」との旨を語っている。また、コメント欄においても本作のクリアタイム短縮ショートカットとしての活用に期待を示すユーザーが散見される。落下のコントロールや着地後の行動のほか、新たな“落下スポット”の発見などで、ショートカットとしての可能性が開かれることもありそうだ。

なお、本作ではすでに「スコープ覗き込みグリッチ」が発見され、RTAなどに利用されている(関連記事)。スピードラン記録集計サイトSpeedrun.comの本作RTAカテゴリ解禁は、遅くとも現地時間4月14日となる見込み。Any%(達成度問わず)カテゴリなどでは、あの手この手の熾烈な競争が見られそうだ。また、今回発見された落下スポットは共通の箇所となっているため、グリッチを回避したいプレイヤーは該当箇所の段差を降りる際は注意するとよいだろう。

『バイオハザード RE:4』は、PC(Steam)/PS4/PS5/Xbox Series X|S向けに発売中だ。



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