とあるゲーム開発者、「勝手にPS4/Nintendo Switch版を発売された」「勝手にセールされた」と憤慨。連日の怒り表明


デベロッパーのConradical Gamesは12月7日、新作『The Outbound Ghost』に関して声明を発表した。同スタジオは先週にも別の声明を出しており、具体的に名指しはしていないが、本作の販売を担当するパブリッシャーDigeratiへの不信感を滲ませている。

『The Outbound Ghost』は、幽霊が主人公のRPGだ。舞台となるゴーストタウンには、この世に未練があり成仏できないでいる個性的な幽霊たちが暮らしており、プレイヤーは彼らに安らぎを与えて冥界に昇るのを手伝ってあげなければならない。ターン制バトルにて過去と戦ったり、パズルを解いたりといった要素が用意され、またステータスアップに繋がるクラフト要素や、『ペーパーマリオ』風のキャラクター表現などが特徴となっている。

本作は、Kickstarterキャンペーンでの成功を経て開発され、今年9月にPC(Steam)版がリリース。そして11月30日にPS4/PS5版が、12月1日にはNintendo Switch版も海外にて配信された(Xbox One/Xbox Series X|S版は後日配信予定)。ただ、Nintendo Switch/PS4/PS5版の配信直後の12月2日、開発元Conradical Gamesが声明を発表し、これらのコンソール版のリリースについて望んでいなかったと述べた。

Nintendo Switch/PS4/PS5版のいずれもKickstarterキャンペーンにてリリースが約束されていたものであるため、開発元はそれらの存在自体を否定しているわけではない。パフォーマンスの問題が報告されていたため、この段階での発売に反対の立場だったということのようだ。ただ、同スタジオはコンソールへの移植やそのテストには携わっておらず、リリースを止めることができなかったと振り返っている。

声明にてConradical Gamesは、ミスを正すよう関係各社に働きかけているところであるとしていた。そして12月5日になって、販売元Digeratiが声明を発表し、Nintendo Switch版のパフォーマンスの問題について釈明した。同社によると、発売日に修正パッチを配信する計画だったが、任天堂による認証プロセスを通過できなかったそうだ。来週にはパッチを配信できるだろうとコメントしている。

各コンソールにおいては、パッチなどを配信する際にはプラットフォームホルダーによるチェックを受けなければならず、そこで問題が見つかって配信が遅れるということは時折発生する。本件については、Digeratiが見切り発車的に発売してしまったため、開発元が慌てて声明を出す事態となったようだ。ただ『The Outbound Ghost』に関しては、程なくして別の問題が報告されることとなった。

開発元Conradical Gamesは12月7日に、新たな声明を発表した。今度は『The Outbound Ghost』のSteam版において、同スタジオの許可なくセールがおこなわれているという訴えである。しかも、前回実施したセールからはわずか6日しか間隔が空いていないという。なお、Steam版の販売についてもDigeratiが担当している。

頻繁にセールをおこなうというのも販売戦略のひとつとしてあり得るのかもしれないが、開発元としては良い手法だとは感じていない様子。メーカーや作品への印象を悪くしてしまう可能性があるためだろう。作品の販売方針についてどのような契約になっていたのかは定かではないが、無断でセールがおこなわれ開発元が憤慨しているという状況だ。

なお現時点では、こちらの件についてはDigeratiからは特に声明は出されていない。先述したコンソール版のパフォーマンスの件も含め、開発元と販売元のコミュニケーション不足が招いた事態であるようにみえ、円満に解決されることを望みたい。