『Apex Legends』新シーズンについて開発者インタビュー。新マップには激戦区3つあり、国内チート対策の現状も


来月11月2日に新シーズン「エスケープ」が開幕する『Apex Legends』。同シーズンでは、新レジェンドのアッシュや新マップのストームポイント、新武器C.A.R.SMGが実装される。新シーズンの到来に期待が高まる中、サービス開始から2年以上経過した本作は今後どのような展開を迎えていくのか。弊誌は今回、新シーズンにまつわる質問や、チート対策の現状などについて開発陣に話をうかがうことができた。本稿ではそのインタビュー内容をお届けする。
 

 
なお、今回のインタビューに参加していただいた開発メンバーおよび、各メンバーの担当役職は以下のとおり。 
 

 
Devin Weise氏―デザイナー 
Ashley Reed氏―シニアライター 
Rodney Reece氏―レベルデザイナー 
Steven Ferreira氏―チームディレクター 
John Larson氏―バランスデザイナー 
 

 
――『Apex Legends』では、レジェンドたちが織りなす物語も大きな魅力だと思われますが、シーズン5にあったシーズンクエストや、ゲーム内コミックなどのストーリーコンテンツは今後のシーズンでも展開していくのでしょうか。また、新シーズンには、そうした類のコンテンツは実装されるのでしょうか。 

Ashley Reed氏: 
はい、今後もクエスト形式のストーリーコンテンツは続けていきたいと思っています。ただ、その際は新しい要素を取り入れていきたいので、今後も様子見しつつ実験的にいろんなかたちでストーリーコンテンツを提供していきたいと考えています。新シーズンにはコミックコンテンツは基本的にないですが、SNSなどで部分的に公開するかもしれません。 

――アッシュの登場によってレジェンドの総数は19体になります。たくさんのレジェンドがいると、それだけバランス調整も大変になると思われますが、今後も新シーズンごとにレジェンドを増やしていくのでしょうか。それともレジェンドの追加ペースは今後変更されるのでしょうか。 

Devin Weise氏: 
レジェンドの追加ペースについては、何体であればバランスがいいのか、私たち開発チームもローンチ時からずっと考えてきました。ただ、今はまだレジェンドの追加ペースを変える時期ではないと考えています。レジェンドは『Apex Legends』の命ともいえる部分ですから、しばらくは今のペースで続々と新レジェンドを登場させていく予定です。 
 

 
――新シーズンでは新マップとしてストームポイントが実装されますが、キングスキャニオンのスカルタウンや、ワールズエッジのフラグメントのような、いわゆる激戦区となる場所は存在するのでしょうか。 

Rodney Reece氏: 
はい、ありますよ。バロメーター、アンテナ、コマンドセンターの3つのロケーションが激戦区になると思います。これらはスカルタウンを参考にデザインしました。また、プレイヤー同士の混雑を避けるため、激戦区はマップの中心ではなく、その周囲に設置しています。激戦区を3つにしたのも、プレイヤーを分散させるためですね。 

――ゲームバランスについて、シーズン10の開幕以降、紫アーマーの出現率が高くなったような気がします。新シーズンではレジェンドや武器のほか、アイテム(アーマー/ホップアップアイテム/各種武器)のドロップ率も調整されるのでしょうか。 

John Larson氏: 
いい質問ですね。アイテムのドロップ率は私自身も意識していた部分で、これまでには強力な武器や強いアーマーのドロップ率を分析しました。ただし、現時点でドロップ率に問題はなく、調整の必要はないと考えています。ただ、もし今後、強いアーマーがドロップしすぎる問題などがあれば、AIを使ってマップに調整を施していく可能性はあります。 
 

 
――ランクマッチについて、シーズン8では獲得ポイントの上限が増えたり、ダイヤ帯以下のプレイヤーがより実力の近いプレイヤー同士とマッチするようになったりと、システムが大きく変更されました。こうしたランクマッチの制度は新シーズン、あるいは今後のシーズンでも調整される可能性はあるのでしょうか。 

John Larson氏: 
ランクマッチのシステムについては、今後も微調整をおこなっていく予定です。バトルロイヤルゲームはダメージ数、キル数、勝利数など、スキルの判断基準が多く、プレイヤーの腕前を推し量るのが難しい面もあります。ですので、キルポイントの獲得上限を上げる以外にも、プレイヤーをいろんな側面から柔軟に評価できるよう、今後もランクマッチの微調整は流動的におこなっていく予定です。 

――今年9月、日本含むアジア向けのセキュリティ担当としてMatsuokaさんが加入されましたが、日本リージョンの不正者対策に改善の傾向は見られるでしょうか。もし実例や具体的な数字などがあれば教えていただきたいです。 

John Larson氏: 
はい、状況は改善していると思います。特に日本ではこれまで、不正者対策サポートの提供が十分ではありませんでした。いまは Matsuoka 氏が日本向けの不正者対策サポートを担当することになり、セキュリティチームも設立し、不正に対応する人材も割り当てています。こうしたチート問題への事前対応もあり、ここ数か月で状況は改善していると思いますよ。 

――ありがとうございました。 

『Apex Legends』新シーズン「エスケープ」は、現地時間11月2日に開幕予定だ。