『Call of Duty』新アンチチート流出騒動についてActivisionが「問題ない」と豪語。高度な情報戦の可能性も示唆

 

先ごろ、一部ファイル流出疑惑が持ち上がった『Call of Duty: Vanguard』および『Call of Duty: Warzone』向け新アンチチートシステム「RICOCHET Anti-Cheat」。Activisionは10月16日、一連の騒動を受けてシリーズ公式Twitterアカウント上で「問題ない」という声明を出し、理由について語った。
 

 
「RICOCHET Anti-Cheat」は、Activisionが10月14日に発表した新アンチチートシステム。新作『Call of Duty: Vanguard』および『Call of Duty: Warzone』に実装予定だ。このシステムはPCのオペレーティングシステムに近しい層で動作する「カーネルレベルドライバ」を実装。サーバー側でのチート対策など複数の施策が盛り込まれている。Activisionが事前にチーターに対して大々的な“宣戦布告”をしていたこともあり、高い堅牢性が期待されている。

一方で、発表翌日となる10月15日には、上述のカーネルレベルドライバのシステムファイルと称するファイルがWeb上に共有された。真贋は不明だったものの、発表からファイルが流出した疑惑が出回るまでのスピード感に、少なくない数のユーザーが衝撃を受けた(関連記事)。しかし、今回 ActivisionがTwitter上で出した声明によれば、たとえファイルが流出していても問題はないとのこと。また、サードパーティーを含むテストプロセスについても触れて高度な情報戦の可能性を示唆した。
 

 
まず、「RICOCHET Anti-Cheat」は現在ライブテスト中とのこと。ユーザーのPCにインストールされる前に、同アンチチートは“死ぬほどテストされる”そうだ。また、チート対策は前述のとおりサーバー側でも実施されるため、ファイルが早期流出しても影響は緩和される。そして、気になるのが「テストの一環として、ドライバのリリース前バージョンをいくつかのサードパーティーに提供している」と伝えた点だ。

つまりActivisionは、先ごろ出回ったファイルについて、暗にサードパーティーから流出した可能性を示唆していると考えられる。また、Activisionがリークを公算に入れてドライバを渡す「情報戦」に取り組んでいた可能性もあるかもしれない。いずれにせよ、Activisionもただ無為に流出させてしまったわけではない、という主張だろう。ツイートは「今週はRICOCHET Anti-Cheatについてめちゃくちゃ盛り上がってたね。まあ、問題ないよ!」という言葉で締めくくられている。

先ごろ出回ったファイルについては、最終的にはユーザーの手に渡るドライバのシステムファイルだった。早期流出はチート製作者に一日の長を与えてしまうものの、「RICOCHET Anti-Cheat」の有効性が大きく損なわれる事態には必ずしも繋がらないと見られる。流出したのが“リークも織り込み済み”のファイルだったとすれば尚更だ。結局、流出したとされたファイルの真贋については明言されていない。今回のActivisionによる言葉の真偽は、『Call of Duty: Vanguard』リリースとともに開戦する、チーターたちとの戦いで示されるだろう。

『Call of Duty: Vanguard』は「RICOCHET Anti-Cheat」とともに、PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S/PC(Battle.net)向けに11月5日発売予定。同アンチチートは『Call of Duty: Warzone』にもPacificアップデートとともに年内導入予定だ。