『Call of Duty: Vanguard』発表、11月5日発売へ。第二次世界大戦を舞台にヨーロッパ、アフリカ、太平洋の戦争を描く

 

Activisionは8月20日、『Call of Duty: Vanguard』を発表した。開発を担当するのは、『Call of Duty: Advanced Warfare』『Call of Duty: WWII』を手がけてきたSledgehammer Games。本作は第二次世界大戦をテーマに、西部戦線、東部戦線、北アフリカ戦線、太平洋と世界中の戦場を描く。発売日は11月5日で、対応プラットフォームはPlayStation 4/PlayStation 5/Xbox One/Xbox Series X|S/PC(Battle.net)を予定。コンソールでは60fpsでの動作を実現しているとのこと。
【UPDATE 2021/8/20 2:50】
対応プラットフォームについて追記

キャンペーンでは4人の主人公が登場し、特殊部隊の誕生が語られる。マルチプレイヤーモードではローンチ時点で20のマップをサポート。さらに新モードとして「Champion Hill」がプレイ可能となる。またTreyarch Studiosと共同開発するゾンビモードも登場。バトルロイヤル作品『Call of Duty: Warzone』との連携も実現し、Raven Software主導で新マップを追加する。

Activisionはメディア向けにオンライン説明会を開催し、『Call of Duty: Vanguard』のキャンペーンやマルチプレイヤーモードの一端を公開した。ゾンビモード、『Call of Duty: Warzone』に関する情報も明らかにされたので、本稿で紹介していこう。



キャンペーン

本作の舞台となるのは第二次世界大戦時のヨーロッパ、アフリカ、太平洋。連合国と枢軸国が争い、戦火は世界中へ広がっていた。そんな時代背景をベースに本作では4人の主人公が登場する。それぞれ異なる出身地、人種、性別をもつ人物であり、彼らの戦場もまた異なる場所であるようだ。

キャンペーンの一部ゲームプレイを紹介するトレイラーでは、主人公のひとりアーサー・キングスレーのノルマンディー上陸作戦の前夜が描かれる。映像では、空挺部隊であるアーサーの飛行機が被弾。燃える機内から飛び出した彼は、パラシュートで命からがら敵陣へ降下する。彼が降下した場所はドイツ軍の高射砲陣地らしき場所。ドイツ兵と戦いながら、味方の生き残りを捜しているようだ。

燃える風車小屋や布越しに見える人影、高射砲の爆炎で一瞬昼間のように明るくなる森など、グラフィックはシリーズ過去作からさらに強化されているようだ。また破壊表現も進化している。銃弾で穴があくドアや床、キャラクターがぶつかって破壊される家具など、環境がプレイヤーの行動で変化している。


第二次世界大戦は特殊部隊の黎明期でもあったという。本作は大規模な戦場ではなく、比較的小規模な特殊部隊の活動をテーマとする。4人の主人公の視点から、個々の戦争体験に焦点を当てた物語が展開されるのだろう。

Sledgehammer Gamesは歴史資料や写真を調査し、第二次世界大戦当時の人々がどのような暮らしをしていたのかを再現しようと試みたという。『Call of Duty』シリーズらしいアクション映画さながらの迫力ある演出と同時に、歴史的な事実に忠実であろうとすることもキャンペーンモードの目標であるようだ。

4人の主人公

また史実に基づいた説得力のある物語にするため、4人の主人公はそれぞれ実在の人物がモデルとなっている。1人目の主人公はArthur Kingsley(アーサー・キングスレー)。イギリス出身の彼は、D-デイ前夜のトンガ作戦に参加した空挺部隊のリーダーだ。コンセプトアートでは、ゲシュタポに捕らえられる様子も確認できた。モデルとなったのはイギリス軍のSidney Cornell(シドニー・コーネル)氏。
【UPDATE 2021/08/20 4:38】作戦名を訂正


2人目はPolina Petrova(ポリーナ・ペトロ―ヴァ)という女性の狙撃手だ。彼女のエピソードでは、ソビエトとドイツが繰り広げた史上最大の市街地戦スターリングラード攻防戦が描かれる。Sledgehammer Gamesがとくに思い入れをもって制作したエピソードであるという。モデルとなった人物は「死の女」の異名をもつソ連の女性スナイパー、Lyudmila Pavlichenko (リュドミラ・パヴリチェンコ)氏だ。

ちなみにこのキャラクターは『Call of Duty: Warzone』にも登場している。『Call of Duty: Warzone』では先日、勝利時のエンディングが変化して、最後にヘリから脱出するプレイヤーをモシンナガンらしき銃で狙撃する女性スナイパーの姿が確認されていた(関連記事)。彼女は新作のティザーとして登場していたわけだ。


3人目はWade Jackson(ウェイド・ジャクソン)で太平洋戦争が舞台。パイロットである彼は航空母艦エンタープライズから飛行機で飛び立ち、ミッドウェー海戦へ参戦する。日本の航空母艦を撃沈する活躍が描かれるようだ。さらに歩兵として上陸作戦にも参加する。Vernon ‘Mike’ Micheel(ヴァーノン・“マイク”・マイケル)氏がモデルだという。


4人目は北アフリカ戦線で戦ったLucas Riggs(ルーカス・リグス)。ニュージーランド出身のCharles Upham(チャールズ・アップハム)氏をモデルにしたという。 彼もまた特殊部隊のメンバーとして重要な役割を果たすのだという。


敵キャラクターも実在の人物をモデルにしている。今回の発表では、ゲシュタポ局長のHeinrich Müller(ハインリヒ・ミュラー)をモデルにしたHeinrich Freisinger(ハインリヒ・フレイジンガー)が紹介されていた。第二次世界大戦にてナチスドイツは、ベルリンが赤軍に包囲されてもなお戦争を続けていたことで知られる。作品内の連合軍の首脳部は、ナチスドイツの進める「プロジェクトフェニックス」なる計画の存在を発見。連合国の特殊部隊がベルリンへ集結するとのことだ。

公開された動画では炎の表現、銃弾で破壊されるドア、空まで届くような煙などグラフィックも印象的だ。こうした演出面の強化を実現するゲームエンジンもまた、過去作から進化している。本作は2019年の『Call of Duty: Modern Warfare』で使用されたゲームエンジンを『Call of Duty: Vanguard』用にカスタマイズしたとのこと。美しい風景、リアルな人物、そして快適なパフォーマンスを実現することを目標に改良をほどこしたという。

とくに煙の表現については、開発チームがカリフォルニア州で発生した山火事を撮影し、ゲームに取り込んだという。ゲーム内の本物さながらの煙や赤く染まる空は、実写の映像を元にしたものであるようだ。さらに飛行機の音も実際に録音しており、リアリティへのこだわりを感じさせる。


マルチプレイヤー

『Call of Duty: Vanguard』には、過去作同様マルチプレイヤーモードが搭載されている。さらにローンチ時から20ものマップがプレイ可能だ。そのうち16マップは、通常の6対6用のコアモードをサポート。西部戦線、東部前線、北アフリカ戦線、太平洋と、キャンペーン同様、世界中の戦場が舞台になっている。

また本作では、新たなゲームモード「Champion Hill」が登場する。こちらはバトルロイヤルと、2対2の「Gunfight」を組み合わせたようなモードだという。同モードでは、ソロ(1v1)またはデュオ(2v2)やトリオ(3v3)でチームを組み、8チームによるトーナメント形式の直接対決がおこなわれる。1チーム対1チームで争っていき、4 つのマップで構成されたアリーナで最後の 1 部隊を目指して戦うのだ。
【UPDATE 2021/08/20 5:15】Champion Hillについて追記
【UPDATE 2021/08/20 10:05】Champion Hillについて、プレスリリース情報にあわせて追記


ゾンビとWarzone

最後にゾンビモードと『Call of Duty: Warzone』についても少し説明があった。ゾンビモードは、PvEと謎解きで人気の協力プレイモードだ。本作では、ゾンビモードに定評のあるTreyarch Studiosと共同で開発。ストーリーとしては『Call of Duty: Black Ops – Cold War』のゾンビモードの前日譚となるようだ。作品をまたいでのクロスオーバーは今回が初となるとのこと。

またバトルロイヤル作品『Call of Duty: Warzone』では、Raven Softwareが開発する新マップが年内に実装予定だ。さらに新しいアンチチートシステムが実装されるという。『Call of Duty: Vanguard』の武器もシームレスに統合されるとのこと。『Call of Duty: Vanguard』発売後も、『Call of Duty: Warzone』へコンテンツの追加がおこなわれるようなので、続報に期待したい。

『Call of Duty: Vanguard』は11月5日発売予定だ。対応プラットフォームはPlayStation 4/PlayStation 5/Xbox One/Xbox Series X|S/PC(Battle.net)を予定している。