『モンスターハンターライズ』にて「痛風テーブル」なる用語が話題沸騰中。レアアイテムを追い求めるハンターたちの壮絶な検証

 

モンスターハンターライズ(以下、ライズ)』の発売から3週間。発売から狩猟し続けているハンターたちは、登場モンスターの初狩猟を終え、理想とする装備の作成やレア素材の備蓄などに勤しんでいることだろう。現在そんなハンターたちの間では、“痛風テーブル”というワードが話題となっているようだ。

この痛風テーブルというワードは、『モンスターハンター』シリーズ歴の長いプレイヤーであれば理解できる “モンハン用語”を組み合わせたものである。逆にいうとシリーズ未プレイ、あるいは本作から狩猟を始めたハンターの中には、何を意味しているのかさっぱり分からないという方もいることだろう。そのワードを見るだけで恐怖を感じる方もいるかもしれない。本稿ではそんな方に向けて、ワードの語源やバイラル化した経緯について紐解いていきたい。

熟練ハンターが追い求める護石とは


昨今の『モンスターハンター』シリーズ作品には、ハンターの能力を高める「スキル」というシステムが存在する。スキルは胴・腕・脚といった、部位ごとの防具に付与されているスキルポイントの合算値が一定の数値に達すると発動する仕組みだ。合算値が上昇するほどスキルの効果が高くなるものも存在する。なお 、『モンスターハンター:ワールド』『ライズ』ではスキル発動に必要だったスキルポイントがスキルレベルへと変更されている。レベルが1以上あるスキルであれば発動するようになり、ポイント制よりも発動契機が分かりやすくなった。

スキルを発動させることで、たとえば「攻撃」スキルで火力を底上げしたり、「気絶」スキルで行動不能になる気絶状態を無効化したり、「回避距離」スキルでモンスターの攻撃を避けやすくしたりといったことが可能。付与されるスキルから防具の構成を練っていくことで、狩猟の効率化や、自身のプレイスタイルにあった能力の上昇が図れるわけだ。


しかしながら、防具一式のみでは発動可能なスキルが限られてくる。そこでさらなる能力上昇を図るハンターたちが手を伸ばし始めるのが、防具と同様にスキルが付与可能な装飾品の「護石」である。護石に付与されるスキルにはランダム性があり、ある護石には納刀と攻撃スキル、また別の護石にはスタミナと気絶スキルといったように、入手した護石によって性能が異なる。
【UPDATE 2021/4/16 19:50】
スキルシステムについて追記

なお護石にはレアリティが存在し、会心攻撃時のダメージが増加する超会心スキルや斬れ味ゲージを長くする匠スキルなど、レアリティが高いものほど武器種問わず汎用的に扱えるスキルを備えている。護石によっては複数の有用スキルを備えるものも。ゆえに熟練のハンターたちは、レアな護石が入手可能とされる高難度クエストなどをひたすら周回しているのだ。

この行為はシリーズ最新作である『ライズ』はもちろん、護石がシリーズに導入された『モンスターハンター3』以降から見受けられるもの。熟練ハンターたちの間では“護石マラソン”、あるいは“お守りマラソン”と称してエンドコンテンツ化されている。ちなみにお守りというのは、過去作で登場したアイテム。過去作では、鉱石採掘やクエスト報酬などで入手したお守りを鑑定することで護石が入手できたのだ。

護石マラソンによって浮かび上がったひとつの仮説


ここからは少し過去作の話に遡る。『モンスターハンター3』シリーズにおいては、護石マラソンに日々勤しむハンターの中から、何百回・何千回と掘り続けた護石の性能をひとつひとつ記録し始める者が複数現れた。その複数の記録を見た大勢のハンターたちの議論から、とある仮説が浮かび上がることに。それは、掘り出される護石(お守り)の性能は完全にランダムで抽選されているのではなく、ある一定の周期・規則性に従って入手できるものが算出されているのではないかという説だ。

この仮説が浮上した理由は何か。まず何千回と記録された護石性能のバリエーションが、完全ランダム抽選であるにも関わらず限られたものしか見受けられないという点。そしてある一定の周期を境に、まったく同じ性能の護石が掘り続けられる事象が発生したという点だ。当時この仮説を受けて検証者が増加。膨大なデータをもとにさらなる検証が進められた。その結果、護石を抽選するテーブルはキャラクターごとに固定化されており、そのテーブルに従って護石が入手できる仕組みになっているのではないかという結論に至ったようだ。

この一連の壮大な検証から、シリーズにおいて“テーブル”というワードが定着し、今回のミームにも組み込まれている。なお、この結論はあくまで仮説であり、非公式のものであることは重々留意してほしい。


本作における検証によって生まれた“痛風テーブル”


さて、話はシリーズ最新作に戻る。『ライズ』においても、理想の護石を追い求めるハンターたちの間で日夜検証が進められている。検証には護石の性能がランダム抽選されるマカ錬金の錬金方法「錬金術・幽玄」を指定。複数データがSNSなどで公開され、参考材料とされている。

現段階の検証結果によると、過去作同様にある一定の周期・規則で同じ護石が手に入ることから、本作においても入手できる護石はテーブルをもとに抽選されているのではないかという仮説が立てられているようだ。そして検証が進む中、さまざまなテーブルが発掘されている。そのテーブルのひとつが、今回話題となっている “痛風テーブル”に該当する。


今回テーブルと組み合わせられた“痛風”というワードは、プレイヤーが痛風テーブルに該当するのかどうかを特定する護石の性能を指し示すもの。具体的には「弱点特効2・風圧耐性2・スロットなし」の護石が入手できた場合は、痛風テーブルに当たるものとされている。“痛風”の“痛”は弱点特効スキルのシリーズ旧称である「痛撃」から取ったもの。“風”は風圧耐性の1文字が取られている。そのネーミングもさることながら、痛風テーブルは長期に渡って良い護石が出ないとされているようで、“当てはまりたくないテーブル”として注目を集めた。その結果、Twitter上でトレンド入りするほど話題に挙げられたようである。なお重ねてになるが、最新作においても本内容は非公式の仮説であるという点は留意してほしい。


ちなみに、『モンスターハンターライズ』にて護石の入手経路となるマカ錬金については、一部ユーザーにおいて錬金をおこなった際に一定順序で同じ護石が排出される事象を確認しているとカプコン側が認めている。本事象については原因究明に向けて検証中であり、今後の対応はあらためて報告されるとのことだ。同じ性能の護石が短期にループして確認できているというプレイヤーは、今後の続報を待とう。

ちょっぴり痛々しいワードが生まれる結果となったが、たとえ有用なものでなかろうと、護石自体は装備構成の幅を広げてくれる装備のひとつ。本作では護石を生み出す材料の種類も豊富に拡張されている。特定のモンスターを周回せずとも、さまざまなモンスターの狩猟を重ねることで材料は自然と貯まっていくことだろう。初めてシリーズに触れたという方も、狩猟後の楽しみのひとつとしてマカ錬金を利用し、より深みのあるハンターライフを味わってもらいたい。