裸ボディペイントの配信はTwitchではNG。ゲーム実況コスプレイヤーが永久BAN処分を受ける

 
Image Credit : forkgirl

ゲーム実況やコスプレ配信をするforkgirl氏は2月13日、Twitchにて永久BAN(INDEFINITELY BANNED)処分を受けたようだと報告した。forkgirl氏は、配信時は『SMITE』のキャラクターであるPersephoneの、ボディペイントのコスプレをしていたのだという。現在同氏のTwitchページは一時削除されており、本人が配信不可というだけでなく、ユーザーも過去の放送を視聴できない状態だ。Dexertoなどが詳細を報じている。

ボディペイントは、その名のとおり塗料などで肌の上にペイントをする行為。ジャンルとしては多岐にわたるが、衣服などを着用せず、素肌の上からペイントした状態を指すことが多い。forkgirl氏のペイントもそうした例に漏れていない。同氏はゲームを嗜みつつゲームやアニメ、映画キャラのコスプレ姿を披露。コスプレをベースとしたボディペイントを身体に施し披露するなどし、精力的な活動を続けてきた。最近では『Dead by Daylight』のハントレス、『ソウルキャリバー』シリーズのカサンドラのボディペイント姿を配信し、固定ファンを抱えている。

しかし同氏は、2月13日にTwitchからBANを受けたことを報告。昨年6月にも24時間限定のBANを受けていたが、今度は永久BANであるという。ボディペイントされているとはいえ、姿としては基本的に裸に近い状態。Twitchのサービス利用規約の9項目に禁止行為について明記されておりその中に「不正確、違法、権利を侵害する、中傷、わいせつ、ポルノ、プライバシーまたは肖像権の侵害、嫌がらせ、脅迫、濫用、扇動的その他の不快なコンテンツを作成、アップロード、送信、頒布、または保存すること。」という規定が存在する。インターネット放送で、裸を見せればポルノ扱いされ出禁を受ける。そう解釈もできるわけだが、今回の件がややこしいのは、Twitchが2018年に「ボディペイントは問題ない」と明言していたことにある。

2018年2月にTwitchは、ユーザー向けにガイドラインの基準などを説明するストリーム「Community Guidelines Stream」を実施。その中で、コンテクスト次第であるが、ただボディペイントをするというだけなら、ボディペイントは問題ないと断言している。同様の回答がCommunity Guidelinesアップデート記事にも記載されており、こちらもコンテクストによるという注釈をつけつつ「ボディペイントやダンス、そのほか、ポリシーに違反していないクリエイティブなアクティビティは、歓迎されています」と書かれている。

またforkgirl氏によると、同氏は単に裸にペイントをした状態で配信していたわけではなかったとのこと。性器が映らないように上半身のみを放送していたり、ニップレスをつけていたり、胸が完全に隠れきるまで腕で胸部を隠すなど、さまざまな配慮をしていたと主張。運営側がボディペイントを容認する背景を踏まえながらも、セクシャルではなくアートとして認識してもらえるように気を配りつつ配信していたという。にもかかわらず今回のような処分を受けることは非常に残念であるとTwitch運営を批判。さらに昨年6月に一時BANを受けた時に説明を要求したが、その返信もかえってきていないと怒りを示した。

forkgirl氏はこれまでの自身のボディペイント活動をまとめた画像を投稿している。ボディペイントだと言われなければわからないものがほとんどで、乳頭を露出するようなものも確認できない。Twitch側がボディペイントを容認するコメントをしていることは事実で、このコスプレイヤーの言い分をそのまま信じるとすれば、非はTwitch側にあるように見える。しかしながら、過去の配信がすべて消えており、forkgirl氏が規約を遵守して配信をおこなっていたのかは、本人とTwitch側しか確認できない状況にある。Twitch側はコンテクストにもよるとコメントしており、たとえばストリーマーが意図せずセクシャルな言動をしており、それをきっかけにボディペイントが規約に引っかかったという可能性もあるだろう。

Twitchにおいては、その自由度の高さもあり、セクシャルな表現をめぐってのトラブルが絶えない。ストリーマーのquqco氏は、春麗のコスプレを着用しストリームしていた際、配信内容が性的で扇情的であるという理由で一時的なBAN処分を受けていた(関連記事)。そのほか、乳頭を露出しながら赤ちゃんに授乳する場面を配信した女性配信者が、一時BANされその後処分を解かれるというケースもあった(関連記事)。どこまでが性的で、どこまで性的ではないか。そしてその性的であることは、どこまで許されるのか。表現における性の定義は、Twitchには限らない複雑な問題。ボディペイントのような形態ならば、なおさら判断が難しい。Twitch運営側もそうした性の基準の判定に苦慮しているのかもしれない。

ちなみに2011年には、アメリカにてボディペインティングを施し街中でパフォーマンスをしていたモデルが逮捕されるという事件が発生していた(DailyMail)。日本でも公の場で性器などを露出すると、公然わいせつ罪で罰される可能性あり(インターネット含む)。ボディペイントはアートの一種といえる完成度が高いものも多いが、街中やインターネットで展示することにおいては、まだまだトラブルに巻き込まれる可能性を有しているかもしれない。


国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)