『ポケットモンスター ソード・シールド』の壁抜けグリッチが早速進化。“亜空間”に侵入し、エンジンシティ周辺の上空/地中に行ける

 

ポケットモンスター ソード・シールド』にて先日、壁抜けグリッチが発見された。壁抜けグリッチとは、ゲーム内に存在する見えない壁の外に行くことができるというもの。きのみの木を研究するBLAINES氏が発見したこのグリッチによって、壁の外の世界に行くことができる(関連記事)。あそびやRTAの可能性を広めるグリッチは、この短期間でさらに研究が進められ、大きな進化を見せている。

同グリッチを研究しているゆきのさん氏にうかがった話をまじえて、改めてグリッチの手順と現象を説明しておこう。前回の記事よりも、無駄のない手順の流れを記述する。

1. 3番道路のキャンプ東(エンジンシティ西)の、きのみの木のそばに行く。
(壁に近いきのみの木が必要であるため)
2. ロトムじてんしゃに乗り、できるだけ木に食い込む。
3. ポケモンが出てくるまで木を揺らし、遭遇したポケモンから逃げる。
4. 少しだけスティックを倒し、木に食い込む。
(ここでセーブしておくと、後の作業を失敗した場合少し楽 / この段階でのセーブは問題ないと考えられている)
5. オンラインにつなぎ、ランクバトルをおこなう。かってもまけてもよし。
6. 木にきのみを実らせるため、本体設定から日付を変える。
(Y-COMMメニューからマックスレイドバトルをはじめ、待機時間に日付を変え、そのまま退出するのも有効との説も)
7. 再び木を揺らす。ポケモンが落ちてくるまで揺らす。
8.  戦闘から逃げる。成功すると壁の外に出ることができる。

なお、ランクバトルについては日付を変更することによって生まれる日付変更ペナルティ(きのみが実らなかったり、デイリー系イベントが数日間発生しなくなる)をリセットするために必要なのだとか。

以上の手順をおこなうことによって、3番道路の外に行くことが可能となった。また前出のBLAINES氏の調査により、段差の部分でスティックを細かく入力することで、空や地下に行くことができることも判明していた。しかしながら、移動できるのは3番道路の“道の外”のみであった。3番道路の壁の外には、まだ壁があるからである。また空と地中も受ける/潜れる範囲は限られていた。しかしながら複数のユーザーのひらめきにより、その制限が解除されつつある。

もっとも大きな発見としては、ユーザーyem氏が見つけ出した「Voidグリッチ」。本稿では亜空間と呼ばせていただく。先程細かくスティックを入力することで、一定の高さまで浮くことができると説明したが、その入力中にロトムじてんしゃを降りることが、亜空間へたどり着く鍵となる。ロトムじてんしゃを降りることで、プレイヤーの高さが保存された状態での移動が可能に。そのまま南の壁まで進んでいき、ロトムじてんしゃに再び乗る。空に浮かぶためのスティック入力を進めていくと、あるところで移動可能な領域に達する。そこが亜空間であるというわけだ。この亜空間では、高さを上げる入力ではなく、下げる入力で地下を進むことでも到達可能。

https://www.youtube.com/watch?v=_8th2iamzyQ&feature=youtu.be

亜空間では何ができるかというと、ずばりエンジンシティとワイルドエリア含むその周辺を移動可能。前回の記事では、「『ポケットモンスター ソード・シールド』はオープンワールドではないがゆえに、3番道路外には出られないのだろう」と記述したが、実際のところ同作は複数のエリアがシームレスにつながっており、それらが大きな1区画となっていたわけだ。エンジンシティ周辺の区画を、空に浮かんだ/地中に沈んだまま侵入することが可能となる。この状態ではセーブをすることができるほか、そらをとぶにてグリッチはいつでも解除可能だが、あくまで不具合を利用しているという点は重々承知していただきたい。

なお、空中/地中を移動できる本グリッチであるが、通常のプレイで移動可能な道に侵入すると、その場所に足がつきグリッチ状態が解除されることを留意すべきだろう。つまり、地に足をつけないために、通常では通らない場所を移動する必要がある。そのほか、別ユーザーはじてんしゃと歩きの状態を切り替えることで、強引にエンジンシティに侵入したことを報告している。侵入経路は何かとありそうだ。また、同グリッチは木と壁に挟まっている状態で再現されるということで、3番道路のきのみの木が選ばれているが、ほかの場所の木で同じ現象を引き起こす調査も始まっている。

https://twitter.com/leenuzon/status/1206721683375173632

壁抜けし、エンジンシティとその周辺の上空を飛べる/地下に潜れる。それ自体には、新しさはない。隠しイベントやオブジェクトを見つけられたわけでもない。しかしながら、これらのグリッチは、同作のRTAを大きく前進させる可能性が秘められている。そして、禁断の世界に行く手段を見つけたユーザーたちの情熱は、もはや止められない。本番はこれから。壁抜けをし、亜空間に到達した数多のユーザーによる、ガラル地方への侵攻は始まったばかりなのだ。