『OVERKILL’s The Walking Dead』のSteam版が販売中止、購入不可状態に。Starbreezeはシーズン2の完成を目指すと主張

 

Starbreeze Studios(以下、Starbreeze)は2月27日、『OVERKILL’s The Walking Dead』のSteam版が近日発売中止になると発表した。実際に2月28日9時時点で、同作のSteamストアページが非公開になっている。

昨日、「The Walking Dead」のライセンスを保有するSkybound Entertainment(以下、Skybound)が、Starbreeze Studiosとの契約を打ち切り、『OVERKILL’s The Walking Dead』におけるすべての取り組みを終了すると発表していた(関連記事)。Skyboundは、Starbreezeと共にゲームにおける多くの問題を解決するため最善を尽くしていたが、『OVERKILL’s The Walking Dead』は、同社が求める水準にも、約束されていた品質にも届かなかったという。ファンに対しては謝罪しながらも、同IPを用いた別のビデオゲームコンテンツで、優れた品質のコンテンツで満足させていきたいと誓っていた。

権利を保有するSkyboundが、『OVERKILL’s The Walking Dead』への取り組みを断念する声明を発表したことから、発売予定であった『OVERKILL’s The Walking Dead』のコンソール版は事実上の発売中止になったと報じられ、またSteam版のアップデートは打ち切りになるとも見られた。しかし一方で、ゲームを開発しPC版を販売するStarbreezeと、コンソール版を販売する505 Gamesは何の声明も出していないことから、情報が錯綜する状態でもあった。しかしどうやら、Steam版の開発および販売が危機に瀕しているというのは、事実であったようだ。

Starbreezeは、ライセンス保有者であるSkyboundの申し立てによりSteam版の購入が不可状態になるという。Starbreezeは依然としてSkyboundと協議をしており、同作のシーズン2を完成させユーザーに届けるための、友好的な解決を探っているとのこと。CEOであるMikael Nermark氏は、こうした状態に陥ったことをユーザーに向けて謝罪し、『OVERKILL’s The Walking Dead』の公式チャンネルを介してさらなる情報を伝えるとしている。

この件を見るに、昨日Skyboundは、Starbreezeとの契約の打ち切りを発表していたが、どうやらこの契約解消は、双方が合意を得たものだというよりは、Skybound側が突きつけたものであると考えるのが妥当だろう。Starbreezeは昨年11月に発売した『OVERKILL’s The Walking Dead』の売上不振により、経営状態が悪化。会社の存続の危機がささやかれていた、コンソール版の発売無期延期が先月発表され、そして今回の全面的な開発および発売中止報道に至っている。Steamレビューステータスも発売直後から「賛否両論」の状態のままである。

『OVERKILL’s The Walking Dead』は、購入すればシーズン1およびシーズン2の全エピソードが遊べる6000円強の通常版。そしてシーズン1のすべてとシーズン2の4エピソードをセットにした3290円の「Starter Edition」が販売されていた。シーズン2は9エピソードが提供される予定であるが、現時点で配信されているのはシーズン2のエピソード3までである。Starbreezeは、このシーズン2のエピソード9まで開発を完遂したいと考えているようだ。

権利元であるSkyboundが放棄する声明を出して以来、余談の許さない状況にある『OVERKILL’s The Walking Dead』。週間もしくは隔週でおこなわれていたアップデート報告も途絶えつつある中、同作を遊び、アップデートを待ち望むプレイヤーに対するフォローはおこなわれるのだろうか。