『バイオハザード7』発売数日にして1時間37分で攻略する猛者が出現、日々塗り替えられるスピードラン記録

先日発売されたばかりのシリーズ最新作『BIOHAZARD 7 resident evil』(以下、バイオハザード7)を、すでに1時間45分前後でクリアするスピードランの猛者たちが続々と現れている。

先日発売されたばかりのシリーズ最新作『BIOHAZARD 7 resident evil』(以下、バイオハザード7)を、すでに1時間45分前後でクリアするスピードランの猛者たちが続々と現れている。同作のクリアタイムは短期間で次々と更新されており、今後も世界記録が頻繁に塗り替えられていくことが予想される。なお、記事内で紹介している動画は大いにネタバレを含む可能性があることを、あらかじめ明記しておく。未プレイもしくは未攻略のユーザーは視聴しないことを推奨する。

 

マラソンが速すぎて全然怖くない

『バイオハザード7』は、2017年1月26日にカプコンからPlayStation 4/Xbox One/Microsoft Windows向けに発売されたサバイバルホラーゲーム。新生バイオハザードと銘打たれているように、アクション要素に重点を置いてきた近年のシリーズから一転。純粋なホラー作品として原点回帰を果たした。これまで三人称視点に一貫してきたカメラワークを廃止して、アイソレートビューという一人称視点のゲームデザインが採用された。また、PlayStation VRにも完全対応したことで、限定的ではあるがバーチャルリアリティの普及に一役買っている。メディアやユーザーからの評価も極めて高く、すでに全世界での出荷本数が250万本を突破している。

ゲームクリアまでの最速タイムを管理しているSpeedrun.comによると、記事執筆時点での『バイオハザード7』世界記録は、カナダ人ユーザーBawkbasoup氏が樹立した1時間37分48秒だ。プラットフォームはPC版で難易度はイージー。後述する「New Game+」でプレイしている。本作には攻略時間に応じてアンロックされるクリア特典が用意されており、「New Game+」モードではそれらを使って2周目以降のゲームプレイが楽しめる。中には主人公の移動速度が劇的に向上する「Running Shoes」(4時間以内のクリアで入手)や、どんな強敵も一瞬で倒せる脅威のハンドガン「Albert-01」(難易度を問わずクリアで入手)といった強力なアイテムが存在するため、スピードランには欠かせない要素と言える。

これらクリア特典を一切使用しない通常モードにおけるベストレコードは、アイルランド人プレイヤーのuhTrance氏による1時間44分00秒。同じくプラットフォームはPC版で難易度はイージーにてプレイしている。驚くべきことに、ボーナスアイテムをフル活用した上記の記録とわずか7分48秒しか違わない。どちらのクリアタイムも1月26日に記録されたばかりのもので、今後さらに記録が塗り替えられていくことが予想される。事実、uhTrance氏は短時間の間に何度も自己ベストを更新しており、その軌跡はYouTubeで確認できる。ちなみにコンソール版での世界記録はPlayStation 4の難易度イージーで、アメリカ人LAGang4Eva氏の1時間45分48秒。「New Game+」モードにて達成している。

Skyrimで話題になった空中マッハ移動
Skyrimで話題になった空中マッハ移動

広義でのスピードランとは、主にPCや家庭用ゲーム機で最短クリアを目指すタイムアタック全般を指す。フレーム単位で状態保存が可能なツールを使った「Tool Assisted Speedrun」(略称TAS、国内外で一種の競技として親しまれている)では、エミュレーター上で起動させたスーパーファミコンやニンテンドー64といったレトロゲームがプレイされることが多い。中でも『Doom』や『Quake』、『スーパーマリオ』および『ゼルダの伝説』シリーズ、高難易度ゲームの金字塔『Dark Souls』シリーズなど、アクション要素の強い作品が競技対象として盛んにプレイされている。また、オープンワールドRPGにおいても、『Fallout 3』や『The Elder Scrolls V: Skyrim』に“Any%”(やりこみ度は考慮しないという意味)クリアで挑戦するスピードランナーが、海外を中心に切磋琢磨している。先日にも、同作のゲーム内を超高速で移動できるようになるグリッチ技を紹介した。

こうした競技としてのスピードランは近年、ゲームコミュニティが主催するスピードランマラソンという大規模なイベントにまで発展している。最も有名なコンベンションには、アメリカで夏期と冬期の年2回開催される「Games Done Quick」と、スウェーデンで催される「European Speedrunner Assembly」が挙げられる。数日から1週間におよぶ長時間のチャリティイベンドで、腕に自身のある参加者たちは複数のゲームタイトルを立て続けに最短でクリアしていく。その様子はTwitchなどの動画配信サービスでライブ中継され、集められた寄付金は慈善団体に全額寄付される。ちなみに、今月8日から15日までヴァージニア州で行われた「Awesome Games Done Quick 2017」では、イベント史上最高額の222万1880ドルを記録した。同冬期イベントの寄付金は例年、同州にあるガン予防基金へ提供されている。

Ritsuko Kawai
Ritsuko Kawai

カナダ育ちの脳筋女子ゲーマー。塾講師、ホステス、ニュースサイト編集者を経て、現在はフリーライター。下ネタと社会問題に光を当てるのが仕事です。洋ゲーならジャンルを問わず何でもプレイしますが、ヒゲとマッチョが出てくる作品にくびったけ。Steamでカワイイ絵文字を集めるのにハマっています。趣味は葉巻とウォッカと映画鑑賞。ネコ好き。

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