ハードコアバイクゲーム『Monster Energy Supercross 4』PS4版紹介。一筋縄ではいかないスーパークロスを堪能しよう

 

DMM GAMESは4月15日、『Monster Energy Supercross – The Official Videogame 4』を発売する。対応プラットフォームはPlayStation®4 / PlayStation®5。価格はどちらも通常版が8778円、Special Editionが1万2078円となっており、開発はMilestoneが担当する。オフロードバイクシミュレーターである本作では、100人以上の実在するライダーと実際に使用されたスタジアムが再現されている。リアルな挙動のバイクに乗り込み、タフなレースへ挑むのだ。本稿ではDMM GAMESから提供いただいた国内PS4版をもとに、ゲーム内容を紹介する。


本作の題材であるAMA スーパークロスは、エナジードリンクを販売するモンスターエナジーが年始から春にかけて北米各地で主催するモータースポーツイベント。スタジアム内にコースを特設し、数万人の観客の中レースがおこなわれる。ライダーはタイトコーナーやリズムセクション、ジャンプセクションで構成された1周1分ほどのコースを周回する。幅の狭いトラックで起きる駆け引きなど、熱い展開が魅力のレースなのだ。派手なコースレイアウトや、花火やMCによる演出もあいまってエンターテインメント性も高い催しとなっている。

『Monster Energy Supercross: The Official Videogame』は、2018年からAMA Supercrossをゲーム化してきたシリーズだ。開発を手がけるMilestoneは、『MXGP』シリーズなどコアなバイクレースゲームを手がけてきた老舗スタジオである。本作では、2020年の公式シーズンで使用された全11会場と17トラックが収録。選手とともに成長できるキャリアモードを強化した作品となっている。

本作のゲームモードは大きく分けて3つあり、シングルプレイとマルチプレイヤー、そしてクリエイトに分かれる。シングルプレイヤー向けにはキャリア、チャンピオンシップ、イベント、コンパウンドを収録する。マルチプレイヤーでは、オンライン上でほかのプレイヤーと対戦したりCo-opでフレンドと一緒にトラックを走ったりできる。クリエイトでは、コースエディタで自分のコースを作成し、自分で走ったりオンラインで公開したりすることが可能だ。

困難だがやりがいを感じさせるレース

本作はレースゲームなので、レースそのものから紹介していこう。スーパークロスは激しいオフロードを二輪車で駆ける。屋外スタジアムなら雨が降ることもあり、ぬかるんでいることもある。また周回するごとに地面のコンディションは変化し、他のバイクが作った轍に車輪を取られたりもする。転んでスーツに付着した泥や、爆音を轟かせるエンジンなどリアル系なレースゲームならではのディテールを発見できるはずだ。

まずはL1のクラッチとアクセルR2を押しながら、ゲートが下りるのを待つ。ゲートが下りたらクラッチを離すことで一気に加速しよう。序盤は狭いオフロードのなかで22台のバイクが密集するため、転倒事故が起きやすい。こうした時はR1ボタンのリワインド機能で、時間を巻き戻して立て直すことが可能。リワインドすると映画のように時間を止め、数秒前の時点から再出発できるのだ。画面左下にゲージが表示されており、最大3回まで連続して使用できる。ドリフトなど派手なスタントを決めるとゲージが回復するようだ。


現実のスーパークロスにはさまざまな要素があるが、本作でもっとも難しいのはコーナーリングとそれに必要なスロットルコントロールであると筆者は感じた。後述するジャンプも難しいのだが、準備段階としてコーナーリングがあり、ここを成功させないと失速してジャンプにつながらない。競技のスーパークロスの特徴として、スタジアム内の狭い特設コースを走るため、ヘアピンカーブ(タイトコーナー)が多い。適切なスロットルコントロールとハンドリングで、速度を落とさずコーナーリングできるかがタイムに大きく影響する。

スーパークロスは、観客をはらはらさせる派手なジャンプも特徴だ。テーブルトップやトリプルジャンプ、ウォッシュボードセクションなどが組み合わさったパズル的なコースを攻略する。デフォルトでは半透明の青いガイドライン(フローエイド)が表示される。ラインに沿って飛べば安全で速い。しかし空中ではアクセルもブレーキも効かない。姿勢を右スティックで制御して、着地に備えるしかないのだ。コーナーリングとジャンプ両方とも難易度は高いが、練習することで上達が確実に実感できる要素となっていた。

ちなみに視点は4種類ある。主観視点が2種類と三人称視点が2種類。主観視点はバイザー越しのカメラと通常のものがある。迫力満点だが、揺れが激しく実用的ではない。三人称視点ではカメラが近いものと遠いものがあるので、いずれかから選ぶと良さそうだ。



充実のキャリア

キャリアモードは選手を成長させながら、一連の選手権を戦うモード。選手権は一定の数のレースのあと、シーズンが終了し順位が決まる。たとえ結果が振るわなくても、前シーズンで能力を向上させた選手でもって再挑戦していこう。成長要素やイベント機能が充実しており、おそらく本作のメインのモードとして打ち出されている。

まずキャリアモードは3つの段位であるフューチャーズとルーキー、プロへ分かれる。フューチャーズをクリアすると、ルーキーが開放される。さらにルーキー部門で入賞できれば、プロへの道が開ける。スポンサーやライバルライダーが現れたりと、順に機能が追加されていくわけだ。

またスーパークロスのクラスは登竜門の250SXと、上位の450SXへ分かれる。エンジンの排気量である250ccと450ccでカテゴリーが分かれているのだ。また250SXは、250 WESTと250 EASTの二つのシリーズ戦から構成される。フューチャーズでは250 WESTで戦い、それ以降は250 WESTと250 EAST、450の3つからクラスを選択可能になる。本作は非常に難しく、今回筆者はルーキーでどうしても入賞できなかったので、そこを了承し読み進めていただきたい。


ゲームを始めると、まずはキャラクターを作成することになる。キャリアモードで自分の分身として活躍してくれるライダーだ。カスタマイズの幅として、名前や性別、顔、身長を変えることができる。次はレースで相棒となるバイクを選択。メーカーはKTM、YamahaやKawasaki、Honda、Husqvarna、Suzukiを確認できた。それぞれ性能は異なり、ブレーキ性能や加速力、操作性などパラメーターが設定されている。筆者は楽器でもおなじみYamahaのバイクでキャリアモードへ挑むことにした。

キャリアモードのメニューでは、レースへの出場、トレーニング、アビリティの獲得、バイクのカスタマイズなどが可能だ。トレーニングはレースの合間に3回だけ挑戦できる。成功するとスキルポイントを獲得。失敗しても回数はカウントされてしまうため、慎重にトレーニングをしたい。それぞれLv1からLv10まで難易度が用意されている。上の難易度は下のレベルをクリアすると順に解放される仕組みだ。ただし、下位の難易度で繰り返しトレーニングしてもポイントは貰えない。ライダーとして成長するためには、難しいトレーニングに挑み続けたいところだ。

スキルポイントはアビリティの獲得に使用する。アビリティはライダーのドライビングスキルを向上させてくれるのだ。スキルポイントを引き換えにアビリティを獲得することで、バイクの操作性に明確に違いが感じられる。たとえばターンコントロールなら、バイクをより深く倒して運転可能。ブレーキングパワーならその名前のとおり、ブレーキが強力にかかる。レベルが上のアビリティは、ルーキーやプロでプレイすることで開放できる仕組みとなっていた。


バイクも豊富なパーツからカスタマイズできる。最初に選んだものとは別のメーカーのバイクも購入可能だ。カスタマイズ用パーツは部品ごと、そしてメーカーごとに110種類以上そろっている。ハンドルバー、ハンドグリップ、ハンドガード、シート、サスペンション、エグゾースト、エアスプロケット、タイヤ、リム、ブレーキディスクと部品ごとに換装できるのだ。主要なパーツをほぼすべてカスタマイズでき、見た目にも反映される。部品を換装することで性能を底上げできるためぜひとも利用したい。またレースで得たお金を使う主な用途である。

レースオプションも、ある程度カジュアルに寄せるか、リアルにするか好みで選択可能。バイクの前後輪のブレーキ操作を分けたり、トランスミッションをマニュアル操作にしたりできる。AI難易度は、Very EasyからRealisticまで5段階で調節可能だ。前述のフローエイドやリワインドといった機能もプレイヤー側でオフにできる。いずれにしても難易度高めのレースゲームなので、アシスト系の機能はオンにしておくとプレイしやすいはずだ。

またレースセッションの項目ではイベントを予選から始めるなど、より現実のスーパークロスへ近づけることが可能。レース形式はワンショット、セミプロ、リアルイベントから選択できる。セミプロではレースは予選とメインイベントへと分かれる。さらにリアルイベントでは予選、ヒート、敗者復活戦、メインイベントとより長く、リアルな形式でレースがおこなわれるのだ。


フューチャーズを完了した後には、ルーキーの段位が開放される。ここではスポンサーかオフィシャルチームと契約してレースへ出場する。スポンサーとオフィシャルチームでは若干できることや報酬が異なる。スポンサーの場合、ライダーのカスタマイズができなくなるが、車両はカスタマイズが可能。また達成目標が提示され、クリアすることでクレジットや経験値のかたちで報酬を獲得できる。オフィシャルチームの場合、ライダーのカスタマイズはできるが、車両はチームから提供されたものを使うためカスタマイズ不可。ただしコスメティックアイテムとして、ライダーとバイクのプリセットを開放できる。ルーキーで入賞するとプロへ進むことができる。ライバルとなるライダーが登場し、レース中に妨害をしてくるようだ。



チャンピオンシップモード

チャンピオンシップモードでは、実在のライダーとして250SXか450SXいずれかの選手権に挑む。Eli TomacやCooper Webbなどスーパークロスのチャンピオンを含めて、100名以上のライダーから選択可能だ。彼らの搭乗車種も再現されている。また公式選手権に加えて、カスタム選手権が存在。カスタム選手権ではオンラインで公開されたカスタムトラックなどコースの順番を編集可能だ。すべてのレースを同じスタジアムで開催する、極端な設定もできる。


イベント

イベントにはシングルイベントとタイムアタックの2つのモードが収録されている。シングルイベントは1試合限りのレースで戦えるモードだ。タイムアタックでは、任意のコースでトレーニングが可能。自分またはオンラインで公開された最速ゴーストを呼び出して競争できる。特定のコースを練習したり、ストイックに走りこんだりするのにちょうどいいモードだろう。

コンパウンド

スタジアムでのレースは演出が凝っていて楽しいが、景色がどこも似たりよったりであることは否めない。スタジアムに飽きてしまったら野外のコンパウンドエリアで練習が可能だ。メイン州の海岸に広大なコースが敷設されている。のどかな田舎の景色を楽しみつつ、バイクで自由に散策しよう。またコンパウンドエリアにはレーストラックが5つあり、ここでもタイムアタックやシングルイベントのレースが可能だ。


クリエイト

クリエイトではコースエディタで自作のコースを作成して、オンラインで公開できる。まずはスタジアムを選択、次は台形のスタートパーツを設置する。ジャンプや直線などコースのパーツを置いていき、最後はスタートのパーツと交わるようにすればよい。ゴールラインとなるパーツをどこかに設置するのを忘れないようにしよう。コースが完成したら、AIと一緒に1周だけ走って、レースが成立するか検証。終わったらオンラインへ名前を付けて公開可能だ。ほかのプレイヤーのカスタムトラックは、イベントやカスタム選手権メニューでダウンロードして利用できる。


そのほかマルチプレイでは、PS4版なら最大12人でレースが可能。PS5版では最大16人が参加できる予定だ。公開ロビーと、フレンドを招待して開催する非公開ロビーが作成できた。とくに非公開ロビーにはフリー走行のモードがあり、フレンドと一緒にコースを回る遊び方もできる。

AMA Supercrossの世界を忠実に再現する本作。暴れるバイクの挙動をリアルに再現するコンセプトのため、ゲームとしての難易度はかなり高い。しかし腰を据えてじっくり続けることで、タイムは縮まり上達を実感できる。ジャンプを決め、困難なセクションを上手く走り切る爽快感も存在するのだ。スーパークロスのファンはもちろん、リアル系のレースゲームを求めていた方にも体験してもらいたい。

Monster Energy Supercross – The Official Videogame 4』国内版はPlayStation®4とPlayStation®5向けに4月15日発売予定だ。