スマホ向けオープンワールドRPG『リネージュ2M』先行プレイレポート。すこぶる快適なゲームプレイと、やや薄味の冒険体験

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NCSOFTより、日本国内向けに『リネージュ2M』がサービス開始予定だ。ティザーサイトによると、iOS/Androidおよび「パープル(PURPLE)」(NCSOFTのスマホ向けタイトルが動くPC向けソフト)へ対応しており、実施中の事前登録キャンペーンではすでに登録者数150万人を突破。日本で人気を博したPC向けMMO RPG『リネージュ2』の名を冠しているためか、日本サービスに向けてすでに順調な滑り出しを見せている。

しかし本作の内容については国内向けに明かされておらず、詳細がわからない状態だ。今回はNCSOFTより先行プレイの機会をいただいたので、その内容をベースに本作の基本的な部分を紹介しよう。なお今回の先行プレイには、筆者の私物であるiPhone XRで参加した。またエンドコンテンツなど、ゲームの深い部分については触れられていないため、予めご了承いただきたい。

『リネージュ2M』は、NCSOFTが開発運営を手がける『リネージュ2』の正当後継リメイク作だという。韓国では2019年からサービスが行われており、公称ゲームジャンルは次世代オープンワールドRPG。プレスリリースによると、新時代の3Dグラフィック技術でモバイルゲーム史上最大級のシームレスなオープンワールドが実現されており、多様性と自由度を兼ね備えた成長を末永く楽しめるそうだ。

リメイク元である『リネージュ2』は、『リネージュ』の後継作であり、日本では2004年からサービス運営されているMMORPGである。2000年代前半から韓国製のMMORPGが国内で人気を誇っていたが、『リネージュ2』は当時を代表する作品の一つに数えられるだろう。なお国内版の『リネージュ2』は、クラシック/ライブ/アデンサービスに分かれて、現在でもサービス継続中だ。

また国内向けには、2019年より『リネージュM』がiOS/Android向けに配信されている。『リネージュM』はNCSOFTによる『リネージュ』をベースとしたスマートフォン向けMMORPGとなっている。



スマートフォン向けらしさのあるクラスシステム

本作では最初にサーバーを選択し、キャラクターを作成する。先行プレイ版で用意されていた種族は、ヒューマン/エルフ/ダークエルフ/オーク/ドワーフの5種類。種族を選んだあとは、「片手剣」「二刀流」「短剣」「弓」「スタッフ」「オーブ」の最大6種の武器との組み合わせでクラスを選択していく。

本作には性別や顔、身長などを変更するキャラクタークリエイション機能は導入されていない。ヒューマン/ダークエルフ/ドワーフでは男性、エルフとオークでは女性の決まった顔と体格のキャラクターとなっており、種族と武器種を選択し、名前をつければキャラクター作成が完了となる。好みの操作キャラクターを作れない点では物足りないものの、整った造形のキャラクターを誰でもすぐに作成でき、差が出ないようになっている。なお、種族ごとに選べるクラスやクラス名が少しずつ異なっており、ナイト/ウォーリア/レイダー/アーチャー/ウィザード/クレリックの6クラスはヒューマンのもの。エルフにはヒューマンとほぼ同じ6クラス、ダークエルフにはナイトを省いた5クラス、ドワーフにはアーチャーとウィザードを省いた4クラス、オークはナイト/アーチャー/ウィザード相当の3クラスとなっていた。


筆者の場合は、まずは見た目でエルフを選択。オートモードが搭載されていると耳にしていたため、遠距離ではなく二刀流を扱うエルヴン ソードをクラスにした。名前は宝石から取ってamber。趣味と放置性能、ちょっとした刺激を求めた結果であるが、おそらく中途半端なステータスになっていると思われるので、まったくおすすめはしない。

また、筆者がPC向けオンラインゲームを中心に遊んできたためか、本作のクラスシステムそのものがかなり特徴的に思える。レベルの上昇とともに上級クラスへと転職する馴染み深いシステムも用意されているものの、本作ではいわゆるガチャを通してクラスを入手する機会があり、最初に選んだ種族やクラスとまったく関係のないクラスにも、いつでもどこでも転職可能。クラスが変わってもキャラクターのレベルは元のキャラクターと同じで、性別や外見、性能の異なるクラスに転職したままで、冒険を続けられる。

レアリティは、低い順に一般/高級/希少/英雄/伝説の5段階。上位レアリティのクラスには、どこかの君主や英雄など名前付きのNPCたちが並んでいた。転職を重ねていくクラスシステムと、キャラクターがガチャから排出されるスマートフォン向けタイトルや昨今のオンラインゲームのシステムが組み合わさったものなのだろう。気軽にクラスチェンジできることで、同じキャラクターでありながら狩りとレイドでクラスを変更したり、気分にあわせてまったく異なる見た目のキャラクターで遊んだりも可能なわけだ。なお、クラスの所持状況はアカウント内で共有されているようだった。また、先行プレイでは課金アイテム自体がほとんど導入されていなかったため、課金周りの価格については不明だ。


ひたすら快適なオート操作

無事にキャラクター作成を終えたあとは、巫女のレアなる人物の声が直接届き、チュートリアルが始まった。まずは操作方法を学んでいくが、本作の操作方法は大別して3種類。そのうち2種類が能動的な操作方法となっており、バーチャルパッドでの操作と、キャラクターや画面内をタップするマウス操作に近い形式に対応している。バーチャルパッドについては、キャラクターを移動させる左のスティック相当のものはきびきびと、出番こそほとんどないものの快適に動かせるようになっていた。

もう1種類がオート操作だ。本作ではオート戦闘をオンにすると、力尽きるまで何時間でもその場で戦い続ける。クエストをタップした際には、ターゲットが誰かとの会話であれば移動後に会話し、ターゲットが敵の討伐であれば目的地で戦闘を始めるなど、クエスト目標の達成に向けてワンタップで動く。ただしそれほど融通が利くわけではなく、[オート戦闘中にポーションを自動的に補給させてバッテリーが切れるまで戦わせ続ける」「連続するクエストを完全自動でクリアさせる」など、複雑な命令は遂行できない。そうした部分ではプレイヤーの操作が必要だ。しかし今回の先行プレイでは、ゲームプレイをある程度進めたところで、一度操作し終えたあとは短くとも30分から1時間程度は目標の更新がなくなり、ほかのゲームの合間に進捗をチェックする程度で操作量が十分になった。だいたいゲームをしながらゲームをしたり、仕事をしながらゲームをしていた。放置のしすぎでデスペナルティを負ってしまうことも少なくなかったが、ゲームプレイの大部分がオート操作に委ねられ、ほぼ自動的にキャラクターを育てていける体験は快適そのものだった。

画面にキャラクターを描画しない節電モード、ポーション自動使用設定、オート戦闘の攻撃優先順位、自動戦闘中のアイテム獲得重量制限なども変更可能で、オート操作を前提とした作りになっている。そのほか、本作ではクエストターゲットまで2タップでテレポート可能であり、ロード時間の短さも相まって、とにかく快適にプレイできるのは魅力だろう。


一方で、快適であればすべてが楽しいとは限らない。前述のとおり、本作は往年の代表的なMMORPG『リネージュ2』の正当後継リメイク作と謳われている。当時のMMORPGでは1日や1週間、あるいはもっと長い期間敵を倒し続けてようやく1レベル上昇するような、気の長いゲーム体験が特に高レベル帯において展開されていた。長時間のゲームプレイと、苦労の果てにしか得られない何かがあったのかもしれない。良い悪いという話ではなく、ただ当時のMMORPGとはそういうものだったのだ。

『リネージュ2M』には、そうした2000年代のMMORPGの面影がどこか感じられる。敵からのアイテムドロップ頻度は少なく、ポーション一杯で出かけた所持品の重量は減っていく。30分や1時間程度操作をオートに委ねても、達成されていないことも多く、2021年の作品としては多めに設定されている。オート操作により、張り付いてひたすら敵を倒し続ける苦労はなくなったが、経過した実時間に比べて実入りが少ないようにも感じられた。こうした長期化しがちな狩りを、キャラの成長や装備の強化によって最適化していく点や、着実に増えていく経験値とゲーム内通過が、楽しみのひとつなのだろう。

グラフィック簡易設定を高/中/低の順にそれぞれ変更したもの


グラフィックについては、スマートフォン向けとしては綺麗な画面だと感じられた。ほとんどの時間をオートでプレイしていたため、さほど画面を凝視していたわけでない。また端末のスペックの関係で主に設定中でプレイしていたが、時折視界に入る画面には、しっかりファンタジー世界が映されていた。負荷を抑えるためか、キャラクターの周囲や草木が荒いものになっていたこともあったが、街や遠景は安定して綺麗に映されていたように思う。怨霊うごめくダンジョンや獣たちの闊歩する森の中、死者が動き出した戦場の跡など、スマートフォンでオープンなフィールドを散策できるわけだ。

グラフィック簡易設定を高/中/低の順にそれぞれ変更したもの


カメラについても、自由に世界を見渡せるフリーカメラ、東西南北の方角に対応した固定カメラ、キャラクターを中央から左へと寄せる肩越し視点も搭載。プレイヤーが世界を覗く視点をいくつも取り揃えることで、美麗なファンタジー世界が堪能しやすくなっている。

それぞれフリーカメラによる引き、肩越し視点、固定カメラ


そのほかキャラクターの育成関連では、本作にはゲーム内通貨「アデナ」を消費し、スキルブックを購入してスキルを習得するシステムが採用されていた。また装備については、クエスト報酬での直接獲得や、素材を消費して製作し、より高いレアリティものへ乗り換えていく仕組み。装備強化スクロールにより、装備を強化するシステムも搭載されていた。翻訳についても、先行プレイ時点でしっかり日本語に訳されており、日本語で迷わずプレイできた。


先行プレイの限られた範囲内ではあるものの、オート操作により快適にキャラクターを育成していけたのは間違いない。また、スマートフォン向けとしては十分に綺麗なグラフィックが実現されていることも本作の魅力。少々実時間に対して味がしない感触こそあるものの、本作というよりはジャンルそのものの性質とも言える。とにかく快適にプレイできることは魅力。基本プレイ無料でリリースされるために、興味を惹かれたなら触ってみてもいいかもしれない。『リネージュ2M』は、NCSOFTより日本国内向けにサービス開始予定。現在は、事前登録受付中だ。

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